★欧州市場朝方の取引では、米長期金利上昇を背景に、ドルは堅調地合いを維持してもみ合い。欧州株は高安まちまちだった。110円台では依然としてドル売り意欲が強かったことや、NYダウ先物が軟調推移だったことで、ドル/円は伸び悩んだ。欧州市場では110円手前で上げ渋る展開が続いた。米長期金利も低下気味で、ドル買いはいったん後退したが、米経済指標発表を控えるなか、109.90円前後で持ち高調整の動きとなった。米長期金利が3.0281%まで上昇したことで、ドル買いが優勢となった。米5月ニューヨーク連銀製造業景気指数がプラス20.1と予想のプラス15.0を上回ったことが分かると米長期金利の上昇幅が拡大し、円売り・ドル買いが強まった。なお、4月米小売売上高(季節調整済み)は前月比0.3%増と市場予想通りとなったほか、自動車を除いた数値は前月比0.3%増と予想の前月比0.5%増を下回った。ただ、前月の数値はいずれも上方修正された。ドル買いの動きが活発になり、110.30円台後半へ続伸する展開となった。ドル買い一巡後も底堅い展開が続いた。2月来高値を更新後、110.20円付近で高止まりとなった。一時110.45円と2月2日以来の高値を付けたものの、『北朝鮮は軍事演習を巡り米朝首脳会談をキャンセルする可能性を示唆した』との一部報道が伝わると一転下落した。ただ、下押しは極めて限定的だった。
米長期金利上昇が週初から続いており、日米金利差によるドル買いが強まった。111.00円を上抜けするとストップロスを巻き込みながら急速に上昇した。東アジアの地政学リスクが高まったものの、ドルが底堅く推移したことが注目される。200日線の110.18を上抜けしてきたものの、260日線110.47円がレジスタンスとして意識されている。260日線上値トライとなるかが注目点となる。
★日経225の日足では、5日線(赤線)22,670円、10日線(黄線)22,577円の上方に位置しており、両線とも上向きとなっていることから、短期的には上昇基調は継続している。75日線(緑線)以外は上向きとなっており、1月後半からの下げ局面が75日の下落基調の要因となっているため、しばらくは下向きを維持しそうだ。
ロウソク足でも陰線引けとなっているものの、前日ロウソク足に対して上値・下値を切り上げるロウソク足となっている。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は%K:94.38、%D: 92.71と相当買われ過ぎ過熱感が出ていることから、調整下落となりやすい。
心理的な節目となる2万3000円が目前にあり、押しらしい押しもなく上昇基調となったことで、利益確定売りが入りやすい。5日線や10日線がサポートとなりやすいが、逆三尊底のネックラインとなる2月27日高値22,502円が重要なサポートとなる。この節目を下抜けすると、逆三尊底ネックライン上抜けがダマシだったことになる可能性がある。2万3000円を上抜けるには円安進行が重要なきっかけとなる。お昼にコメントを投稿したが、円高回帰するとしばらくしてから日経225が大きく下落調整となりやすい。
★日経225とドル/円の関係では、日経225の反転と円安進行時はほぼ同時期に起きる。一方で、日経225の反落では、先にドル/円の上値が重くなり円高が進行してから日経225が下落するというパターンとなっている。
ドル/円は110円台を目前にして上値が重くなっている。そのため、ドル/円が円高調整となると、間を空けて日経225が下落調整となりやすい。
ドル/円は、5日線の109.57円を上回っていることから、短期的には円安基調となりやすい。ただ、上値には200日線の110.17円がレジスタンスとして意識されている。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)では上値・下値を切り下げるダイバージェンスを起こしており、今後円高調整となりやすいので注意が必要となる。
過去1年間のパターンからすれば、円高が進行してもしばらく日経225は上昇基調を維持するものの、下落のシグナルとして警戒する必要がある。5日線や10日線109.411円を下回るような円高になったら要注意。
★日経225週足では、陽線も8週連続目となり強い上昇トレンドが継続している。レジスタンスとして意識されていた26週線(青線)22,382円であったが上抜けしており、強い相場が続いている。
ロウソク足でも前週のロウソク足に対して、上値・下値を切り上げる上昇となっている。
13週線(赤線)も上向きとなってきており、26週線に向かって上昇してきている。
また、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、%K:81.85、%D:68.19と過熱感がなく両線とも上向きとなっており、上昇基調が継続している。
ただ、23,000円近辺では、昨年11月10日週から12月29日週までもみ合い相場となった値位置に当たることから、一旦利益確定売りが入りやすい。そのため、上値が重くなる可能性が高い。
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