FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/06/15:13:49

日経平均株価:好決算銘柄を中心に押し目買い優勢

米連邦準備理事会(FRB)は前日に0.50%の利上げを決定したが、インフレ抑制には十分ではないとの見方から一段の大幅利上げに対する懸念が出ている。そのため、主要3指数は前日の上昇から『行って来い』となった。これを受けて日本株は売り優勢でスタートした。米長期金利上昇を懸念しており、米国株と同様にグロース株がさえない疎きとなった。ただ、売り一巡後は、好決算銘柄を中心に押し目を買う動きが出て、日経平均株価はプラス圏へと回復した。また、値ごろ感があるとみられたバリュー(割安)株を中心に買いが入った。ただ、日本株市場でも金利上昇で割高感が意識されやすいグロース(成長)株を注視に売られた。結局、前営業日比185円高の2万7003円で終了した。

 

東京外国為替市場:株価や米長期金利を眺め130円台半ばでもみ合い

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや米長期金利が上昇したことに支えられ、130.81円付近まで値を上げた。日経平均株価の持ち直しで、リスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。ただ、心理的節目の131.00円が視野入りすると上げは一服した。その後は、週末を控えた利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いも見られ、130円台後半から130円台半ばへ水準を切り下げた。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、130.60円台を中心とする狭いレンジで取引された。今晩発表される4月米雇用統計を前に、様子見ムードが広がっている。ユーロ/ドルは、欧米金融政策スタンスの違いを意識したユーロ売り・ドル買いが一巡すると、1.0520ドル台で方向感を欠く展開となった。

 

OPECはロシアとの結束を優先:小幅増産維持

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国でつくる『OPECプラス』は5日のオンライン閣僚協議で、米国等が求める追加増産に応じずロシアとの結束を優先して6月の増産幅を5月と同じ日量43万2千バレルと現行の小幅増産を続けることで合意した。『OPECプラス』がロシアの供給減を補う追加増産に踏み切れば米欧への側面支援に繋がりロシアとの関係悪化を通じてOPECプラスの枠組み自体を危うくするという事情がある。

 

トルコでは20年ぶりの高水準のインフレ:金融政策の転換気配なし

トルコ統計局は5日、4月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比69.97%だったと発表した。経済成長を優先した金融緩和の副作用で、庶民の暮らしは20年ぶりの高水準のインフレに圧迫されるが、政府は新たな低金利ローンを導入するなど金融政策を転換する気配はみられない。中央銀行は4月28日、年末時点でのCPI上昇率が42.8%になるとの見通しを公表した。3カ月前の見通し(23.2%)から大幅に引き上げた。ウクライナ情勢を受けたエネルギー価格の高騰や通貨リラ安が原因だと説明した。中銀はインフレのピークが5月になるとしたが、市場ではより悲観的な見方もある。前中銀チーフエコノミストのハカン・カラ氏は10月ごろに80%台まで上昇する可能性があるとみる。CPIの先行きを占う4月の卸売物価指数(PPI)は121.8%増だった。

 

南アでや電力危機が今後も悪化する可能性

度重なる南アの電力負荷制限について、『国家非常事態宣言を発令するべきでは』との声に対して、ゴーダン公共事業相はこの考えを否定し『電力の制限はステージ8まで引き上げることができる』と述べた。ステージ8は8000MWまでの負荷制限で、1日6回または12時間までしか電力が供給されなくなった。ゴーダン氏は『システムは古く、想定どおりに維持されていない。計画的な保守のためにこれらのユニットを停止する必要があり、国の需要のために贅沢は言っていられない』と発言するなど、現行はステージ2にとどまっていりが、電力危機が今後も悪化する可能性を示唆した。

 

メキシコでは国外労働者による送金額は好調:米国の経済減速が懸念材料

メキシコ銀行(中央銀行)が2日に発表した3月の国外労働者によるメキシコへの送金額は46億8060万ドルとなった。3カ月ぶりに40億ドル台を回復し、前年同月比では13%増加した。これで前年同月の水準を上回るのは23カ月連続となった。もっとも、メキシコの国外労働者の大半が居住している米国では高インフレへの対処として米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げが進むと予想されており、市場では今後の米経済の減速懸念も指摘されている。懸念が顕在化すれば米国内のメキシコ人労働者も大きな影響を受けざるを得ないことから、メキシコ本国への送金額が減少していく可能性もある。

 

米第1四半期の労働生産性が75年ぶりの落ち込み:米経済減速の兆し

労働省が発表した1-3月期非農業部門労働生産性は前期比‐7.5%と、10-12月期+6.3%から再びマイナスに落ち込み、1947年以降75年ぶり最大の下落率を記録した。人件費の高騰など、コストの上昇が影響した。同指標は、連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン元議長が経済の動向を判断する上で、最も重要視していた。同期単位人件費は前期比+11.6%と、伸びは予想を上回り20年10-12月期以降で最大となった。過去4四半期では+7.2%と、40年ぶり最大の伸びになった。加えて、企業は燃料や原材料価格の高騰にも悩まされることになる。特に中小企業は、景気後退入りを警戒している。ビジネス専門局CNBCの世論調査によると、中小企業の回答者の81%が年内に景気後退に陥ると懸念していることが明らかになった。

 

米FRBは保有資産を25年までに3兆ドル圧縮:GS予測

FRBは3-4日開催のFOMCで通常の2倍0.5%の利上げと保有資産縮小『QT』(量的引き締め)6月開始を決めた。パウエル議長は会見で『今後2回の会合で0.5%の利上げを検討する』とする一方で『0.75%利上げを委員会は積極的には考えていない』と述べ『FEDウォッチ』で織り込まれていた6月0.75%の利上げ観測が後退し、6月0.75%利上げにおびえていた米ダウ平均株価は4日、932ドル高と3万4000ドル台を回復した。もっとも、次回6月FOMCから『QT』(量的引き締め)が開始され0.5%利上げと共に『二重引き締め』として米景気オーバー・キル(過剰引締め)が懸念される。なお、FRBはバランスシートを月950億ドルずつ減らす計画であり、米金融大手ゴールドマンサックス予測ではFRBは9兆ドルから25年に6兆ドルまで減少、3兆ドルの資産圧縮により米長期金利に1%程度の上昇圧力がかかると試算される。

 

欧米市場のイベント

○14:45   4月スイス失業率(季節調整前、予想:2.2%)
○15:00   3月独鉱工業生産(予想:前月比▲1.3%/前年同月比▲0.4%)
○16:30   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:30   4月英建設業購買担当者景気指数(PMI、予想:58.0)
○18:30   ナーゲル独連銀総裁、講演
○20:15   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)兼チーフエコノミスト、講演
○21:30   4月カナダ雇用統計(予想:新規雇用者数変化5.50万人/失業率5.2%)
○21:30   4月米雇用統計(予想:非農業部門雇用者数変化39.1万人/失業率3.5%/平均時給、前月比0.4%/前年比5.5%)
○22:15   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、あいさつ
○23:00   4月カナダIvey購買部協会景気指数
○24:00   テンレイロ英MPC委員、講演
○24:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ディスカッションに参加
○24:00   レーン・フィンランド中銀総裁、講演
○7日04:00   3月米消費者信用残高(予想:250.0億ドル)
○7日04:00   ボスティック米アトランタ連銀総裁、講演

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/02/15:14:25

日経平均株価:好決算銘柄が買われ下支え

朝方、好決算銘柄などが中心に買われプラスで推移したものの、前場中盤からはマイナス圏に落ち込む展開となった。米金利上昇に対する警戒感が残っているほか、3連休まであるうえ、FOMCを控えていることから、見送りムードが強まった。もっとも発表が本格化した決算を手掛かりに個別物色が強まるなか、堅調な業績見通しを示した銘柄には買いが入った。

 

東京外国為替市場:円売り強まるも130.40円を挟んでもみ合い

ドル/円は、日経平均株価の下げ幅拡大を眺めたリスク回避の円買いが先行し、129.60円付近へ下落した。しかし、日米金融政策スタンスの違いが鮮明になっていることもあり、下値を追う動きは限られた。その後は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、130.20円付近へ上昇した。米長期金利が小幅に上昇したこともドルの押し上げにつながった。午後に入っても堅調地合いは続き、日経平均株価が持ち直すと、さらにドル買い・円売りが進んで一時130.43円付近まで値を上げた。ただ、3-4日に開催されるFOMCの内容を見極めたいとの雰囲気から、上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いも見られ、130.40円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、シンガポールや香港市場の休場で、海外勢の流動性が低下しているため積極的な売り買いは目立たず、1.05ドル台前半で方向感に欠ける値動きとなった。

 

ドル買い比率が3ヵ月ぶり高水準:前週のFX概況

QUICKが2日算出した4月29日時点の店頭外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、円に対するドルの買い比率が65.5%だった。前の週末から1.9ポイント上昇し、1月下旬以来およそ3ヵ月ぶりの高水準となった。日米金融政策の方向性の違いなどを意識した円安・ドル高が進む中、相場の流れに逆らう『逆張り』の傾向がある個人投資家も円売り・ドル買いの持ち高を増やした。日銀が大規模な金融緩和を維持すると決めた4月28日に円相場は一時1ドル=131円台に下げて20年ぶりの安値をつけた。市場では『4月28日だけを見ると円買い・ドル売りが優勢になるなど、個人投資家は細かく利益確定を入れている』との声が聞かれたものの、円安が一服する場面では上昇余地は限られるとの見方から散発的な円売り・ドル買いを出しているという。米ドル以外の通貨に対しても円売り・外貨買いの比率が軒並み高まった。豪ドル/円取引では豪ドルの買い比率は66.1%と前の週末から1.3ポイント上昇し、2月上旬以来およそ2ヵ月ぶりの高水準となった。NZドル/円取引でもNZドルの買い比率は2月下旬以来の水準に上昇した。

 

中国の4月景況感は一段と悪化

中国の景況感を示す4月の購買担当者景気指数(PMI)は、政府と民間が発表したいずれの数字も一段と悪化した。厳格な新型コロナウイルス対策で上海など多くの都市がロックダウン(都市封鎖)を実施しており、経済活動に深刻な影響が出ていることが鮮明になった。中国国家統計局が30日に発表した4月の購買担当者景気指数(PMI)は、製造業が47.4と3月の49.5から予想(48.0)以上に低下した。非製造業は2カ月連続の悪化で、41.9で3月の48.4から41.9に低下した。製造業と非製造業を合わせた総合PMIは48.8から42.7に低下した。統計局は声明で、製造業の需要、供給双方の大幅減少をコロナ規制に関連付け『一部企業は主要原材料や部品の調達や完成製品の販売に苦労し在庫が積み上がっている』と述べた。PMIの生産指数は49.5から44.4に、新規受注指数は48.8から42.6に低下した。

 

ロシアの今年の経済は最大10%のマイナス成長:ロシア中銀

ロシア中銀は、今年の同国経済は8-10%のマイナス成長になるとの最新の見通しを示した。国内の経済活動は今年3月、ウクライナ侵攻や国際社会がロシアに対して発動した制裁を受け、後退し始めたと指摘した。声明で消費者の購買意欲の減退や企業活動の縮小、輸出入での落ち込みがあったと報告している。

 

5日発表のトルコ4月CPIはインフレ加速が確実視

トルコが本日から4日まで砂糖祭(ラマダン明けの祭り)の祝日となっている。5日発表の4月トルコ消費者物価指数(CPI)は、前年比予想が67%超えと更なるインフレ加速が確実視されている。これでも高い数値ではあったが、専門家によって設立された独立機関の調査によれば、実際のインフレ率は140%超えとの結果も出ている。トルコ中銀は四半期インフレレポートで、年末のインフレ率予測を42.8%と従来の23%台から大幅に修正したものの、それでも甘い見通しと言える。

 

南アランド売り・ルーブル買いに変化が生じるかが注目点

本日はメーデーの振替休日で南ア市場は休場ですが、本日から月が変わることで先月後半のようなランド売りが継続されるのかを見極めながらの取引になる。今週は南アからは3日に4月のABSA製造業PMIの発表はあるが、同指標を含め市場を動意づかせるような指標発表の予定はない。市場を動かすのは先月のような資金の流れ(ランド売り・ルーブル買い)に変化が生じるかにある。南ア国内で市場を動意づけることがあるのであれば、先月の洪水の復興がどの程度進むかにある。

 

メキシコの観光産業の押し上げにつながるか

メキシコ政府と航空民間企業は今年、空港インフラの維持とアップグレードの為に総額123億6000万ペソを投資する見込みである。内訳としては80%を空港会社が負担し、それ以外を政府が融資するというもので、インフラ・通信・運輸省(SICT)は計25億3000万ペソを予算に計上している。そのうち、6億8000万ペソ程がメキシコ国内で最も利用客の多いメキシコシティ国際空港(AICM)の改修とメンテナンスに充てられるとのことである。ただ、メキシコ政府が今回、一番予算を投じるのは中堅航空会社であるGAP(太平洋空港グループ)、OMA(中部北空港グループ)、ASUR(南東空港グループ)。この3つには今年、政府・企業含めて計98億3000万ペソが投じられ、それぞれ既存空港の改修や新ターミナルの建設、滑走路の拡張などが行われる。航空業界1位のAICMだけでなく、航空業界全体のパフォーマンスを上げることにより、メキシコの観光産業を盛り上げる起爆剤となるかが注目される。

 

FRB議長はよりタカ派的なトーンとなる可能性も:JPモルガン

JPモルガンは4月29日付リポートで、5月の米FOMCでFRBが0.50%の利上げに踏み切ると予想した。併せて、バランスシートの縮小(QT)開始もアナウンスされると見込んでいる。一部委員が0.75%の利上げに言及したほか、市場では0.75%の利上げ可能性を織り込む動きがみられているものの、その可能性は低いとした。一方で、FRBのインフレ対応への信頼性が損なわれることで、今後0.5%以上の利上げの可能性もあり得るとしている。会合後のパウエルFRB議長の記者会見では、今後の会合で0.5%以上の利上げが妥当であることを示唆し、よりタカ派的なトーンとなる可能性があるとも見込んだ。QTのペースについては資産圧縮の上限突き50億ドルにむけ、3ヵ月にかけて段階的に導入される可能性が高いとも予想している。

 

欧米市場イベント

○15:00   3月独小売売上高(予想:前月比0.3%/前年比▲0.5%)
○16:00   4月スイスSECO消費者信頼感指数(予想:▲15.5)
○16:30   4月スイス製造業PMI(予想:61.5)
○16:50   4月仏製造業PMI改定値(予想:55.4)
○16:55   4月独製造業PMI改定値(予想:54.1)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI改定値(予想:55.3)
○18:00   4月ユーロ圏経済信頼感指数(予想:108.0)
○18:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値、予想:▲16.9)
○22:45   4月米製造業PMI改定値(予想:59.7)
○23:00   3月米建設支出(予想:前月比0.7%)
○23:00   4月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数(予想:57.6)
○23:30   4月メキシコ製造業PMI
○中国(メーデー)、香港、シンガポール、南アフリカ(以上、メーデーの振替休日)、ロシア(春と労働の祝日の振替休日)、トルコ(砂糖祭)、英国(アーリーメイバンクホリデー)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/04/28/15:27:19

日経平均株価:日銀金融政策決定会合に上げ幅拡大

まちまちの米国株を受けて小高く始まった後、しばらくはプラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし、上昇銘柄が比較的多かったことや、米株先物が強めに推移したことなどから下値不安が後退した。買いに勢いがついて上げ幅を3桁に広げた。決算を発表したデンソーが急伸すると、トヨタ含めグループ企業にも資金が向かい、これに触発されるように全体も一段高となった。そのまま強い動きを維持する展開になった。日銀が大規模な金融緩和策の維持を決めると発表し外国為替市場で円安・ドル高が進むと、輸出関連銘柄を中心に買いが入って日経平均は上げ幅を広げた。結局、前営業 日比461円高の2万6847円で終了した。

 

東京外国為替市場:日銀政策決定会合後に円売り強まり130円台へ

ドル/円は、明日から始まる大型連休を前に、仲値にかけて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、128.80円台へ上昇した。日経平均株価の反発でリスク回避姿勢が和らいだことも円売りを誘った。ただ、日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。昼過ぎに日銀金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の継続を決定した。そして、長期金利の上昇を抑え込むための『指し値オペ』を原則毎営業日実施する方針を明記した。これを受けて、日米金融政策スタンスの違いが鮮明になったことで仕掛け的なドル買い・円売りが持ち込まれ、128円台後半から129.90円付近へ急伸した。その後も、日経平均株価の大幅高にも支えられて一時130.27円付近まで上昇、約20年ぶりのドル高・円安をつけた。ユーロ/ドルは、米FRBの金融引き締めが加速するとの思惑からユーロ売り・ドル買いが強まり、一時1.0483ドル程度まで下落、およそ5年3ヵ月ぶりの安値を付けた。ロシアがポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止したことで、欧州景気の減速が警戒されていることもユーロの重石になった。

 

指し値オペで金利上限を守るコミットメントを強化か:ゴールドマン

27~28日に開かれた日銀の金融政策決定会合で現状維持が決まった一方、イールドカーブ・コントロールに関して連続指し値オペの運用の明確化が示され、『明らかにに応札が見込まれない場合を除き、毎営業日、実施することとした』と明示された。ゴールドマン・サックス証券は28日付のリポートで「『政策金利については、現在の長短金利水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定』というフォワード・ガイダンスを据え置いた以上、これと整合性をとるための措置と思われるが、市場は10年金利バンドの上限を守り抜くコミットメントの強化と受け取るだろう』との見解を示した。リポートでは、日銀会合後に円安が進んだことを踏まえ、「15時30分からの、黒田日銀総裁の記者会見が開催される。鈴木財務相までもが『悪い円安』といってはばからない中で、『円安は日本経済に全体としてプラス』とする持論に、南らかの微調整を行うか否かが注目される」とも見ていた。

 

20年のロシア経済成長率はマイナス12.4%の可能性

ロシア政府は、2020年の経済成長率が基本シナリオでマイナス8.8%、保守的なシナリオでマイナス12.4%になると予想している。経済省の文書で27日明らかになった。制裁の影響を受けていることが改めて浮き彫りとなった。新たな制裁や貿易を巡る不透明感があるため、今年のロシア経済がどの程度のタメージを受けるかは不明である。政府は今年、複数回にわたって予測を修正する可能性が高い。経済省の文書によると、今年のインフレ率は最大22.6%に加速する見通しとなっている。4月15日時点のインフレ率は17.62%だった。

 

トルコは重要な観光顧客であるロシアにすり寄る姿勢

ネバティ・トルコ財務相は先日、ロシア人観光客はロシアの決済システム(クレジットカード)を使用でき、トルコで支払いに困ることはないと述べた。もっとも、ロシアのクレジットカードを受け入れているトルコ企業は全体の約15%のみとされている。いずれにせよ、主要産業である観光業の復活のため、重要な顧客のロシアにすり寄る姿勢は今後も続きそうである。

 

南アランドは週末・月末の特殊玉による変動に注意

昨日のランド/円は日本時間の16時に対ドルでランド売りが大きく入ると、8.00円までランド円も下値を広げた。先週21日にも16時に同様のランド売りフローが出たが、値決めが同時刻に行われている模様。欧州時間にはロンドンフィキシング以外にも様々な値決めがあるので、その一部ではないかと思われる。なお、昨日は南ア市場が自由の日で休場だったこともあり、同国からは経済的な動きだけでなく、注目されるような政治的な動きもなかった。ランドは昨日特殊玉が出ていたが、明日は週末・月末となることで、本日も含め同様の動きとなる可能性がある。特にロンドンフィキシングにかけては、神経質な値動きになりやすい。南アからは3月の卸売物価指数(PPI)が発表される。消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回ったが、PPIが大きく上振れた場合は来月の利上げ幅の予想に変化が生じるかもしれず、注意深く見ておきたいところである。

 

メキシコ大統領発言が米選挙に影響するか注目

ロペスオブラドール大統領は25日の定例記者会見において、ラテン系の米国人は彼らを『虐待した』米政治家には投票すべきではないと述べた。これは前週末にトランプ前米大統領が『メキシコに対して関税による脅しをかけた』『メキシコからの移民締め出しのために国境警備を強化した』などと述べたことに対する感想を聞かれての発言である。ロペスオブラドール大統領は『メキシコやカリブ海諸国などが虐待された場合、11月の米中間選挙では民主党か共和党かに関わらず、その政党と候補者には投票しないでください』と訴えている。米国ではメキシコを出自とする人口が現在3700万人ほどいるとされており、これは米国内で増加するヒスパニック系人口の中でも最大派閥となる。米国内におけるメキシコの影響が益々強まるなか、今回の大統領発言がどのような影響を及ぼすのか注目しておきたい。

 

米国1-3月期GDPのマイナ成長と警戒

米商務省が発表した、3月前渡商品貿易収支は-1253億ドルとなった。赤字幅は2月1063億ドルから縮小予想に反し拡大し過去最大を記録した。原油などを含み燃料価格の上昇が影響し、輸入は+11.5%の2946億ドル。輸出は+7.2%の1693億ドルとなった。
赤字の予想外の拡大は1-3月期国内総生産(GDP)の成長を抑制する。市場エコノミストの平均予想では1-3月期GDP速報値が前期の6.9%から1.0%へ成長鈍化を予想している。レンジは2.5%プラス成長から1.2%のマイナス成長と、マイナス成長予想も浮上。米商務省と類似したモデルを使用しているため、注目されるアトランタ連銀の1-3月期のGDPの成長見通しは0.37%と、ほぼ横ばい。万が一、マイナス成長に落ち込んだ場合は、景気後退懸念が強まり、ドル買いペースが減速することになる。

 

米政策金利を5%から6%への引き上げを予想:ドイツ銀のエコノミスト

米連邦準備制度理事会(FRB)の本年の大幅利上げを織り込むドル買いにドル指数が5年ぶり高値を更新した。5月連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、75ベーシスポイントの利上げの可能性を含め、年を通じ各会合での利上げを織り込むドル買いが継続すると見られる。ドイツ銀のエコノミストはインフレ抑制が容易ではなく、FRBの中立金利が5%と見ており、大半のFRBメンバーが想定している2.5%前後を大幅上回る。FRBが政策金利であるFF誘導目標を5%から6%のレンジまで引き上げる必要性がでてくると予想している。

 

米国市場では1-3月期国内総生産速報値:予想は前期比年率+1.0%

参考となるアトランタ地区連銀の経済予測モデル『GDPNow』の4月19日時点の試算では、前期比年率+1.3%。雇用は改善しているが、高インフレが経済成長を抑制する要因となり、1%台の低い伸びにとどまる可能性がある。

 

欧米市場イベント

○16:00   デギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
○16:30   スウェーデン中銀、政策金利発表(予想:0.00%で据え置き)
○17:15   ウンシュ・ベルギー中銀総裁、講演
○18:30   3月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比1.5%/前年比10.8%)
○20:00   3月メキシコ失業率(季節調整前、予想:3.50%)
○21:00   4月独消費者物価指数(CPI)速報値(予想:前月比0.6%/前年比7.2%)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:18.0万件/140.3万人)
○21:30   1-3月期米国内総生産(GDP)速報値(予想:前期比年率1.1%)
       1-3月期米個人消費(速報値、予想:前期比年率3.5%)
       1-3月期米コアPCE(速報値、予想:前期比年率5.4%)
○29日02:00   米財務省、7年債入札

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/04/27/15:16:53

日経平均株価:前日の米国株安に連れた売り優勢

前日の米国株式市場でナスダックが大幅安となったことが嫌気され、グロース株を中心に軟調な展開となった。米国市場では、世界経済の成長鈍化や米FRBが一段と金融引き締めを積極的になるとの懸念が重石となった。一時下げ幅は600円超となった。日経平均株価が2万6000円に近づくと値ごろ感が働き、前場中盤からは押し目買いで下げ渋る展開になった。結局、前営業日比313円安の2万6386円と反落して終了した。

 

東京外国為替市場:本邦輸入勢のドル買いがやや優勢

ドル/円は、仲値に向けて本邦輸入勢などの月末に絡むドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、127.60円台へ上昇した。その後も、低下していた米長期金利が上昇へ転じると、さらにドル買い・円売りが進んで127.80円付近へ上げた。ただ、明日予定されている日銀金融政策決定会合の結果を見極めたいとの雰囲気もあり、積極的な上値追いは手控えられた。午後は、中国で新型委コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウン(都市封鎖)が拡大するとの見方が広がるなかで、世界的な景気減速を警戒したドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて127.70円を挟んでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、このところ下げ基調が続いていたため、利益確定やポジション調整のユーロ買い・ドル売りが持ち込まれ、1.0650ドル台へ値を上げた。

 

日銀会合では円安で市場には政策修正の思惑も

日本銀行が27-28日に開く金融政策決定会合では、ロシアのウクライナ侵攻後の資源・食料価格の高騰が景気に及ぼす悪影響が懸念される中、金融緩和策を維持すると見込まれている。約20年ぶりの円安・ドル高水準を受けて政策修正への思惑もくすぶっており、黒田東彦総裁会見への関心も高い。9割が金融政策の現状維持を予想している。1割は政策金利の先行きを示すフォワードガイダンスについて、利下げに関する文言の削除など引き締め方向への変更があり得るとみている。市場では日銀が円安や金利上昇圧力を受けて年内に政策修正に動くとの見方が増えており、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)政策の弾力化を見込む声も出ている。

 

日本生命の22年度運用計画:国内債を積み増してヘッジ外債を圧縮

日本生命保険は2022年度運用計画で、国内債券の残高を積み増すとともに為替リスクを回避した形で投資するヘッジ付き外国債券の残高は圧縮する方針である。都築彰理事財務企画部長が記者説明で26日明らかにした。為替リスクを回避せず投資するオープン外国債券の残高は、為替の不透明感が続く中で横ばいから減らす。米長期金利は上昇して本当は投資しやすい環境と都築氏は指摘するが、1ドル=130円の簿価でのオープン外債購入は『中長期の投資家として1ドル=110円に戻ってくることはあり得る水準で慎重に構えたい』と話した。

 

北京・上海封鎖なら中国の第2四半期GDPは1%押し下げも

中国北京市で新型コロナウイルスの大規模検査が大半の地区に拡大したことを受け、ロックダウン(都市封鎖)が導入された場合の経済への影響に懸念が生じている。当局は住民に対し、4月30日-5月4日の労働節休暇に北京から離れず、集まりを避けるよう求めている。華宝信託のエコノミスト、聶文氏は、北京と上海の2都市が封鎖された場合、第2・四半期の中国GDP(国内総生産)は1%ポイント押し下げられる可能性があると予想する。

 

マクロン仏大統領の二期目の政権運営への不安

フランス大統領選・決戦投票はマクロン大統領の勝利に終わったが、極右のルペン候補との得票率の差は2017年の前回選挙から大きく縮まった。経済・雇用情勢の好転にもかかわらず、マクロン大統領が苦戦を強いられたのは、同氏の主張や政策がフランス国民への訴求力に欠けていることを意味する。今回の選挙戦の争点は資源価格の高騰で厳しさを増す国民生活で、ルペン候補やメランション候補の主張が低所得者層の支持を集めた。マクロン大統領の二期目の政権運営は、こうした現状に不満を持つ有権者からの抵抗が予想され、改革の推進力は停滞する。

 

サウジアラビアと歩み寄りが見られればトルコとって良い話

トルコとアラブ首長国連邦(UAE)が包括的な経済連携について協議を開始したと報じられたが、リラ相場の反応は限定的だった。なお、中東の一部メディアが昨日、エルドアン・トルコ大統領が28日にもサウジアラビアを訪問し、サウジの実権を握るムハンマド皇太子と会談する予定だと報じている。両国は、2018年にトルコのサウジ総領事館でサウジ反体制派ジャーナリストのカショギ氏が殺害されて以降、関係が悪化していた。今月に入り、事件の審理がトルコで停止されてサウジに移管されることが決定した。これによりトップ会談への道が開けた。エルドアン大統領の訪問はまだ確定ではなく、スケジュール調整が付かない場合は来月にずれ込む可能性もあるとされている。ただ、トルコとアラブの大国サウジアラビアとの歩み寄りが見られるようであれば、トルコ経済にとっても良い話である。

 

南アランドの下落はポジション巻き戻しの可能性も

本日は1994年に、アパルトヘイト後最初の選挙が行われたことを祝う『自由の日』で南ア市場は休場となっている。もっとも、ここ数週間は南アのファンダメンタルズ等ではランドが動意づいていないこともあり、南ア休場がランド相場に与える影響は少ないと思われる。今月に入りランド売りの流れは急速で、昨26日時点で拡大主要(32)通貨の中で最も下げ幅が大きく、対ドルで7.47%下落している。初めの約2週間(1日から15日)までは、32通貨中4位のプラスリターンだったことを考えると、この2週間の下げ幅がいかに大きいかが分かる。対円でも下げ幅が大きく、昨日までだと32カ国中最下位で、3.91%の下落率となった。ランドが下がる一方で、今月はルーブルの買い戻しが急なため、これまでのランド買い・ルーブル売りの動きの巻き戻しが入っているのかもしれない。

 

米国は深刻な景気後退に陥る:ドイツ銀のエコノミスト

米国経済で、景気減速は当初予想に比べ深刻化が警戒され始めた。ドイツ銀のエコノミストは米連邦準備制度理事会(FRB)の高インフレ対処の利上げにより、2023年の米国経済が深刻な景気後退に陥ることになる、と警告している。問題はFRBの目標である2%目標達成が非常に困難になるため、かなり積極的な利上げをせざるを得ないことだと指摘。同氏は、FRBの中立金利が5%と見ており、大半のFRBメンバーが想定している2.5%前後を大幅上回る。FRBが政策金利であるFF誘導目標を5%から6%のレンジまで引き上げる必要性がでてくると予想している。

 

ブレイナード氏のFRB副議長昇格に必要な票を確保

米上院で、FRBのブレイナード理事を副議長に昇格する人事承認採決が実施され、ブレイナード氏は承認に必要な票を確保した。一方、クック氏のFRB理事指名承認をめぐっては不透明感が漂っている。また週内には、パウエルFRB議長の再任および続投とジェファーソン氏のFRB理事指名をめぐる承認採決も予定されている。

 

欧米市場イベント

○15:00   5月独消費者信頼感指数(Gfk調査、予想:▲16.0)
○15:45   4月仏消費者信頼感指数(予想:92)
○16:00   レーン欧州中央銀行(ECB)専務理事兼主任エコノミスト、講演
○17:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   3月メキシコ貿易収支(予想:6.60億ドルの黒字)
○21:30   3月米卸売在庫(予想:前月比1.5%)
○23:00   3月米住宅販売保留指数(仮契約住宅販売指数、予想:前月比▲1.0%/前年比▲8.1%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○28日01:00   ラガルドECB総裁、講演
○28日01:00   3月ロシア失業率(予想:4.5%)
○28日02:00   米財務省、5年債入札
○南アフリカ(自由の日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/04/26/15:14:44

日経平均株価:企業業績などへの警戒感から伸び悩み

前日の米国株式市場が上昇したことが好感され、値ごろ感からの買いが入った。環境面では新たな切り口は見当たらないものの、NYダウ先物が検討に推移していることが好感された。最近の急ピッチの相場下落を背景に自立反発狙いの買いも入って上げ幅を一時200円を超えたが、企業業績などへの警戒感は根強く、伸び悩む場面もあった。

 

東京外国為替市場:円買い後に米長期金利上昇で円売り再開

ドル/円は、オセアニア市場のドル/円は、中国で新型コロナウイルスの感染拡大抑制に伴うロックダウン(都市封鎖)が拡大するとの見方が広がり、世界経済の減速を警戒したリスク回避のドル売り・円買いが先行して、128円を割り込み下落した。東京市場に入っても軟調地合いは続き、本邦輸出勢などから月末に絡むドル売り・円買いフローが持ち込まれると、127.35円付近まで下落した。しかし、27~28日に開催される日銀金融政策決定会合のイベントを前に、下値を追う動きは限られた。その後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りも見られ、127.80円付近へ持ち直した。鈴木財務相や渡辺元財務官が日本の為替介入について否定的な見解を示したことも、円売りにつながった。午後に入ると、米長長期金利の上昇を眺めたドル買いが持ち込まれ、128.20円付近へじり高となった。ただ、前日のNY市場でつけた高値128.26円に接近すると上げは一服した。その後は、利益確定などのドル売り・円買いに128.00円付近へ押し戻された。ユーロ/ドルは、1.07ドル台前半で小幅な値動きに終始した。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日本の市場介入の障壁:暫くは口先介入が優先

日本の政治面では7月に参院選が迫るなか、円安と物価上昇が政府・与党内で懸念材料となっている。今後、短期間で急激な円安・ドル高が加速されると、日本単独であれば『スピード制御』の円買い介入は可能性として無視できない。一方で日本単独にせよ、協調にせよ、緊急時以外の円買い・ドル売り介入の『縛り』となる要因としては、①日銀の金融緩和継続姿勢と整合性が取れない、②日本のドル売り介入は日本が外貨準備で保有する米国債の売り憶測を呼ぶ(米国債金利は上昇)可能性もあり、米国の了解が微妙(現実にはドル売りのため手段は多様な選択肢も)、③実際に米国債金利が上昇の反応となると、介入後にドル高・円安が再加速されてしまう、④米国の議会や財務省は中国などに対し、『為替操作(介入)の自粛』を強く求めており、日本の市場介入は米国の議会や中国などから反発を招く、といった障害が想定される。

 

中国北京市でロックダウン懸念:最大行政区

中国北京市は25日、市内最大の行政区である朝陽区で全住民・在勤者の新型コロナウイルス検査を開始した。市内では22日以降これまでに47人の感染者が確認されており、上海市のような厳しいロックダウン(都市封鎖)が実施されるとの懸念から食料を買いだめする動きが出ている。感染は確認される約1週間前から広がっていた可能性があり、朝陽区当局は24日夜、今週3回の検査を受けるよう住民と在勤者に指示した。
感染者47人の半数以上が朝陽区で報告されている。海外や上海市に比べると少ないものの、当局は社会活動を控え、対面式の家庭教師サービスも停止するよう呼び掛けている。ただ、ほとんどの学校は授業を続けており、店舗やオフィスの多くも営業を継続している。

 

ヘッジファンドが8週連続で米国株売り越し:BofAセキュリティーズ

26日付の顧客フローのリポートによると、同社の顧客は18~22日の1週間に米国株を25億1200万ドル買い越した。4週ぶりに買い越しに転じたことになる。この週は、21日に米FRBパウエル議長が5月の米FOMCに関して『通常の倍となる0.5%の利上げがテーブルの上にある』と述べたことで金融引き締めが警戒される中。S&P500指数が2.75%安となって3週連増kで下げた時だった。主体別動向では、ヘッジファンド(HF)が11億400万ドルの売り越しで、8週連続の売り越しとなった。機関投資家は19億4300万ドルの買い越しで、、2週連続の買い越しとなった。個人投資家は8億3800万ドルの買い越しで、3週ぶりの買い越しだった。企業の自社株買いは8億3600万ドルで4週移動平均(7億1000万ドル)をやや上回った。HFの売り越し基調が長期化する一方、それ以外の3主体は金融引き締め懸念で相場の地合いが割る中で買い越しとなった。ただ、企業の自社株買いは依然として低調で、同社によれば通常は決算シーズンの第2週までに活発化するという。

 

トルコ政府は外国人への不動産売却を推進

トルコ統計局によれば、2021年の外国人向け住宅販売数は前年比で43.5%増加し、5.8万戸と過去最高を記録した。トルコ政府は住宅市場の拡大を更に推し進めようと、外国人への不動産売却を推進する国内業者に対する財政支援の方針を先週明らかにした。内容としては、外国人に不動産サービスを提供する個人業者や企業に対し、年間最大180万リラの広告支援する。また、見本市などの外国人向け不動産イベントへの参加費用として最大30万リラを提供するとした。また政府は、映画やテレビシリーズを使った不動産マーケッティングに対しても、最大60万リラの支援を行う。政府の目論見通りにトルコ不動産の魅力が海外に広まるようであれば、外国人による住宅購入数の記録更新も期待できる。

 

南アの大規模洪水の詳細:財政負担を嫌気したランド売りの可能性も

一番大きな被害をうけたのは、南ア東部クワズール・ナタール州である。同州は昨年7月の暴動で300人以上が死亡し、200万人近くが失業したとされる痛手からようやく立ち直りつつあった中での大洪水だった。土砂崩れと急流により、これまでに400人以上の命が奪われた。また多くの人々が依然行方不明の状況である。経済損失も、ラマポーザ南ア大統領は500億ランドにのぼるとしている。600校を超える被害を受けた学校などの修復だけでも、4億4200万ランドの費用が掛かり、さらに費用は拡大するだろうと教育省は発表した。民間でも被害が大きく、同州に工場を置くトヨタ自動車が操業を停止した。生産の中断により、1日あたり少なくとも1000万ランドの費用がかかり、施設や設備の損傷の見積もりが数億ランドに達する可能性もある。また、洪水で浸水した自動車のうち500台は検査に合格したが、残りは廃棄することになった。今回の被害を受けた工場、特殊機器、海運、自動車、商業などが、一部の保険会社に請求した件数はすでに720件を超え、請求額も推定2億4500万ランドとの話も出ている。今後も被害が拡大することになると、これまでのウクライナやロシアの代替輸出国通貨としてのランドの魅力よりも、財政負担を嫌気したランドの売りが強くなるかもしれない。

 

憲法改正案が否決でメキシコ経済にはポジティブ

先週17日にはロペスオブラドール大統領肝いりの憲法改正案がメキシコ連邦議会下院で否決された。大統領は議会の判決に大きな失望を示しながらも、自身の任期中に憲法改正案を再度提出することはないと表明した。この憲法改正案は国営電力公社CFEが国内電力需要の少なくとも54%を占めるという電力の国有化に関する物で、旧式の発電システムが多いCFEは民間企業に比べて発電コストが高いと国内からも批判を集めていたため、結果的にはメキシコ経済にとってポジティブな要因となる。

 

米FRBは1980年代以来の最大利上げ予想:景気後退懸念も

世界第2位の経済を持つ中国の新型コロナ感染の悪化で、北京など都市封鎖拡大により同国の経済だけでなく、世界経済の成長減速につながるとの懸念が強まりつつある。世界経済の成長減速懸念に加えて、サプライチェーンの混乱をさらに深刻化させ、高インフレが一段と悪化、長期化する可能性も警戒される。スタグフレーション懸念が強まる中、短期金融市場は本年、今後3連邦公開市場委員会会合(FOMC)連続(5月、6月、7月)で各0.5%の利上げ、0.75%の利上げの可能性、後半3回(9月、11月、12月)は各0.25%、または0.5%の可能性が織り込まれつつある。本年は、ポールボルカー元FRB総裁下の1980年以降で、最大の幅の利上げが予想されている。

 

欧米市場イベント

○18:00   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○21:15   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○21:30   3月米耐久財受注額(予想:前月比1.0%/輸送用機器を除く前月比0.6%)
○22:00   2月米住宅価格指数(予想:前月比1.5%)
○22:00   2月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比19.0%)
○23:00   4月米消費者信頼感指数(予想:108.0)
○23:00   4月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:9)
○23:00   3月米新築住宅販売件数(予想:前月比▲0.6%/76.8万件)
○27日02:00   米財務省、2年債入札
○グテーレス国連事務総長、プーチン・ロシア大統領と会談(モスクワ)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ