FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/20/15:10:27

日経平均株価:米株先物やアジア株の底堅い動きを好感

前日に米国株式市場は下落したものの、米株先物やアジア株の底堅い値動きが好感されたほか、為替市場での円安基調が好感された。前日の大幅安を受けた自立反発狙いの買いも指数を下支えした。中国上海市でロックダウン(都市封鎖)が緩和される見通しとなったことで、アジア株は景気回復期待から底堅い値動きで、市場では、このところの株価下押し要因が一つ後退し、底打ち期待が高まっているとの声が聞かれた。結局、前営業日比336円高の2万6739円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:米景気減速の警戒感からポジション調整のドル売り

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りや日経平均株価の上げ幅拡大に支えられ、128.20円付近へ上昇した。米長期金利が小幅に上昇したことも、ドルの買い戻しにつながった。ただ、前日に発表された米経済指標が軒並み低調な数字だったこともあり、積極的な上値追いは手控えられた。午後は、米FRBの金融引き締めで、米景気が減速するとの警戒感からポジション調整などのドル売り・円買いが持ち込まれ、127.53円付近まで下落した。米長期金利が一時2.83%台へ低下したことも、ドル売りを誘った。その後は、値ごろ感からドルの押し目買いも見られ、値を切り返して127.70円台を中心とする狭いレンジでもみ合いとなった。ユーロ/ドルは、米景気の減速を警戒したドル売りが優勢となり、1.0590ドル台へ上昇した。

 

中国4-6月期のGDP成長率予想を引き下げ:スタンダード・チャータード

スタンダード・チャータードはこのほど、2022年4-6月期の中国国内総生産(GDP)の成長率予想をこれまでの3.5%から0.3%に引き下げた。厳格な防疫対策の実施で数週間にわたって生産と消費に影響が生じたことを反映させた。2022年通期についても成長率予想を5%から4.1%に引き下げた。『明報』が19日伝えた。 スタンダード・チャータードは、4月のような封鎖措置がさらに1カ月続いた場合、4-6月期の成長率は前年同期比で2-2.5%減少するほか、2022年通期でも0.5-0.6%減少すると予想した。ただ、上海などで実施されている制限措置の解除に伴い、中国の経済活動は6月に上向く可能性があると指摘した。中国政府によるインフラ建設の後押しもあって、下期は回復が期待できるとした。7-9月期と10-12月期の成長率はそれぞれ5.3%、5.9%と予想している。

 

トルコ大統領への不満による内政不安が強まる可能性がリラの重し

昨日のトルコは『青年とスポーツの日』という祝日だったが、同国の労働市場を見る限り、青年たちが気持ちよく祝える状況ではなかった。地元メディアは昨日、トルコでは15-24歳人口の41%に相当する約230万人の若者が失業状態、という民間団体の調査を報じた。これは、統計局が先週発表した第1四半期の若年層失業率21%と大きく乖離しているが、民間調査がより現実に沿った数値と考える向きは多い。豊富な若手の労働力がトルコの『ストロングポイント』にもかかわらず、高い失業率はエルドアン大統領が経済の舵取りを誤ったあおりを若者がもろに受けた結果である。大統領への不満がかなり溜まっていることは容易に想像でき、若者のエルドアン離れは今後も止まらないかもしれない。内政不安が強まる可能性は常にくすぶっており、こちらもリラを買いづらくさせる要因となりそうである。

 

南アではスタグフレーション懸念が高まりつつある

SARBは市場予想通り0.5%の利上げ(政策金利を4.75%に引き上げ)を行った。政策金利発表と同時に公表された、南アのヘッドラインCPI見通しは22年5.9%(前回5.8%)、23年5.0%(前回4.6%)、24年4.7%(前回4.6%)と、上方修正。一方で、22年のGDP見通しは+1.7%(前回+2.0%)、23年GDP見通しは+1.9%(前回も+1.9%)と、今年の予想を下方修正した。インフレが今後も進行すると予想される中で、GDPは低下することで、スタグフレーション懸念が高まりつつある。 

 

米国・メキシコ・カナダ協定に亀裂が入る懸念も

米通商代表部(USTR)が、メキシコにあるパナソニックの自動車部品工場で労働者の権利が侵害されているかどうか、調査するようメキシコ当局に要請した。これまでもゼネラルモーターズ(GM)やトリドネックのメキシコ工場にて労働者の権利侵害が明るみに出ていただけに、改善が見られなければ米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に亀裂が入りかねないとの声も聞かれている。

 

米サブプライム向けローンの遅延率が上昇:WSJ

米国でクレジットスコア(返済履歴などの信用度)の低い消費者による自動車ローン、個人ローン、クレジットカードの返済が遅延している。消費者向け融資環境が米史上最も健全な状態が終わろうとしていることを示している。信用調査会社エクイファクスによると、サブプライム(信用度の低い借り手)向けのクレジットカードと個人ローンで60日以上延滞している割合は通常より急速に増えている。こうした延滞率は3月、前月比での上昇が8カ月連続となり、新型コロナウイルス感染拡大前の水準に近づいた。多くの貸し手やアナリストは、延滞率はコロナ禍の間に低下していたため上昇するのは避けられなかったとしている。それでも、1980年代前半以来の高いインフレ率に直面し米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げに乗り出していることなどから、延滞率の上昇は投資家から注目されている。延滞率の上昇は、経済活動の大きな原動力である消費者にストレスがかかっていることを意味する可能性がある。

 

米国の経済指標の低調な結果から景気後退懸念

米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が20年5月来で最低、全米不動産者協会(NAR)が発表した中古住宅販売件数の4月分は前月比-2.4%の561万戸と、予想564万戸を小幅下回り、20年6月来の低水準となったほか、先週分新規失業保険申請件数の増加や4月景気先行指数が予想外のマイナスに落ち込むなど、経済指標の低調な結果を受けて、景気後退懸念が強まった。

 

米国株は流動性欠如による売買需給のよる急落相場

ある米系投資家は『市場はパウエル発言や決算のような材料より流動性欠如による売買需給に急落の理由を見いだしている』と打ち明ける。18日のNY米ダウは前日比で1164ドル安の3万1490ドルと急反落し、年初来安値を更新した。下げ幅は20年6月以来約2年ぶりの大きさであり小売り大手決算が市場予想を下回りインフレに伴うコスト増が企業収益を圧迫するとの見方が強まった。一部トレーダーが底値買いをしても上がり切らず、株安に耐えきれない投資家の『投げ売り』が出ると損切りを余儀なくされ、売買高も膨らまず未だ底値の兆しはみえない。元来、相場下落は商いを伴っていずれ底入れするが、買いで入るのを躊躇する投資家が多く、過去最低に近かった流動性は一段と悪化し、株安が止まらない。
オプション市場ではS&P500指数で4000を権利行使価格とするプット(売る権利)残高が膨らみ、18日終値は4000を下回りプット購入投資家は権利行使で利益を得られる可能性が高い。一方、証券会社等のプットの売り手は4000を下回るほど損失回避(デルタヘッジ)で先物売りを迫られる構図が下げを加速させる。『買い手』不在の米国株の下落に底入れのタイミングは未だみえない。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比1.4%)
○15:00   4月英小売売上高(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.2%/前年比▲7.2%)
○15:00   4月英小売売上高(自動車燃料除く、予想:前月比▲0.2%/前年比▲8.4%)
○15:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、シムカス・リトアニア中銀総裁、講演
○15:30   1-3月期スイス鉱工業生産
○16:30   ピル英中銀金融政策委員会(MPC)委員兼チーフエコノミスト、講演
○20:40   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○23:00   5月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲21.5)
○21日01:30   デコス・スペイン中銀総裁、講演
○バイデン米大統領が日韓を訪問(24日まで)
○21日 オーストラリア総選挙

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欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/19/15:16:52

日経平均株価:中国株や米株先物の下げ幅縮小で過度なリスク回避後退

前日の米国株式市場が大幅安となったことを嫌気し、主力株を中心に幅広く売られた。ただ、中国株が底堅い動きとなったほか、米株先物が下げ幅を縮小、為替が朝方に比べ円安方向に振れたこともあって、投資家心理が持ち直したとの見方が出ていた。市場では『前引け段階でTOPIXが2%を超す下げとなった場合は、日銀のETF買いが思惑視された』との声も聞かれ、下げ渋る要因になった。結局、前営業日比508円安の2万6402円と5営業日ぶりに反落した。5月第2週(9日~13日)の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家(外国人)は3534億円の売り越しとなり、売り越しは7週ぶりになった。個人投資家は2832億円の買い越しとなり、買い越しは2週ぶりとなった。信託銀行は817億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。

 

東京外国為替市場:過度なリスク回避姿勢が和らぎドルは堅調

ドル/円は、前日の米国株急反落を嫌気したドル売り・円買いが先行し、127.90円付近へ下落する場面があった。しかし、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常より多く持ち込まれ、128円台半ばへ上昇した。その後も、低下していた米長期金利が上昇に転じると、128.70円へ値を上げた。午後に入っても堅調地合いは続き、日経平均株価の下げ幅縮小で過度なリスク回避姿勢が和らぐと、128.94円付近までドル買い・円売りが進行した。ただ、今晩の米株価動向や米経済指標を見極めたいとの雰囲気もあり、上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、やや値を下げて128.60円台を中心に取引された。ユーロ/ドルは、1.049ドルを挟んで方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

中国住宅価格の7割の都市で下落:中国経済の減速を背景に再び悪化

中国国家統計局が18日発表した4月の新築住宅価格指数は、主要70都市のうち全体の7割近くに当たる47都市で前月と比べ下落した。下落の都市数は前月から9都市増え、中国経済の減速を背景に市況が再び悪化したとみられる。中国政府は住宅ローンの金利引き下げや購入規制緩和を進めるが、てこ入れ効果は未知数である。地方都市のほか、天津市や重慶市といった大都市でも下落した。首都北京市や南部の中心都市、広東省広州市では上昇。新型コロナウイルス対策でロックダウン(都市封鎖)下にある上海市は横ばいだった。

 

トルコ大統領は北欧2カ国のNATO加盟に異議:選挙対策と外交手段の1つ

本日トルコは祝日(青年とスポーツの日)であり、リラの流動性は通常より悪くなることが予想される。昨日に米株が大きく崩れた後なだけに、相場全般のリスクセンチメントにも注意が必要である。エルドアン・トルコ大統領は昨日、首都アンカラで与党・公正発展党(AKP)の議員の前で演説し、フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟について改めて異議を唱えた。大統領は、両国がクルド系過激派組織を支援し続ける限り、加盟を承認しないと述べている。ただ米独首脳などからは、北欧諸国のNATO加盟手続きについて楽観的な見方が伝わってきている。エルドアン大統領の否定的な態度は、来年に総選挙を控えた国内向けであるとともに、外交手段の1つでもあると見られている。欧州連合(EU)が科している制裁の緩和や米戦闘機売却、またシリア絡みの問題などでトルコ側に歩み寄れば、エルドアン氏の心変わりは早いかもしれない。  

 

南アでは利上げ幅に注目:スタグフレーション懸念

南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策委員会(MPC)です。市場は0.5%の利上げ(政策金利を4.75%に引き上げ)と予想している。判断が難しいのは今後の南ア国内の燃料価格の上昇がほぼ確実なこともあり、市場予想を上回る利上げを行った場合である。本来であれば金利上昇によるランド買いになるが、昨日の小売売上高(前年比+1.3%)が市場予想(前年比+1.5%)を下回るなど、南アの景気減速=スタグフレーション懸念が高まりそうなことで、ランド買いに素直に市場が反応するかが難しいところである。

 

メキシコ中銀メンバーから利上げ熱を冷やす発言が出るか注意

一昨日メキシコ中銀メンバーの中でも最もハト派よりとされるエスキベル副総裁の発言が伝わった。同副総裁は一部通信社とのインタビューの中で『必ずしも米連邦準備理事会(FRB)と歩調を合わせて利上げを行うわけではない。メキシコは米国よりも早くに金融引き締めに動き、すでに米国よりも中立金利に近いからだ』と述べた。先日の中銀会合では0.75%の大幅利上げを主張するメンバーがいたほか、より強力な措置を講じることも示唆していただけに、ここで市場への過度な金利先高期待を冷やす発言をした。直接的にこの発言により、メキシコペソ相場が動意づいたわけではないが、エスキベル副総裁の次にハト派よりのヒース副総裁など、利上げ熱を冷やす発言などが出るかどうかにも注意する必要がある。

 

世界サプライチェーン圧力が一段と強まる:さらなるインフレ要因に

NY連銀は最新4月調査報告を発表、世界のサプライチェーン圧力が今年に入り初めて上昇し、潜在的に地政学的緊張の高まりが目先のさらなるボトルネックにつながる可能性を警告した。世界サプライチェーン圧力指数は3.29と、3月の2.8から上昇した。昨年12月に4.45のピークをつけ圧力は鈍化していたが、ここにきて再び上昇に転じた。
ユーロ圏、中国、日本、韓国、台湾、英国、米国の製造業データにおける運輸コストなどを含む。中国のコロナ流行拡大抑制のための都市封鎖に加えて、ウクライナ、ロシア戦争が欧州のサプライチェーンに響いているほか、米国やアジアの空輸コストを大幅に引上げた。 NY連銀によると、状況としては2008年の金融危機、2017-18年の米中貿易戦争に類似しているという。ウォールマートなどといったディスカウント小売り店は、コロナ対応などで運送コストの上昇、過剰在庫や、過剰人員などを理由に業績に悲観的な見通しを示している。今後、収益が圧迫されて企業が人員削減に踏み切る可能性もあり、現在、豊富な求人数も急激に減少し、労働市場のひっ迫も解消される可能性がある。いずれ、失業者が増え景気減速に繋がる可能性も否めない。

 

機関投資家の現金比率は21年ぶりの高水準:米BoA

米BoA(バンカメ)17日公表の5月機関投資家調査(6-12日実施)によれば、運用資産に占める現金比率が約6%と米同時テロ(2001年9月)以来約21年ぶりの高水準となった。米FRBが積極利上げを進める中でハイテク株など高PER(株価収益率)株式が下落しリスク回避傾向が顕著になっている。なお、資産配分に占める株式の比率は『オーバーウエート(強気)にしている』と答えた割合から『アンダーウエート(弱気)にしている』と答えた割合を引いた値は-13%と守りの姿勢にあり、金利が上昇すると企業が将来稼ぐ利益を現在価値に換算する割引率も上がるため成長期待の高いハイテク株への逆風が強まっている。

 

株式と債券の流動性は2020年3月並みに悪化

JPモルガン・チェースによれば、S&P500種株価指数先物の流動性はコロナ禍初期に比べても警戒すべき水準にある。ゴールドマン・サックス・グループのデータは、米国債市場の流動性も歴史的な水準に悪化していることを示している。JPモルガンのストラテジスト、ニコラオス・パニギリツオグル氏は『市場の流動性は2020年3月とあまり変わらない』とし、『市場が比較的大規模な注文を大きな価格変動なしに消化できる能力は現在、極めて低いということだ』と解説した。17日に米国株の買いを再開した投資家にとっては警告となる。

 

欧米市場イベント

○17:00   3月ユーロ圏経常収支(季節調整済)
○18:00   3月ユーロ圏建設支出
○20:30   欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(4月14日分)
○21:30   デギンドスECB副総裁、講演
○21:30   4月カナダ鉱工業製品価格(予想:前月比0.5%)
○21:30   4月カナダ原料価格指数
○21:30   5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:16.0)
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数(予想:20.0万件/132.0万人)
○未定   南アフリカ準備銀行(SARB)、政策金利発表(予想:4.75%に引き上げ)
○23:00   4月米中古住宅販売件数(予想:前月比▲2.1%/年率換算565万件)
○23:00   4月米景気先行指標総合指数(予想:前月比横ばい)
○20日05:00   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、討議に参加
○米・北欧2カ国首脳会談
○トルコ(青年とスポーツの日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/18/15:13:44

日経平均株価:戻りに対する警戒感から上値の重い展開

前日の米国株式市場が高かったことを好感して幅広く買われ、一時2万7000円台を回復した。25日移動平均線を上回り、テクニカル面の改善も注目されている。ハイテク株を中心に幅広く物色されたが、戻りに対する警戒感があるほか、中国株や米株先物が軟化したことを嫌気し、中盤からは伸び悩んだ。一時上げ幅は400円に接近して2万7000円を上回る場面もあったが、利益確定売りなどが上値を抑えた。結局、前営業日比251円高の2万251と4営業日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:ドル/円の下げ一服で129円台前半でもみ合い

ドル/円は、米長期金利の上昇一服や日経平均株価の伸び悩みを眺めたドル売り・円買いに押され、129.10円付近へ下落した。また、豪経済指標が予想を下回り、これを嫌気した豪ドル安・円高が波及した面もあった。午後に入っても軟調地合いは続き、129円を割り込んで128.95円付近まで下落した。ただ、前日の東京市場でつけた安値128.83円が視野入りすると下げは一服した。その後は、日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りが入り、129.20円付近へ値を切り返した。低下していた米長期金利が持ち直したことも、ドルの買い戻しにつながった。ユーロ/ドルは、前日の海外時間に急伸した反動から、利益確定などのユーロ売り・ドル買いが優勢になり1.0525ドル付近へ値を下げる場面があった。

 

1-3月期GDPは消費の減少は限定的:ゴールドマン・サックス証券

内閣府が18日に発表した1-3月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除く実質前期比年率換算で1.0%減となった。新型コロナウイルスの拡大を防止するための経済活動の制限で個人消費が伸びなかったが、市場予想(1.8%減)ほど悪化しなかった。ゴールドマン・サックス証券は18日付のリポートで『消費が前期比年率マイナス0.1%と、急拡大した21年10-12期(4Q、+10.2%)からは反落したものの、減少は限定的だった。まん延防止等重点措置下にあったため、市場予測は2%程度の下落を予想していた』とし、消費の底堅さに着目した。その上で、1-3月期GDPはマイナスに転じたものの、『大きなマイナス要因は公的資本形成の落ち込みと輸入の急増によるもので、消費、設備投資、輸出の主要需要項目は比較的安定的に推移した』と指摘した。22年4-6月期(2Q)については緊急事態が解除され、『ゴールデンウィークの人でも活況だったことなど消費を中心にプラスに転じると予想する』としながら、『ただし、資源価格高や円安による物価上昇が消費者マインドの改善を抑制する可能性には注意が必要だ』とみていた。

 

ドイツ・米英などで高スタグフレーション圧力:UBS

UBSはスタグフレーション圧力がどの程度厳しいか、どれくらい長引くかを定量化する新たな枠組みを示した。17日付リポートで明らかにした。UBSによると最もスタグフレーション圧力が強まっているのはドイツ、米国、スウェーデン、英国、トルコ、ロシアだという。対照的にスタグフレーション圧力が低い国々はオーストラリア、カナダ、中国、メキシコ、インドだという。日本は相対的に低いグループに属している。米国の直近におけるスタグフレーション圧力は過去平均のプラス3.3σと1990年以降最高となっている。ただ、1970年代のインフレピークであるプラス5σには遠く及ばないとも指摘した。また、足もとのスタグフレーション圧力半減には米国で29ヵ月、ドイツで20ヵ月かかるとの試算も示されている。UBSは米国におけるインフレはピークに達しているほか、欧州では22年9月までにインフレがピークに達すると予想している。

 

トルコではインフレ高進止まずリラ離れが進むばかり

トルコではインフレ高進が止まず、経常赤字も拡大している。財政赤字も膨れ上がっているため当局は有効な対策を打てず、投資家のリラ離れが進むばかりである。外貨収入が期待できる観光シーズンに突入しつつあるが、黒海の対岸で行われているウクライナ戦争の長期化がやはり大きな懸念材料となっている。昨日はネバティ・トルコ財務相のインフレに関する発言が伝わったが、抑制への具体策は示されず市場の失望をかった。また財務相は、現状の為替水準を容認とも受け取れるような見解を述べたと一部で報じられている。

 

南アでは4月消費者物価指数(CPI)が公表:利上げ幅に影響も

南アの4月CPIは前年比で5.9%と予想されている。南アフリカ準備銀行(SARB)の目標レンジが3-6%なので、レンジのほぼ上限となる。予想通りの結果となった場合は、明日のSARB・金融政策委員会(MPC)での0.5%の利上げの可能性が高まる。もし、予想を上回る結果となった場合は、0.75%の利上げ予想なども出てくる。南アでは先月後半からのランド安の影響で、6月のガソリン価格が『これまでに見られなかった価格』まで引き上げられると予想されていることで、早めの対応が行われるかもしれない。CPI以外にも本日は3月の小売売上高が発表される。2月は前年比でマイナスとなったが、小売りなどの伸びが弱い場合は、インフレ下の景気低迷でスタグフレーション懸念が一層高まる。

 

メキシコ政府の物価高対策が財政悪化懸念を招くとの声も

メキシコ政府は、物価高対策として食品や一部日用品の輸入関税を1年間廃止することを決定した。この措置については、現状、関税撤廃だけで現在のインフレを抑え込むことはほぼ不可能との声が多く、むしろ財政悪化を招くのではとの不安な声も出ている。

 

為替市場でボラティリティー指数が急上昇:WSJ

先進7カ国(G7)通貨の変動の大きさを示すJPモルガン・チェースの指数は今年に入り、70%余り跳ね上がった。ユーロのボラティリティーを示すある指標は、昨年11月からこれまでに2倍以上に達し、3月にはほぼ一貫して上昇した。為替市場のボラティリティー指数が急上昇するのは、通貨の価値が急激に失われているときである。こうした変動は、長引くインフレと世界的なサプライチェーン(供給網)ショックが2022年の金融市場にもたらした混乱の大きさを改めて浮き彫りにしている。金利上昇やロシアのウクライナ侵攻、中国の景気減速は、通常であれば静かな為替市場を根底から揺るがした。ドルは急騰し、主要通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数はここ1年で13%余り上昇した。その間、ユーロは対ドルで14%余り、英ポンドは13%近く、それぞれ下落した。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比2.6%/前年比9.1%)
○15:00     CPIコア指数(予想:前年比6.2%)
         小売物価指数(RPI、予想:前月比3.4%/前年比11.1%)
○17:00   4月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比5.9%)
○18:00   4月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比7.5%)
○18:00   4月ユーロ圏HICPコア改定値(予想:前年比3.5%)
○18:00   ミュラー・エストニア中銀総裁、講演
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   3月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比1.5%)
○21:30   4月カナダCPI(予想:前月比0.5%/前年比6.7%)
○21:30   4月米住宅着工件数(予想:176.5万件、前月比▲1.9%)
        建設許可件数(予想:181.2万件、前月比▲2.7%)
○23:30   EIA週間在庫統計
○19日01:00   1-3月期ロシア国内総生産(GDP)速報値(予想:前年比3.7%)
○19日02:00   米財務省、20年債入札
○19日05:00   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議(独ボン郊外、20日まで)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/17/15:12:57

日経平均株価:好決算物色が下支え

決算発表の一巡で新たな材料を欠くものの、好決算物色が下支えとなって好地合いを継続した。ただ、上値の重さが意識され徐々に伸び悩んだ。市場では『企業決算の結果は予想したよりも良かった印象があり、下値には買いが入るものの、投資家は上値に対しては引き続き慎重となっていると』との声が聞かられた。結局、前営業日比112円高の2万6659円と3日続伸して終了した。

 

東京外国為替市場:上下に振れた後は129.30円台を中心にもみ合い

ドル/円は、前日に発表されたNY連銀製造業景気指数の予想外に低調な数字で、米国の景気減速を警戒したドル売りが先行し、128.80円台へ下落する場面があった。しかし、仲値に向けて本邦輸入勢などのドル買い・円売りが通常よりも多く持ち込まれると、129.30円近辺へ上昇した。低下していた米長期金利が上昇に転じたことも、ドルの押し上げ要因となった。午後に入っても堅調地合いは続き、129.45円付近までじり高となった。ただ、前日の海外市場でつけた高値129.61円が視野入りすると上げは一服した。その後は、利益確定や戻り待ちのドル売り・円買いも見られ、小幅に値を下げて129.30円台を中心とする狭いレンジで取引された。今晩の4月米小売売上高やパウエル米FRB議長の発言内容を見極めたいとのムードが広がった。ユーロ/ドルは、1.04ドル台半ばで方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ち様相となっている。

 

日本の米国債保有が20年1月以来の低水準

米財務省が16日発表した3月の対米証券投資統計によると、日本の米国債保有が2年以上ぶりの低水準に落ち込んだ。対ドルで円安が急激に進んだことから、日本の投資家の間で年度末に向けて米国資産を売却して利益を確定する動きが広がった。日本の米国債保有は740億ドル減の1兆2320億ドルと、2020年1月以来の低水準となった。ただ、海外勢の保有額で首位を維持した。

 

3月の中国スマホ出荷台数は40%減少:中国信通院

中国信息通信研究院(中国信通院)が16日に発表した統計によると、2022年3月の中国の携帯電話出荷台数は前年同月比40.5%減の2146万台だった。うち、スマートフォンが40.4%減の2102万8000台。1-3月累計では、携帯電話出荷台数が前年同期比29.2%減の6934万6000台でうちスマートフォンが29.2%減の6808万4000台となった。3月の5G対応機種の出荷台数は前年同月比41.1%減の1618万5000台で、携帯電話全体の76.4%を占めた。同月に投入された携帯電話新機種44もドエル(スマホ35モデルを含む)のうち27モデルが5G対応だった。国産ブランドの携帯電話出荷台数は42.4%減の1921万5000台だった。

 

トルコ5年物CDSは年初来高値を更新

昨日はドイツの大手銀行が、トルコ中銀が政策金利を引き上げない場合、インフレは更に加速するとの見解を示した。しかしながら中銀が気にしているのはエルドアン大統領であり、その大統領は、インフレ高騰にもかかわらず金融引き締めの必要性を理解していない。『物価の番人』が不在とも言えるなかでは、その国の通貨の魅力は高まりづらい。信用リスクを示す国債のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)も、昨日はトルコ5年物CDSが710ベーシスポイント(bp)を超えて年初来高値を更新した。

 

南アのネガティブな要因がランドの頭を抑える

南アからはネガティブなニュースが出ている。1つ目は連日行われている、南アでの電力負荷制限がステージ4まで上昇した。今年の負荷制限が昨年よりも頻繁に行われていることで、南アの製造業などへの影響が懸念される。2つ目は南ア自動車協会が6月のガソリン価格が『これまでに見られなかった価格』まで引き上げられるとの予想を立てた。4月中旬から対ドルでのランド安が続いていることが、エネルギー価格高騰の大きな一因になっていると発表している。これらの国内のネガティブな要因がランドの頭を抑えそうである。

 

メキシコでは金利先高観からペソ高期待も続く

メキシコ中銀が政策金利を予想通り0.50%引き上げ7.00%とすることを決めたが、驚いたのは5名のメンバーのうち、エスピノサ副総裁が0.75%の大幅利上げを支持していたことである。そして、声明で『目標達成に向けて一段と強力な措置が検討される可能性がある』という文言を追加して、さらなる金融引き締めを示唆した。インフレが収まらないなかで、すでに8会合連続で利上げを実施しているにも関わらず、より強めのタカ派的な姿勢を示したことで依然として金利先高観からのペソ高期待も根強く残り続ける。

 

米5月NY連銀製造業景気指数が予想外のマイナス:FRBの利上げペースに影響も

米5月NY連銀製造業景気指数も予想外のマイナスに落ち込み世界経済の成長減速懸念にリスク回避の動きが優勢となっている。米5月NY連銀製造業景気指数は‐11.6と、4月24.6から再び予想外のマイナスに落ち込んだ。中国のロックダウンによるサプライチェーン混乱などが影響した可能性が懸念される。連邦準備制度理事会(FRB)の年内の引き締めペースも計画通りすすまない可能性もありドルの上値を抑制する。 

 

米国市場では4月小売売上高が公表:予想は前月比+1.0%

3月実績は前月比+0.7%だった。原油高の影響でガソリンの販売額は増加し、全体を押し上げた。4月については、ガソリン販売の伸びはやや鈍化すること、食品・飲料の販売額は小幅な増加に留まる可能性があるため、全体的には、伸び悩む可能性がある。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月英雇用統計(予想:失業保険申請件数推移▲4.25万件/失業率なし)
○15:00   1-3月英失業率(ILO方式、予想:3.8%)
○18:00   1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値(予想:前期比0.2%/前年比5.0%)
○18:30   センテノ・ポルトガル中銀総裁、講演
○19:05   カンリフ英中銀(BOE)副総裁、講演
○21:00   ブラード米セントルイス連銀総裁、講演
○21:30   3月対カナダ証券投資
○21:30   4月米小売売上高(予想:前月比0.9%/自動車を除く前月比0.4%)
○22:15   ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
○22:15   4月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.5%)
       設備稼働率(予想:78.6%)
○23:00   3月米企業在庫(予想:前月比1.9%)
○23:00   5月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数(予想:75)
○18日01:30   カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、討議に参加
○18日02:00   ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、講演
○18日03:00   パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、イベントに参加
○18日03:30   メスター米クリーブランド連銀総裁、あいさつ
○ノルウェー(憲法記念日)、休場

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2022/05/16/15:14:19

日経平均株価:中国の不調な経済指標受け上値の重い展開に

前週末の米国株式市場の上昇を好感して幅広く物色されて始まったものの、中盤から米国株先物が軟化するにつれ、相場全般は伸び悩んだ。米国ではインフレがピークアウトした兆候に安心感が広がる一方、FRBによる金融政策引き締めで米経済がリセッション(景気後退)に陥るとの懸念もくすぶっている。中国で4月の経済指標が複数発表され、新型コロナウイルスの流行を踏まえた行動制限で消費、鉱工業生産などが大きな打撃を受けたことがが分かり改めて嫌気された。午前には400円高となる場面もあったが、短期筋の売りが出て指数の上値を抑えた。

 

東京外国為替市場:129円を挟み荒い値動き

ドル/円は、本邦輸入勢などのドル買い・円売りに支えられ、129.65円付近へ上昇した。日経平均株価の大幅高で、リスク選好が高まったことも円売りを誘った。しかし、FRBが積極的に積極的に金融引き締めへ向かうとの観測が高まり、米景気が減速するとの警戒感から上値を追う動きは限られた。その後、日経平均株価が朝高後に伸び悩むと、次第に利益確定や持ち高調整のドル売り・円買いに押される展開となり、129円を割り込んで128.70円付近まで下落した。中国国家統計局が発表した4月の鉱工業生産と小売売上高が、ロックダウン(都市封鎖)の影響で予想外に低調な数字だったことも円の買い戻しにつながった。しかし、下値では日米金融政策スタンスの違いを意識したドル買い・円売りも見られ、129.00円付近へ値を切り返す荒い値動きとなった。午後は、日経平均株価や米長期金利を睨みながら、129.00円を挟んで取引された。今晩の米経済指標や米株価動向を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、1.0405ドル前後で方向感に欠ける値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

ドル買い比率やユーロ買い比率が上昇:前週のFX概況

QUICKが16日に算出した13日時点の店頭の外国為替証拠金(FX)5社合計(週間)の建玉状況によると、『ドル/円』取引で総建玉に占めるドルの買い比率は前の週末から4.6ポイント上昇し69.0%だった。1月下旬以来およそ4ヵ月ぶりの高水準となった。円相場が急伸する場面で、相場の流れに逆らう『逆張り』とされる個人投資家の円売り・ドル買いが活発になった。12日に円相場は一時1ドル=127円台半ばまで上昇した。米国で過度なインフレ懸念が後退したとして米長期金利が節目の3%を下回る水準まで低下し、日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが一服した。米株式相場が大きく下げて『低リスク通貨』とされる円に買いが入った。短期間で円高・ドル安が進んだ場合で、個人投資家は逆張りの円売り・ドル買いに動いた。ユーロの買い比率は上昇している。『ユーロ/円』取引で、ユーロ買い比率は前の週比から11ポイント高い33.3%だった。フィンランドなど北欧諸国が北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請をする見通しとなったと伝わり、欧州の地政学リスクが改めて意識された。ユーロが下げる場面で個人投資家の買いが集まった。対ドルでもユーロ買い比率は高まり、62.1%と同2.9ポイント上昇した。

 

インドが小麦輸出禁止の影響

 昨日15日にインドが小麦の海外輸出を禁止することを発表しました。しかも即座に中止となっている。価格上昇や、近隣国の食糧安全保障を確保するためが主要因とされているが、ロシアへのウクライナ侵攻で小麦不足が指摘される中で、生産国第2位のインドによる輸出禁止は、小麦市場だけでなく様々なコモディティ価格、そして為替市場への影響も懸念される。これまでロシア、ウクライナに続き、世界2位のインドを合わせると総計は245,063,386トンになる。今年の世界総生産量が約7億7千万トンと予測されていることで、この3国だけで全世界の3割以上の小麦を占めていることになる。これまでも小麦を輸入で頼っていた国は、今後は代替輸入国を探さなくてはいけないことになる。上述だけのデータを見ると、今後は中国、米国の超大国をはじめ、パキスタンやトルコなどからの輸入も増加し、その通貨の支えとなる可能性もある。

 

物価の番人不在のトルコリラを手放す動き

インフレ高騰にもかかわらず正統的な金融政策をトルコ中銀は取れず、『物価の番人』不在の国の通貨を手放す動きが進んでいる。トルコ当局が昨年末から今年にかけて取った通貨支援策の効力は着実に薄れており、新たな一手が明らかに必要である。しかしながら、トルコで最大の権力者であるエルドアン大統領が『金利は敵』との考え方を変えない限り、インフレなどの根本的な問題解決に向けた策は見つかりそうにもない。トルコ中銀は、企業の実需であっても、国内の外貨購入の動きに神経を尖らせているとの報道もある。外貨準備高の不足懸念が常に付きまとうなか、金融当局はドル売り為替介入もためらっているようにも見える。

 

南ア中銀の利上げ幅拡大やタカ派声明に注目

今週の南アからの注目材料は、18日に発表される4月消費者物価指数(CPI)と、19日の南アフリカ準備銀行(SARB)・金融政策委員会(MPC)になる。CPIは当初25日の発表予定だったが、これまで通りにMPC前の発表となった。3月CPIは市場予想を下回ったが、SARBの目標水準(前年比3-6%)のほぼ上限となる5.9%までインフレ率が高まりまった。4月も同水準近辺の結果が出た場合は、再利上げだけでなく、利上げ幅も広がる可能性がある。利上げ幅拡大やMPCでタカ派の声明が出た場合はランドの支えになりやすい。また、18日には3月の小売売上高、20日には格付け会社スタンダード&プアーズ社が南ア債の格付けを発表する予定である。

 

メキシコと米政府の関係悪化懸念広がる

メキシコのロペスオブラドールは来月6-10日に開催される米州首脳会議について、全ての国が参加しない限り出席しないと宣言した。これは、米政府が関係悪化を理由にキューバやベネズエラ、ニカラグアを招待しない姿勢を示唆していることが理由に挙げられている。メキシコ大統領はかねてから、この3国、特にキューバとは良好な間柄であり、先日にもキューバを訪れ、カネル大統領と会談し、『違いがあっても、我々は対話をしなければならない』と述べていた。ホワイトハウスのサキ報道官によれば、まだ招待状は発行されていないようだが、ニコルズ米国務次官補は先日、招待しない姿勢を示すなど、おそらく覆されることはなさそうである。メキシコ大統領がこの国際的なイベントに不参加となれば、両国の関係悪化につながりかねないとの懸念が広がっている。

 

米国株は9-10月頃に底入れする可能性:BofA

米BofAによれば、過去140年で19回の『Ber Market』(弱気相場)の株価下落率(平均)は37%、下落期間は289日(約9.6ヵ月)とされ、この平均値に従えば今回の『Ber』相場の下落調整はS&P500指数で3000水準、日柄的には1月4日高値4818から9.6ヵ月後の9-10月頃の底入れとなる可能性が指摘された。

 

欧米市場イベント

○15:00   4月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   3月トルコ経常収支(予想:57億ドルの赤字)
○16:00   ビルロワドガロー仏中銀総裁、講演
○17:20   パネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事、講演
○17:40   レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
○18:00   3月ユーロ圏貿易収支(予想:季節調整前なし/季節調整済178億ユーロの赤字)
○21:15   4月カナダ住宅着工件数(予想:25.00万件)
○21:30   3月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.7%)
○21:30   3月カナダ卸売売上高(予想:前月比▲0.3%)
○21:30   5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:17.0)
○21:55   ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁、討議に参加
○23:15   ベイリー英中銀(BOE)総裁、ラムスデンBOE副総裁、ハスケル英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○17日05:00   3月対米証券投資動向

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