FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2017/12/15/15:16:41

日経平均株価:引けにかけて下げ幅拡大

前日の米国株安や外国為替市場での円高進行を受けた売りが出た。楽天の携帯事業への参入発表をきっかけに通信株が軒並み安となり指数を押し下げた。後場に入ると、日銀の株ETF買い思惑に下支えとなり一時プラス圏を回復した後、再び売り直され引けにかけては下げ幅を早めた。結局、前日比141円安の2万2553円と4日続落で終了した。

 

東京外国為替市場:引けにかけての日本株安に円買い強まる

ドル/円は、日経平均株価が切り返したことや、米長期金利が2.36%台付近まで上昇したことで、日本株安を受けた円買いは後退し、ドル買いが観測された。ただ、日経平均株価が再び下落に転じたことから円買い・ドル売りが入った。欧州市場でもポジション調整の円買い継続が見込まれることから、目先のドル/円の戻りは小幅にとどまると見られる。ユーロ/ドルは、1.178ドル台での小動きとなっており、欧州勢の参入待ちの様相となっている。

 

12月17日は故金正日の6回忌:週末は注意日

金正恩委員長が朝鮮半島の聖山で、北朝鮮の革命の聖地でもあり、父親(金正日総書記)の誕生地でもある白頭山に『登頂した』と挑戦中央放送は9日に伝えている。金委員長が白頭山のある中国と国境を接している両江道三池郡に訪れたのは過去4回ある。いずれも、登山後に重大な事変が起きていることから、今回も金委員長が何か誓い言を立てたのではとの憶測が韓国内では広まっている。白頭山で核・ミサイル開発の凍結を決意したのか、それとも、継続を決意したのか、金正日の命日である17日前後に動きがあるかどうか、最大の焦点となる。

 

米国市場では12月のNY連銀製造業景況指数が公表

9-11月にかけてはハリケーン復興需要や税制改革への期待感などに、大幅な改善となった。12月については、その反動減速が警戒されている。トランプ政権の目玉となる税制改革案協議も難航していることや、世界的な景気循環的な回復にもピークアウト懸念なども出てきており、景況指数にはマイナスとなりやすい。ただ、前日に発表された小売売上高が改善するなど、内需は底堅く推移している。利上げしたにもかかわらず、米長期金利やドル高は限定的となっており、米製造業には下支え要因となる。

 

米国市場では11月の鉱工業生産が公表

11月分のISM製造業景況指数では『生産』が63.9となり、前月の61.0から改善した。冬季に向けた電力・ガスなどの生産需要増加のほか、原油などの資源価格の安定化を受けた資源増産、航空機やハイテク関連などの世界需要の底堅さが下支え要因として注目される。一方で、ハリケーンの復興需要への期待から押し上げられた。そのため、11月については反動減速が警戒される。

 

欧米イベント

○19:00   10月ユーロ圏貿易収支
○19:00   リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁、講演
○19:30   ロシア中銀、政策金利発表(予想:8.00%に引き下げ)
○22:15   ホールデン英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○22:30   10月カナダ製造業出荷(予想:前月比1.0%)
○22:30   12月米ニューヨーク連銀製造業景気指数(予想:18.8)
○23:15   11月米鉱工業生産指数(予想:前月比0.3%)
設備稼働率(予想:77.2%)
○16日06:00   10月対米証券投資動向
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、最終日)

カテゴリー: 欧州タイム市場コメント

欧米タイム直前市場コメント!

2017/12/14/15:06:56

中国経済指標:ほぼ予想通りで過度な悲観は後退

中国国家統計局が発表した11月鉱工業生産は前年同月比6.1%増となり、市場予想通りとなった。また、11月小売売上高は前年同月比10.2%増となり、市場予想の10.3%増を下回った。

景気動向は悲観するものではなかった。しかし、中国人民銀行は、オペ金利を引き上げるなど、中国での信用バブル抑制のための引き締め強化への懸念などから、今後の先行き景気動向は不透明感が漂っている。

 

日経平均株価:円高を嫌気した売り優勢

外国為替市場で円高・ドル安が進んだことで、自動車株など大型株中心に売りが優勢となった。一方で、ハイテク株などには押し目買いも入ったため下値も限られた。結局、前日比63円安の2万2694円と3日続落で終了した。

 

東京外国為替市場:ドルは終日小幅な動き

ドル/円は、112.60円付近で小動きの展開となった。FOMCが前日終わり、ECB定例理事会や英国中銀金融政策委員会があることで、やや模様眺めムードになっている。日経平均株価が軟調地合いだったが、米株式先物はプラス圏で推移し、米長期金利は2.36%台で横ばいとなるなど一方的な売買は手控えられた。ユーロ/ドルは、午前に上値の重さを確認すると1.1824ドル付近まで小幅に値を下げた。英・欧中銀の金融政策会合を控えて様子見ムードが広がった。

 

イタリアでは3月に総選挙を実施する可能性が高い

イタリア議会はクリスマスから新年を迎える間に解散され、来年3月4日に総選挙を実施する可能性が高い。関係筋によると選挙は3月11日の可能性もある。近く最終的な決定が下される予定。ジェンティローニ首相が年末恒例の記者会見を終えた後、マッタレッラ大統領は両院を解散することが確実視されている。首相会見は12月28日予定。議会は28日までに18年予算案を可決する見通し。新政府発足までジェンティローニ首相が職にとどまる。

再びイタリアの政治リスクが高まる可能性が高くなってきている。総選挙では、極右政党の動向がカギを握りそうな情勢となっており、同国で過去に台頭したファシズムの清算をめぐる議論も呼んでいる。

 

欧州市場では英国中銀の金融政策委員会とECB定例理事会開催

英国中銀金融政策委員会では、11月に10年ぶりに利上げをしたことから、今会合では金融政策は据え置かれるとの見方となっている。声明ではEU(欧州連合)離脱に向けた先行き不透明感が与える影響や2018年の金融政策の展望が注目される。ECB定例理事会でも、背策金利は据え置きとなる見込みとなっている。また、10月の理事会で量的緩和である資産購入プログラムの規模縮小を決定している。2018年1月以降、国債や社債の購入額を付き600億ユーロから、月300億ユーロへと縮小する。ユーロ圏ではドイツやイタリアなどで政治的な不安感が残っている。そたのめ、中銀会合後の声明や会見などは、改めて慎重なペースでの出口戦略が協調される可能性がある。英欧中銀イベント終了という一旦の材料出尽くしもあり、ポンドやユーロに調整売りが入る可能性もある。

 

米国市場では11月の小売売上高が公表

米国では11月の後半から年末商戦がスタートし、出足の好調さが報じられている。雇用のさらなる改善や株高による資産効果、米長期金利の低下による各種ローンの上昇抑制などにより、米国の消費には底堅さが期待される。また、11月はガソリン価格が上昇しており、全米のガソリンスタンドの売り上げにも下支え要因となっている。ただ、米国では根強い安売り競争が続くなか、年末商戦での消費を『年末年始までの値下げ待ち』まで後ずれさせるムードもあり、期待ほどには伸びない可能性も残る。

 

欧米イベ/ント

○16:45   11月仏消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.1%)
○17:00   7-9月期南アフリカ経常収支(予想:900億ランドの赤字)
○17:00   12月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:57.2)
○17:00   12月仏サービス部門PMI速報値(予想:60.0)
○17:15   11月スイス生産者輸入価格
○17:30   スイス国立銀行(SNB)、政策金利発表(予想:▲0.75%で据え置き)
○17:30   12月独製造業PMI速報値(予想:62.0)
○17:30   12月独サービス部門PMI速報値(予想:54.6)
○18:00   12月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:59.7)
○18:00   12月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:56.0)
○18:00   ノルウェー中銀、政策金利発表(予想:0.50%で据え置き)
○18:30   11月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比0.4%/前年比0.3%)
○18:30   11月南アフリカ卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%/前年比4.9%)
○20:00   トルコ中銀、政策金利発表(予想:8.00%で据え置き)
○21:00   英中銀金融政策委員会(MPC)2日目、終了後政策金利発表(予想:0.50%で据え置き、資産買取プログラムは4350億ポンドで維持)
○21:00   MPC議事要旨
○21:45   欧州中央銀行(ECB)定例理事会、終了後政策金利発表(予想:政策金利を0.00%で据え置き)
○22:30   ドラギECB総裁、定例記者会見
○22:30   10月カナダ新築住宅価格指数(予想:前月比0.2%)
○22:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:23万6000件)
○22:30   11月米小売売上高(予想:前月比0.3%/自動車を除く前月比0.6%)
○22:30   11月米輸入物価指数(予想:前月比0.7%)
○24:00   10月米企業在庫(予想:前月比▲0.1%)
○15日02:25   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、講演
○15日04:00   メキシコ中銀、政策金利発表(予想:7.25%に引き上げ)
○欧州連合(EU)首脳会議(ブリュッセル、15日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2017/12/13/15:08:13

日経平均株価:アラバマ州補欠選で共和党候補敗北でリスク回避の動き

前日の米国株式市場でハイテク株が下落したことを嫌気し、半導体関連株の下落が指数の下げを主導した。もっとも連日で銀行株が堅調推移した影響から下値も限られた。後場にはアラバマ州補欠選挙で共和党候補が敗北しトランプ政権への求心力低下を懸念した売りに下げ幅を160円超に広げた。結局、107円安の2万2758円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:米補選の結果受け総じてドル売り優勢

ドル/円は米アラバマ州の上院補選で民主党が予想に反して共和党候補に勝ち、今後のトランプ政権による政策運営の不透明感からリスク回避的な円買いが強まった。ただ、その後は113円前半で下げ渋っているが、海外市場では補選の結果を消化する動きとなりそうだ。ユーロ/ドルは、米アラバマ州の補選結果が伝わると全般にドル安が進んだ流れに一時1.1762ドルまで上昇した。その後も底堅い展開となった。

 

欧州中銀(ECB)も量的緩和の早期打ち切り案が浮上

ECBでは欧州景気の堅調と購入国債の品薄を背景に国債大量購入の量的緩和早期打ち切り案が浮上してきた。これまでドラギ総裁は『期日を定めないオープンエンド』としてきたが、来年中の終了が良いとする理事会メンバーが増えている。債務を抱える南欧諸国のハト派とドイツなど北欧のタカ派のせめぎ合いが激化しつつある。クーレECB専務理事は『今回が最後の延長であってほしい』と11月下旬に独ハンデルスブラット紙に早期量的緩和終了の考えを打ちあけた。ドラギ氏の最側近のクーレ氏の突然の『反乱』だけに金融市場は動揺した。

 

FOMCを控えて:日本時間14日午前4:00発表

FRBはFOMCで本年最後の利上げを決定することがほぼ確実視されている。FOMCの材料となる最新のベージュブックでは全米の経済の成長が広範にわたり拡大していることが明らかになっている。また、11月雇用統計で、雇用が順調に伸びたことも確認済みとなっている。今回のFOMCでは、イエレンFRB議長が議長としての最後の会見を予定している。また、四半期ごとのFRBスタッフ予想も公表される。予想から2018年の利上げ軌道を探る。パウエル次期議長が率いる2018年のFOMCはタカ派に傾斜すると見られている。そのため、エコノミストのなかには、4回または5回の利上げ予想している。市場では、利上げに関しては織り込み済みとなっていおり、2018年の利上げペースも3回がコンセンサスになっている。そのため、4回以上の利上げとなると、サプライズ的な米長期金利上昇とドル買いにつながりやすい。

 

米国市場では11月の消費者物価指数(CPI)が公表

11月の生産者物価指数(PPI)は前年比+3.1%の上昇となり、2012年1月以来の大幅な伸び率となった。米国では11月にかけて、資源相場が上昇した。年初からのドル安の累積効果や、世界経済の回復などにより、CPIについても過度な物価の下振れは抑制される可能性がある。10月は前年比+2.0%、コア指数は同+1.8%とFRBの目標をほぼクリアしており、金利正常化の方針への期待は維持される見通しとなっている。

 

欧米イベント

○16:00   11月独卸売物価指数(WPI)
○16:00   11月独消費者物価指数(CPI)改定値(予想:前月比0.3%)
○17:00   11月南アフリカCPI(予想:前月比0.1%/前年比4.7%)
○18:00   黒田東彦日銀総裁、あいさつ
○18:30   11月英雇用統計
○18:30   8-10月英失業率(ILO方式、予想:4.2%)
○19:00   10月ユーロ圏鉱工業生産(予想:前月比横ばい)
○20:00   10月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比5.3%)
○21:00   MBA住宅ローン申請指数
○22:30   11月米CPI(予想:前月比0.4%)
エネルギーと食品を除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○14日00:30   EIA週間在庫統計
○14日04:00   米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表(予想:1.25-1.50%に引き上げ)
○14日04:00   FOMC、経済・金利見通し発表
○14日04:30   イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
○英中銀金融政策委員会(MPC、14日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2017/12/12/15:15:35

日10月第三次産業指数:市場予想上回る

経済産業省が発表した10月の第三次産業活動指数は前月比0.3%上昇となり、市場予想の前月比0.2%上昇を上回った。

 

日経平均株価:高値接近で上値の重い展開に

前日の米国株式相場が堅調に推移した流れを引き継いで買いが先行した。しかし、FOMCの結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードも強く、総じて前日終値を挟んだもみ合いとなった。午後になると高値警戒感やFOMCを控えて利益確定売りにじわりと下げ幅を広げる展開となった。結局、前日比72円安の2万2866円と4日ぶりに反落して終了した。

 

東京外国為替市場:FOMCを控え全般様子見ムード強い

ドル/円は、午前中は113.50円付近でこう着相場となった。しかし、日経平均株価が軟調地合いとなったことで、じわりと円買いが強まった。ただ、欧州株先物がプラス圏で推移したことや、米長期金利が2.38%台で推移したことでドル売りは仕掛けにくい展開だった。FOMCが今日から開催されることで、結果を見極めたいとのムードが広がっている。ユーロ/ドルは、米長期金利が若干低下したことを背景にしたユーロ買いが入り、1.1775ドル付近まで僅かに値を上げた。

 

米国は再び暫定予算で政府機関閉鎖を回避する可能性が高い

米上下両院は先週、12月22日までの暫定予算を可決したが、次の期限までに合意に至らず、一部政府機関が閉鎖されるリスクが強まってきた。共和党は税制改革法案の一本化案での年内合意を目指している。これは共和党の最優先課題であり、ライアン下院議長とマコネル上院院内総務は歳出法案で問題を起こし、税制法案への党内の支持が損なわれるリスクを冒したくない。結局、年内に決まらず再度短期暫定予算案を可決して、1月のどこかの時点まで暫定予算で政府機関閉鎖を回避すると思われる。

 

12-13日の米FOMC:利上げは織り込み済み

米FOMCでは、すでに市場では利上げは織り込まれている。前週末の米11月雇用統計では平均賃金が伸び悩んだんことで、改めて低インフレへの警戒姿勢や来年の利上げペースへの慎重メッセージが意識される。13日の結果発表後には一旦の材料出尽くしや次回利上げ期待の不透明感などで、ドルが調整下落する可能性が残る。ただ、米国の経済政策では税制改革案の上下院による一本化調整が進められている。前週にはトランプ大統領が、来年1月にインフラ投資計画の詳細を取りまとめる意向を示した。いずれも内容的には不透明感が強いものの、FRBからすると1月にかけては想定外の景気やインフレの上振れ材料となりやすい。そのため、FOMC声明やイエレン議長会見では、過度なハト派姿勢が自制される可能性がある。

 

米国市場では11月の生産者物価指数(PPI)が公表

11月にかけて、原油などの資源価格が上昇した。年初からのドル安の累積効果や、世界経済の回復などにより、過度な物価の下振れは抑制される可能性が高い。ただ、米11月雇用統計では、平均時給が伸び悩んだでおり、IT進化や自動生産普及、ネット流動革命、非正規社員中心の雇用増加なども構造的な物価下落の圧力が続いている。PPIについては、9-10月のハリケーンの影響もあったことから上昇したが、11月は反動剥落による物価の下押しリスクも残る。

 

欧州イベント

○15:30   7-9月期仏非農業部門雇用者数改定値
○18:30   11月英消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.2%/前年比3.0%)
小売物価指数(RPI、予想:前月比0.3%/前年比4.0%)
○18:30   11月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.2%)
○19:00   12月独ZEW景況感指数(予想:18.0)
○19:00   12月ユーロ圏ZEW景況感指数
○22:30   11月米卸売物価指数(PPI、予想:前月比0.3%)
食品とエネルギーを除くコア指数(予想:前月比0.2%)
○13日03:00   米財務省、30年債(120億ドル)入札
○13日04:00   11月米月次財政収支(予想:1350億ドルの赤字)
○米連邦公開市場委員会(FOMC)1日目

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欧米タイム直前市場コメント!

2017/12/11/15:10:36

日11月工作機械受注:10月の前年比下回る

日本工作機械工業会は11月工作機械受注(速報)が前年比+46.9%となり、10月の前年比+49.8%から弱含んだ。

 

日経平均株価:後場から買い強まり終値で年初来高値

前週末の米国株式市場が上昇したことを好感した買いが先行した。買い一巡後は利益確定売りに押されて下げに転じる場面もあったが、企業業績の拡大期待を背景にした押し目買いに支えられた。後場に日銀による株ETF買い観測を受けて上げ幅を一時100円超に広げた。結局、前週末比127円だかの2万2938円と3日続伸して終了した。終値で年初来高値を更新した。

 

東京外国為替市場:動意欠き全般小幅な値動き

ドル/円は、一時113.69円まで上昇したものの、株価や米長期金利が動意に欠けるなど手掛かり材料難に乏しいなか、その後は次第に113.60円前後で値動きが細った。ユーロ/ドルは、対円や対資源国通貨などでドル売りが進んだ影響から一時1.1784ドルまで強含んだ。欧州勢待ちの様相となっている。

 

カタルーニャ州議会選挙:調査では独立派過半数届かず

GAD3世論調査では、21日のカタルーニャ州議会でスペインからの独立を支持する政党の獲得議席数は合わせても過半数に1、2議席届かない見込みと地元紙バンガルディアが報じている。独立政党は2015年の州議会選では72議席獲得したが、今回は66議席から67議席にとどまりそう。州議会は135議席で、過半数は68議席となる。

カタルーニャ州の独立に関する混乱が落ち着くようだと、ユーロ買い材料となりやすい。ただ、世論調査は実際の選挙結果と同様の結果にならないことが多いことから、均衡していることもあり注意が必要となる。

 

ボラティリティ高まらず為替特化ファンドは低迷

2017年は、北朝鮮情勢による地政学リスク、自由貿易協定の崩壊、米政権の不安定など世界情勢においては、リスク回避が高まっても不思議ではない年であった。しかし、ボラティリティだけは高まらなかった。そのため、為替特化型ファンドには特に厳しい年となった。9つの別々の投資スタイルを代表する14の為替運用プログラムのパフォーマンスを追跡するシティ・パーカー・グローバル通貨運用指数は今年のこれまにで4%近く下げ2011年以来の大幅悪化となった。世界オプション市場での3ヶ月物員プライドボラティリティを示すJPモルガンチェースの指数は、14年以来の低水準近く沈んだ。

 

原油生産削減の早期停止の可能性も

クウェートのマルズーク石油相は10日、原油市場が来年6月までに均衡を回復すれば、OPECとロシアなど非加盟産油国は2019年前に生産削減を終了する可能性があると述べた。ロシアは出来るだけ早期の減産終了を望んでいると同相は発言した。また、その後、OPECが6月の次回総会で減産からの出口戦略を検討するだろうとも発言した。OPECとロシアなど非加盟産油国は11月30日、減産措置を18年末まで9ヶ月間延長することで合意した。

この発言により、原油価格の上値は重くなる。しかし、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として承認したことで、中東地域における地政学リスクが高まっている。そのため、現在は中東情勢の地政学リスクの高まりが市場の注目点となっている。

 

欧米イベント

○18:00   ノボトニー・オーストリア中銀総裁、講演
○12日01:30   米財務省、3年債(240億ドル)入札
○12日03:00   米財務省、10年債(200億ドル)入札

 

本日は欧米市場で重要経済イベントなく、米・英・欧中銀による金融政策会合を控えて動意の乏しい動きが予想される。ただ、欧米市場では年末休暇による流動性が低下していることから、要人発言や想定外の出来ことなどが起こると値動きの荒い展開となりやすい。

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