FITS エコノミックレポート

欧米タイム直前市場コメント!

2018/04/24/15:15:58

日経平均株価:円安を好感した買い優勢

前日のNYダウの4日続落にも1ドル=108円台後半の円安を受け企業の輸出採算悪化懸念が後退したことを受け、自動車や機械など輸出関連株中心に買いが広がった。一時上げ幅を200円超に広げた。結局、前日比190円高の2万2278円と反発して終了した。

 

東京外国為替市場:全般ドル買い優勢の展開継続

ドル/円は、今週末の日銀金融政策決定会合を前に、日米金融政策の違いを意識したドル買い・円売りが進み、108.86円まで値を上げ約2ヵ月ぶりの高値をつけた。日経平均株価が反発でリスク選好の動きが強まったことも、ドル買いを誘った。午後は108.80円前後でのもみ合いの展開となった。ユーロ/ドルは、26日のECB理事会を控えて警戒したユーロ売り・ドル買いは一巡し、1.22ドル台前半で小動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

日米ハイテク関連企業の決算に注目

日米の企業決算発表と株価動向が注目材料となっている。米国株市場では前週、中国でのスマートフォン需要の減速警戒が高まり、ハイテク株や情報通信株が大幅な下落となった。本格化する日米双方の関連企業の決算発表では、収益見通しを含めて改めて『当座の需要ピークアウト』が示唆されるとリスク回避の動きとなりやすい。一方で、事前警戒で先行下落してきた個別株については『一旦の懸念材料の出尽くし』などによる反発余地も焦点になる。過度なリスク回避が緩和されると、リスク選好の動きとなる可能性も残っている。

 

南北首脳会談は27日午前:韓国大統領府

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は27日後是に会談する。と韓国大統領府が記者説明会で伝えた。

公式の歓迎行事と首脳会談、食事買いが行われる。両首脳がどこで食事を共にするかは明らかにしなかった。また、25日に板門店の『平和の家』で首脳会談のリハーサルを行う。

 

米長期金利上昇の要因

米長期金利上昇要因としては、原油などの資源価格上昇を受けたインフレ懸念の高まりがある。資源相場については前週にかけて、①19日のOPEC加盟国と非加盟国による会合での減産継続確認、②米国によるイラン制裁の再開思惑(5月12日までにイラン核合意の修正や離脱の是非を判断)、③米国によるロシア追加制裁を受けたロシア産のニッケル、アルミ、チタンなどの供給ひっ迫懸念、などが影響している。米国内の要因としては、今週24-26日にかけて米国債の国債入札が実施される。入札に向けた需給悪化の懸念も、目先の米朝金利上昇要因となっている。ただし、入札の結果として旺盛な押し目買い需要が再確認されたり、入札終了による悪材料出尽くしとなれば一旦の米長期金利が低下する可能性もある。

 

米長期金利上昇がもたらすリスク

米10年物国債利回りは3%に迫る上昇となっている。企業の資金調達コストの上昇と景気悪化が重なると、倒産リスクが高まり、国際金融市場の波乱要因となる可能性が高まってくる。国際決済銀行(BIS)の統計によると、海外で発行された世界の事業会社(米企業を除く)の社債残高は2017年9月末時点で約3兆ドル(約325兆円)となる。さらに米企業の国内外での発行分を加えると9兆ドルに達する。過去2年で約1割、10年で2倍近くに膨らんだ。

米国の歳出拡大や減税で財政赤字が膨らんだ1980年台後半に見られる。長期金利が上昇して経済成長率が低下し、企業の倒産確率を高め、ハイイールド債の利回りは上昇した。

 

景気循環の後半に商品価格が上昇:ガンドラック

米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラックCIOはニューヨークで開催された会議で、レラティブバリュー戦略の一環として、『SPDR・S&P石油・ガス深鉱・生産ETF』への投資を推奨する一方、米フェイスブック株についてはショートポジションをとるよう勧めた。同氏は、商品価格が歴史的に見て景気循環の後半に上昇することを理由に、商品を今年最も選好する投資先の一つとして推奨している。

 

欧米イベント

○15:45   4月仏企業景況感指数(予想:108)
○17:00   4月独Ifo企業景況感指数(予想:102.8)
○18:30   ビルロワ・フランス中銀総裁、講演
○22:00   2月米住宅価格指数(予想:前月比0.6%)
○22:00   2月米ケース・シラー住宅価格指数(予想:前年比6.4%)
○23:00   3月米新築住宅販売件数(予想:前月比1.9%/63万件)
○23:00   4月米リッチモンド連銀製造業景気指数(予想:16)
○23:00   4月米消費者信頼感指数(予想:126.0)
○25日02:00   米財務省、2年債(320億ドル)入札
○米仏首脳会談

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/04/23/15:13:35

日経平均株価:押し目を拾う動きも出て下値も限定的

米アップル株の急落をきっかけに先週末の米国株式市場が下落した流れを引き継いだ。電子部品や半導体関連銘柄に売りが続き、株価指数を押し下げた。ただ、市場では『個人投資家の間で、押し目を拾う動きも出ている』との指摘もあった。今週から本格化する企業決算への期待感から下値も限定的だった。結局、前週末比74円安の2万2088円と続落して終了した。

 

東京外国為替市場:地政学リスク後退と米長期金利上昇からドル底堅い

ドル/円は、週末に北朝鮮が核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を中止すると表明したことが好感されてドル買い・円売りが先行した。また、米長期金利が2014年1月以来の高水準となる2.96%台まで上昇し、日米金利差が拡大したこともドル買いにつながった。ただ、日経平均株価がさえない動きとなったことを受け、上値では利食い売りも入りもみ合った。午後からは107.80円を挟んだ方向感に乏しい動きが続いた。ユーロ/ドルは、1.2270ドル前後で小幅な値動きが続いた。欧州勢待ちの様相となっている。本日は欧州市場で重要経済指標の発表があるので、午後4時以降から値動きが荒くなる可能性が高い。

 

欧州市場では4月マークイットユーロ圏総合PMIが公表

3月実績は55.2で2月の57.1を下回った。米国の保護主義的な通商政策に対する警戒感が高まったことが要因となる。総合PMIは1月の58.8が当面のピークとあんった可能性が高い。ただし、ユーロ圏経済の回復が続いており、雇用情勢は改善していることから、4月の総合PMIは3月実績と同水準になる可能が高い。

 

原油ヘッジファンドに資金流入

原油価格が2014年以来の高値に上昇する中、昨年には資金が流出していた商品ファンドへの流入が回復している。市場では原油価格がほどなく80ドルを超えるとする予想も出始めている。世界経済に対する信頼感が増す一方、地政学的緊張や生産不足が収まる兆候が示される中、20日までは全ての要因が原油価格上昇の継続を示唆していた。ただ、トランプ大統領は同日ツイッターで、原油価格は人為的に高水準となっており容認されないと述べ、OPECを批判した。

 

米国の利回り曲線の平坦化も一服

景気後退の兆候とされる利回り曲線の逆転に関しては、FRB内でも意見が分かれている。ブラード米セントルイス連銀総裁は6ヵ月以内に利回り曲線が逆転する可能性を警告している。FRBは今、利回り曲線の問題を協議する必要があると訴えた。政策金利も据え置くべきだとした。カプラン米ダラス連銀総裁も年2回の利上げにとどめるべきだと主張した。一方で、クオールズ米FRB副議長は、最近の利回り曲線の平坦化が『景気後退のシグナルではない』と指摘している。ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総も、利回り曲線の逆転が力強いリセッションの兆候になると認めたうえで、現在の平坦化は『正常』と指摘した。またFOMCの利上げとともに長期金利も上昇し、利回り曲線の逆転を予想していないとした。しかし、利回り曲線が逆転したら真剣に受け止めると加えた。

 

4月17日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

      (4月10日)   ⇒   (4月17日)

・円     : +2,761   ⇒    +2,591

・ユーロ   :+147,463   ⇒   +151,476

・ポンド   :  +43,016   ⇒     +47,702

・豪ドル    :  ▲2,796   ⇒   ▲10,155

 

ドル/円に関しては、ほぼニュートラルのポジションとなっている。そのため、円高・安どちらにも振れやすい。今週末には南北(韓国・北朝鮮)首脳会談が予定されており、蜜月が演出されると見られているが、その場合も既にこういった面は織り込まれており。リスク志向に影響はなさそう。また、来週以降、日本ではゴールデンウィークにより日本市場の参加者が減少するとことや、日本市場が休場となるので、新たなポジションの形成は、休み明けからとなりやすい。

 

欧米イベント

○16:00   4月仏製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値(予想:53.5)
○16:00   4月仏サービス部門PMI速報値(予想:56.5)
○16:30   4月独製造業PMI速報値(予想:57.5)
○16:30   4月独サービス部門PMI速報値(予想:53.7)
○17:00   4月ユーロ圏製造業PMI速報値(予想:56.1)
○17:00   4月ユーロ圏サービス部門PMI速報値(予想:54.6)
○17:30   3月香港消費者物価指数(CPI、予想:前年同月比2.6%)
○21:30   2月カナダ卸売売上高(予想:前月比0.7%)
○23:00   クーレ欧州中央銀行(ECB)理事、講演
○23:00   3月米中古住宅販売件数(予想:前月比0.2%/年率換算555万件)
○24日04:30   ポロズ・カナダ銀行(中央銀行、BOC)総裁、議会証言

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/04/20/15:10:56

日経平均株価:半導体関連中心に売り広がる

半導体関連株を中心に安く始まったものの、売り一巡後は徐々に下げ幅を縮小した。外国為替市場で円安・ドル高を好感した買戻しが入り一時プラス圏を回復した。結局、前日比29円安の2万2162円と6日ぶり反落して終了した。

 

東京外国為替市場:投機筋の円買いの巻き戻しで底堅い展開

ドル/円は、日米首脳会談を無難に通過したことで投機筋の円ロングまき戻しの円売りや仲値決済に向けた国内輸入企業からの円売り・ドル買いが膨らんだ。投機筋は17-18日の日米首脳会談で米国が円安をけん制するとの警戒感からリスク回避の円買いに動いていた。しかし、日米首脳会談は、通商問題で日本は多国間を、米側は2国間協定を主張、認識ギャップを露呈したものの安倍・トランプ両首相の友情と信頼により懸念された円安牽制はなく、円ロングの巻き戻しを余儀なくされた。しかし、午後に日経平均株価が再びマイナス圏まで下げるなどさえない動きとなった。ユーロ/ドルは、1.2340ドル近辺でのもみ合いとなっており、欧州勢の参入待ちに様相となっている。

 

アイルランド国境を巡る問題で離脱交渉は難航

英国のEU離脱後に北アイルランドとアイルランド共和国との国境での税関検査を回避する方法を探すことは、英国とEUの交渉担当者が離脱合意を目指す上で最大の障害になりつつある。双方はいずれも、最終的な通商合意からより良い選択肢が出てこない場合にに備え、アイルランドに関して『バックストップ』措置を離脱条約に含める必要性では一致しているが、その内容では講義できていない。アイルランド国境を巡る重要な問題が離脱交渉をさらに難しくしている。

 

米国の良好な経済指標受け米長期金利上昇傾向

昨日米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比1000件減の23.2万件と3週間ぶりの低水準となった。市場予想23.0万件は小幅上回ったものの、労働市場の強さが確認された。また、失業保険継続受給者数は186.3万人と、前回187.8万人から減少も、市場予想184.5万人は上回った。 同時刻に発表された米国の4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数は23.2と、低下予想に反して、3月22.3から上昇した。 この経済指標を受け米10年物国債利回りは2.9%台へ上昇した。

 

 

商品の値上がりで米国債金利は急上昇

米10年国債の利回りが19日に2.93%まで上昇し、2月21日に付けた2.957%の年初来高水準まで0.027%に迫った。商品価格が数年ぶりの水準まで上昇し、これが特に期間長めの米国債の重石となっている。5年債から30年債にかけてイールドカーブは今月5日以降スティープ化(急右上がり)した。商品の値上がりで物価上昇圧力が増すかもしれないとの見通しで、米インフレ連動債10年債が示すブレークイーブンレートは19日に2.19%と2014年以来の高水準に達した。

 

欧米イベント

○15:00   3月独生産者物価指数(PPI、予想:前月比0.2%)
○18:30   サンダース英中銀金融政策委員会(MPC)委員、講演
○21:30   2月カナダ小売売上高(予想:前月比0.4%/自動車を除く前月比0.4%)
○21:30   3月カナダCPI(予想:前月比0.4%/前年比2.4%)
○22:40   エバンズ米シカゴ連銀総裁、講演
○23:00   4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値、予想:▲0.1)
○21日02:45  日米財務相会談
○20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン)
○21日 国際通貨金融委員会(IMFC、ワシントン)
○21日 国際通貨基金(IMF)・世界銀行合同開発委員会(ワシントン)
○22日 先進7カ国(G7)外相会合(カナダ・トロント、24日まで)

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/04/19/15:13:08

4月8-14日分の対外及び対内証券売買契約等の状況

国内の投資家は対外中長期債は7976億円の買い越しとなり、買い越しは3週間ぶりの買い越しとなった。対外株式は2144億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。また、海外投資家は対内株式は3083億円の買い越しとなり、買い越しは3週連続となった。中長期債は4227億円の買い越しとなり、買い越しは3週間連続となった。短期債は1兆7424億円の売り越しとなり、売り越しは2週間ぶりとなった。

 

国内投資家は3月下旬から対外株式投資を継続している。また、対外債券投資も米長期金利が落ち着いてきていることから、3週間ぶりの買い越しとなるなど対外債券についても投資が再開されてきた。この動きは円売り・ドル買いにつながりやすい。また、海外投資家は3月下旬から日本株投資が再開されており、このところの日本株上昇のけん引となっている。対内債券投資も継続している。短期債は短期のスワップ取引に絡んだ売買中心となっており、週毎に売り買いが交錯している。

 

日経平均株価:利益確定売りに上値重い展開

日米首脳会談で対米貿易黒字に対する強硬な批判がなかったとの見方から、無難に通貨したことにより全般に買い安心感が広がった。また為替市場でやや円安・ドル高が進んだことも相場の支援材料となった。海外ヘッジファンド中心に買い戻しが優勢となり一時200円を超えた。ただ、後場からは財務省スキャンダルなど国内政治の不透明感や前日までの4日続伸で500円近く上昇しただけに利益確定売りに押される展開となった。結局、前日比33円高の2万2191円と小幅ながら5日続伸で取引を終了した。

 

東京外国為替市場:ドルの上値も重い展開

ドル/円は、日米首脳会談でトランプ米政権から為替や通商問題で強い要求がなったことが好感され、一時107.51円まで上昇した。また、日経平均株価が一時200円超高となったことも、リスク選好の円売りとなった。午後から日経平均株価の上げ幅縮小から、じり安となり107.40円台での値動きとなった。ユーロ/ドルは、1.23ドル台後半で方向感の欠く値動きとなった。欧州勢待ちの様相となっている。

 

欧州市場では2月ユーロ圏経常収支を公表

ユーロ圏の2月貿易収支は200億ユーロの黒字が予想されている。1月の経常黒字額は減少したものの、前年1月の経常収支は小幅な赤字だったことを考慮すると、経常黒字額の減少は季節的なものと見られる。2月については貿易収支の改善が予想されることから、黒字額は1月実績を上回る可能性が高い。

 

世界の債務負担が過去最大:中国がリスクに

国債通貨基金(IMF)は、世界の債務負担が過去最大の164兆ドルに膨らんだと発表した。今後、各国は景気後退や金融引き締めの際に、一段と難しい対応を迫られる可能性がある。IMFの最新の『財政モニター』報告書によれば、世界の公的・民間債務2016年、世界のGDPの225%相当となった。中国を中心に民間債務が急増しており、世界全体の負債を押し上げている。世界的な金融危機以降における民間債務増大のほぼ4分の3を中国が占めている。

 

米地区連銀経済報告(ベージュブック)の中身

FRBは3月から4月上旬の情報をもとにダラス地区連銀が作成したベージュブックを公表した。全米12地区の経済活動が緩やかまたは緩慢な成長が継続している。ただ、楽観的な見通しが維持されたものの、トランプ政権が導入した鉄やアルミニウムの輸入制限の影響を全米で懸念が表明された。物価も輸入制限が響き、とくに鉄鋼価格が上昇した。建築材などの価格の上昇が指摘された。企業はさらなる価格の上昇を予想している。雇用に関しては広範な拡大が続くものの、賃金の伸びは緩やかにとどまった。この結果を受けて、6月の追加利上げが後押しされ米長期金利が上昇した。

 

欧米イベント

○17:00   2月ユーロ圏経常収支(季節調整済み)
○17:30   3月英小売売上高指数(自動車燃料含む、予想:前月比▲0.6%/前年比1.9%)
○21:00   ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)理事、講演
○21:30   前週分の米新規失業保険申請件数(予想:23万件)
○21:30   4月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数(予想:21.0)
○22:30   クオールズFRB副議長、米上院銀行委員会で証言
○23:00   3月米景気先行指標総合指数(予想:前月比0.3%)
○20日01:30   カンリフ・イングランド銀行(英中銀、BOE)副総裁、講演
○米財務省2年、5年、7年債入札条件

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欧米タイム直前市場コメント!

2018/04/18/15:11:05

日経平均株価:地政学リスク後退を好感して大幅高

前日の米国株高を受けた買いが入ったほか、『ポンペオ米次期国務長官が数週間前に北朝鮮の金委員長と面会した』との報道が伝わると、米朝会談に向けた調整が進んでいることから地政学リスク後退の野本株買いに拍車がかかった。結局、前日比310円高の2万2158円と4日続伸で終了した。

 

東京外国為替市場:リスク選好ながらもドル上値重い

ドル/円は、『ボンペオ次期米国務長官が数週間前に訪朝し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した』と報じたことを好感してリスク選好の円売りが強まり、107.30円台まで上げた。日経平均株価が大幅高したことや米長期金利も上昇したことで、ドル買いの支援材料となった。ただ、午後からは日本時間19日午前6時半から予定されている日米首脳共同記者会見を見極めたいとの雰囲気からドルの上げが一服した。ユーロ/ドルは1.23ドル台後半で方向感に欠く動きとなった。欧州勢参入待ちの様相となっている。

 

需給ギャップ改善から18年度中に金融引き締めも

日本銀行が2018年度中に金融引き締めを行う可能性があると市場は見始めている。国内の需要超過によって日銀が目指す2%上昇目標半ばの物価水準が定着し、政策変更を後押しすると思われるからである。1%前後の物価が定着すると見られているのは、日銀が4日に発表した需要と供給の差を示す需給ギャップがプラス1.5%に拡大し、2007年10-12月以来の高水準となったことが要因となっている。人手不足による賃金上昇も消費を支え、企業は価格引き上げの必要性に迫られている。

 

トルコ中銀は25日に利上げ出来るか注目

17日には与党・公正発展党(AKP)の連立相手である民族主義行動党(MHP)が2019年11月に予定されている大統領選の今年8月への前倒しを提案した。市場からは『選挙の前倒しに伴ってエルドアン政権の強権体制が一段と進むことになる』との指摘もある。トルコリラ相場は中東情勢への懸念もあり、前週には連日で過去最安値を更新した。ドル・リラは11日に4.1934リラまでドル高・リラ安が進む場面も見られた。また、急速に通貨安が進んだことによってトルコ中銀も対応を迫られており、一部市場では25日に開催される次回の会合で利上げを決めるとの思惑もある。ただ、エルドアン政権から利下げ圧力を受けるなか、トルコ中銀の判断に注目が集まっている。

 

北朝鮮と『ハイレベル』の直接対話を既に開始

ポンペオ米中央情報局(CIA)長官は、予定されている米朝首脳会談の準備のため、主週間前に北朝鮮を極秘訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長と会談した。ポンペオ氏は北朝鮮を3月31日、4月1日の週末に訪問した。ポンペオ氏による事前訪問は、首脳会談で何らかの合意が生まれるのではないかという楽観的期待を高めるためのもの。トランプ大統領は、韓国が北朝鮮と和平交渉を行うことを承諾したと述べ、米朝首脳会談の開催地として5ヵ所を検討していることも明らかにした。ただ、ホワイトハウスのサンダース報道官は、大統領が北朝鮮の金委員長と直接対話はしていないと説明した。

 

欧米イベント

○17:00   3月南アフリカ消費者物価指数(CPI、予想:前月比0.6%/前年比4.1%)
○17:30   3月英CPI(予想:前月比0.3%/前年比2.7%)
          小売物価指数(RPI、予想:前月比0.3%/前年比3.5%)
○17:30   3月英卸売物価指数(PPI、食品とエネルギーを除くコア指数、予想:前年比2.2%)
○18:00   2月ユーロ圏建設支出
○18:00   3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値(予想:前年比1.4%)
○20:00   MBA住宅ローン申請指数
○20:00   2月南アフリカ小売売上高(予想:前年同月比3.0%)
○20:00   モルガン・スタンレー第1四半期決算
○21:30   ダドリー米ニューヨーク連銀総裁、講演
○22:00   3月ロシア失業率(予想:5.0%)
○23:00   カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表(予想:1.25%で据え置き)
○23:30   EIA週間在庫統計
○19日03:00   米地区連銀経済報告(ベージュブック)
○19日05:15   クオールズ米連邦準備理事会(FRB)副議長、講演
○日米首脳会談(フロリダ州パームビーチ、最終日)

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