★欧州市場朝方の取引では、株価が底堅く推移する中、111.92円前後で推移した。なお、欧州株は前日高安まちまちで取引を開始した。欧州株が堅調に推移し、日経先物も70円高に反発となったことに連れ、ドルが再上昇となり節目の112.00円に再接近した。その後も米長期金利上昇に支援され、ドルは小動きながら堅調地合いを維持した。NYダウ先物や日経先物も堅調推移する中、ドルは高値圏で推移した。
米国株の下落や予想を下回る米2月サービス部門PMI改定値が相場の重石となり、一時111.78円付近まで売りが先行した。しかし、米2月ISM非製造業指数と米12月新築住宅販売件数が予想を上回ったことを受けドルの買い戻しが優勢となった。一時112.14円の年初来高値を更新したが、クロス円が重かったことや112円のオプションオーダーもあり111.90円台に押し戻された。その後もクロス円の売りが散見されたことでドル買いの勢いは失速した。
★欧米主要経済指標
・独・2月サービス業PMI改定値:55.3(予想:55.1、速報値:55.1)
・独・2月総合PMI改定値:52.8(予想:52.7、速報値:52.7)
・ユーロ圏・2月サービス業PMI改定値:52.8(予想:52.3、速報値:52.3)
・ユーロ圏・2月総合PMI改定値:51.9(予想:51.4、速報値:51.4)
・ユーロ圏・1月小売売上高:前月比+1.3%(予想:+1.3%、12月:-1.4%←-1.6%)
・英・2月サービス業PMI:51.3(予想:49.9、1月:50.1)
・英・2月総合PMI:51.5(予想:50.1、1月:50.3)
・米・2月ISM非製造業景況指数:59.7(予想:57.4、1月:56.7)
・米・12月新築住宅販売件数:62.1万戸(予想:60.0万戸、11月:59.9万戸←65.7万戸)
・米・2月サービス業PMI改定値:56.0(予想:56.2、速報値:56.2)
・米・2月総合PMI改定値:55.5(速報値:55.8)
・米・1月財政収支:+87億ドル(予想:+100億ドル、18年1月:+492.37億ドル)
★欧米市場のポイント
・111.78-112.14円のレンジ相場
・英国のEU離脱に不透明感広がりポンド売り
・米2月ISM非製造業PMIが予想上回りドル買い
・112.00円のオプションオーダーのドル売り
・良好な米経済指標にも米国株の上値重い
・VIX指数は13.57から14.74へ上昇
日経225の日足では、上値には200日SMA(紫線)22,044円と260日SMA(茶線)21,980円がどっしりとレジスタンスとなっている。一方で、5日SMA(赤線)21,619円と10日SMA(黄線)21,539円がサポートとして意識されつつ上向きとなっている。
徐々にレジスタンスとサポートが接近してきていることから、近日中にレジスタンスを上抜けるか、サポートを下抜けするか答えが出そうだ。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、%K:91.55、%D:91.52とかなり買われ過ぎ過熱感がある。
ロウソク足でも、ここ2日間は『十字線』のような迷い足が出ており、方向感を欠いたロウソク足となっている。ただ、高値での『十字線』は相場の転換を暗示するシグナルとなることが多い。
上昇基調は維持しているものの、相場の勢いが鈍化してきている。そのため、今までとは違った緊張感で相場を見ていく必要がありそうだ。
★ドル/円の日足に100日SMA(赤線)、200日SMA(青線)、260日SMA(緑線)の3本のSMAを引くだけでドル/円の押し目買いポイントが分かりやすい。
100日SMAが2018年4月以降何度もサポートラインとなり、押し目買いのタイミングとなっていた。一方で、100日SMAを下抜けしたら、相場反落のシグナルとなり売り転換するタイミングとなる。
特に100日SMAが200日SMAや260日SMAを上抜けしている時は、上昇局面にあり100日SMAで下止まるポイントとなった。
現在は100日SMAが111.40円、200日SMAが111.35円がほぼ重なっていることから、強力なサポートラインとなりやすい。
緩やかに変動するストキャスティクス・スロー(パラメータ:42、3、3、20、80)は、%K:95.89、%D:96.71とかなり過熱感が出ていることから、調整的な下落が何時発生しても不思議ではない状態となっている。
こういうポイントは、何時終了するか分からないポイントではあるが、現在のところは100日SMAがポイントとなっているので、この節目に近づいたら注視する必要がある。
★3月4日(火)の米国3市場は、NYダウ:206.67ドル安の25,819.65ドル、S&P500:10.88ポイント安の2,792.81ポイント、NASDAQ:17.79ポイント安の7,5977.57と3指数ともに下落した。一方、米長期金利は、2.721%に低下(価格は上昇)した。『1日付けPERと株価から逆算』して3月4日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.54倍、S&P500:17.28倍、NASDAQ:23.99倍と、3指数ともに前日より低下(割安)した。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.98倍、S&P500:16.58倍、NASDAQ:21.74倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に4日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.325%、S&P500:▲3.066%、NASDAQ:▲1.447%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。米長期国債は、高く始まった米国株相場が失速し、軟調に推移すると安全資産とされる米国債に買いが入った。
昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。
4日(月)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.246%⇒▲3.325%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.901%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.256%へ縮小してきている。NYダウは、米中間の貿易協議が合意に近づいているとの期待が高まり一時120ドル超上げた。しかしながら、中国側からの声明に乏しく今後の動向を見極めたいとの思惑から、買い一巡後は売りが優勢になった。12月米建設支出が予想を下回ったことが相場の重しとなったほか、利益確定目的の売りが優勢となり一時410ドル超下げた。年初来の早い株価上昇ペースの警戒感も広がった。VIX指数は13.57から14.68へ上昇した。
S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.011%⇒▲3.066%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.803%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.335%へ縮小してきている。
NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.405%⇒▲1.447%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.732%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.249%へ縮小してきている。
テクニカル的には、NYダウは、サポートラインとして意識されていた10日SMAを下抜けした。また、5日SMAが10日SMAをにわかに下抜けしてきた。ただ、25日SMAがサポートとして意識され、下ヒゲ陰線で終了している。そのため、下値では押し目買いが入っていることを示している。また、25日SMAが上抜きとなっていることから、中期的な上昇トレンドは継続している。NY市場では利益確定売りに押される展開となっており、短期的には下落調整の域での動向となっている。イールドスプレッドから過熱感は残っており、今晩の動向が注目される。S&P500は、一旦10日SMAを下抜けしたものの、下ヒゲで戻していることから、上昇基調を維持している。NASDAQも、S&P500と同様な動きとなっていることから上昇基調を維持している。
3指数ともにストキャスティクスでは、高値圏から下向きとなってきており上値が重くなってきていることや、買われ過ぎ過熱感が出ている。米国株全般に下落調整局面となっているものの、上昇基調が継続している。イールドスプレッドでは割高感が残っていることから、調整的な動きは継続する可能性もある。
2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.200%、S&P500:3.439%、ナスダック:1.922%も下落時の節目となりやすい。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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