★欧州市場朝方の取引では、ドルは堅調地合いを維持しながらも値幅は狭く、全般もみ合い商状となった。なお、欧州株は高安まちまちで取引が開始された。対豪ドルを中心にドル買い圧力が再び高まったことを受けて鈍い動きながらも111.92円まで上昇した。米長期金利が低下幅を縮めたことも下支えとなった。欧州株は高安まちまち、NYダウ先物は小幅安、米長期金利は2.70%台に低下する中、全体的に小動きの展開となった。その後は、NY勢の本格参入を前に値動きの鈍い展開となった。
米2月ADP雇用者数が市場予想を下回ったことで、ドルは小幅下落したが、依然として押し目買い強く、底堅い展開となった。米12月貿易収支が10年ぶりの高水準となったため円買い・ドル売りがじわりと強まった。米国株がマイナス圏入り、米長期金利も低下したことで111.59円の日通し安値をつけた。米国株市場の下げ幅が少しずつ広がっていたことも上値の重石となり戻りも限定的だった。
★欧米主要経済指標
・経済協力開発機構(OECD)
世界経済見通し、今年を3.3%(昨年11月時点3.5%)、来年を3.4%(同3.5%)に引き下げ
・米・2月ADP雇用統計:前月比+18.3万人(予想:+19.0万人、1月:+30万人←+21.3万人)
・米・12月貿易収支:―598億ドル(予想:-579億ドル、11月:―503憶ドル←-493億ドル)
★欧米市場のポイント
・111.59-92円のレンジ相場
・OECDが世界経済の成長見通しを引き下げ
・ECB定例理事会を控えてユーロ売り優勢
・EUが英国との離脱交渉が難航していることを示唆
・米2月ADP雇用統計が予想を下回る
・米12月貿易赤字は予想以上に拡大
・米ベージュブックでは景気判断が下方修正
・VIX指数は14.74から15.74へ上昇
★トルコリラ/円のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1σ、±2σ、±3σ)では極端にバンド幅が縮小するスクイーズとなっている。さらにバンド幅は縮小傾向となっていることから、バンド幅が拡張するエクスパンションすると、大きな動きになる可能性が高い。ただ、上下どちらかに放れるかは、他の指標などを参考にする必要がある。
昨日一目均衡表の雲のネジレがあり、反転や加速など相場の節目となりやすい状態が前後3日間継続する。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)は、上値・下値を切り下げながら下落基調が続いている。また、ロウソク足も5連陰となっており、徐々に上値を切り下げてきていることから下押しの可能性が高い。
そのため、エクスパンションする場合は下落基調となりやすい。
★3月5日(水)の米国3市場は、NYダウ:13.02ドル安の25,806.63ドル、S&P500:1.21ポイント安の2,789.65ポイント、NASDAQ:3.16ポイント安の7,576.36と3指数ともに下落した。一方、米長期金利は、2.716%に低下(価格は上昇)した。『4日付けPERと株価から逆算』して3月5日付け予想PER計算すると、NYダウ:16.60倍、S&P500:17.27倍、NASDAQ:24.06倍と、NYダウとS&P500はわずかに低下(割安)したが、NASDAQは横ばいとなった。2011年4月21日以降の平均値は、NYダウ:14.98倍、S&P500:16.58倍、NASDAQ:21.75倍で現在3指数とも大幅に上回っている。このPERを基に5日付けのイールドスプレッドを算出すると、NYダウ:▲3.308%、S&P500:▲3.074%、NASDAQ:▲1.440%と、3指数ともにイールドスプレッドは前日比でわずかに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)となった。米長期国債金利は、良好な米経済指標を理由に売りが出たものの、米国株の失速を受けて買いが入る(金利は低下)と終盤持ち直した。
昨年12月3日の高値時のイールドスプレッドを参考にする。12月3日に戻り天井となり下落基調となった。NYダウ:▲3.069%、S&P500:▲2.731%、NASDAQ:▲1.198%だった。
5日(火)のNYダウの予想イールドスプレッドは前日▲3.299%⇒▲3.308%となり拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。1月3日の直近割安となったイールドスプレッドの▲4.226%から0.918%に拡大(米国株に割高感)している。また、12月3日の戻り天井となった12月3日の▲3.069から0.239%へ縮小してきている。NYダウは、米中貿易協議の行方を見極めたいとして、大きな方向感は出なかったが、中国政府による経済成長率の目標引き下げが相場の重石となった。半面、良好な米経済指標を好感した買いが入ったため、指数はプラス圏で推移する場面もあった。VIX指数は13.57から14.74へ上昇した。
S&P500の予想イールドスプレッドは前日▲3.063%⇒▲3.074%となり、イールドスプレッドは拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。S&P500も割安感が徐々に払拭されてきている。1月3日のイールドスプレッド▲3.869%から0.795%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の2.731%から▲0.343%へ縮小してきている。
NASDAQの予想イールドスプレッドは、前日▲1.435%⇒▲1.440%となり、イールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。1月3日のイールドスプレッド▲2.179%から0.739%に拡大してきている。また、12月3日の戻り天井の▲1.198%から▲0.242%へ縮小してきている。
テクニカル的には、NYダウは、サポートラインとして意識されていた5日SMAと10日SMAを下抜けした。また、5日SMAが10日SMAをにわかに下抜けしてきた。ただ、25日SMA25,550ドルがサポートとして意識されている。前日ロウソク足に対して『はらみ足』となっており、高値圏での『はらみ足』には注意が必要。ただ、25日SMAが上向きとなっていることから、中期的な上昇トレンドは継続している。NY市場では利益確定売りに押される展開となっており、短期的には下落調整の域での動向となっている。イールドスプレッドから過熱感は残っており、今晩の動向が注目される。S&P500は、5日SMAと10日SMAを挟んでもみ合い相場となっており、方向感を欠く動きとなっている。NASDAQは、5日SMAと10日SMAを上回っており、短期的にも上昇基調は維持している。
3指数ともにストキャスティクスでは、高値圏から下向きとなってきており上値が重くなってきていることや、買われ過ぎ過熱感が出ている。米国株価指数は小幅にもみ合い相場となっており、方向感を欠いた動きとなっている。イールドスプレッドでは割高感が残っていることから、調整的な動きは継続する可能性もある。
2011年4月21日以降のイールドスプレッドの平均値のNYダウ:4.227%、S&P500:3.465%、ナスダック:1.937%も下落時の節目となりやすい。
※毎日イールドスプレッドを掲載していきますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
---|---|---|---|---|---|---|
« 1月 | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 | 31 |