★エルドアン・トルコ大統領とトランプ米大統領の関係回復とはなっていないが、トルコが拘留している米人牧師の早期釈放期待の高まりがリラを支持している。また、一部報道によるとアリババなどの大手中国企業がトルコ企業買収に積極的であると伝わったこともトルコリラの買い材料となっている。
トルコリラ/円のボリンジャーバンド(パラメータ:21、±1、±2σ、±3σ)日足では、プラス2σがレジスタンスとなっている。一方で、プラス1σがサポートとなり戻り基調が継続している。バンド幅の伸縮を示現するボリンジャー%B(パラメータ:21、3、5)は、底値近辺からボリンジャー%Bがシグナルをわずかに上抜けしてきており、±3σのバンド幅が拡張してきていることを示している。そのため、緩やかながらも戻り基調が継続していることを示している。
また、一目均衡表の雲の下限がレジスタンスとして意識されていたが、昨日から雲の中に入り込んだ。そのため、雲の下限がサポートとして意識されやすくなる。トルコリラ/円は、6月下旬から7月にかけて雲の下限を上抜け出来ずにもみ合い後、大きな下落となった。そのため、雲の下限上抜けは大きな意味がある。
今後はプラス2σを上抜けするのか、それともプラス1σを下抜けするのかが注目点となる。8月30日安値と9月13日安値を結ぶトレンドラインを下抜けるまでは戻り基調が継続しやすい。
★欧州市場朝方の取引では、欧州株が全面安で推移、日経先物も小幅続落となる中、ドルと円が反発、クロス円が下値を広げた。その後、欧州株が下げ幅を縮小、米長期金利も持ち直したことを背景にドルは下げ渋り地合いが継続した。また、112.50円レベルではドルの押し目買いが厚いとの観測もあった。
米8月耐久財受注(速報)は前月比+4.5%となり、事前予想の前月比+2.0%を上回り、米4-6月期コアPCE(確報)が前期比+2.1%となり、事前予想の前期比+2.0%を上回った一方、9月22日週の新規失業保険申請件数が21.4万件と事前予想の21万件を上回り米雇用情勢改善一服にドル/円は112.95円近辺へ一段高となった。ただ、米経済指標発表後、一時112.90円台を割り込むも、マーケットのドル買い意欲は強く、また、買い戻しの動きもあり113円台へ上昇した。米長期金利の上昇や米国株高に伴う買いが入りドル買い・円売りが継続した。ドル/円は買い意欲が強まり113.46円と年初来高値を更新した。その後は、米国株・米長期金利の上げ幅縮小の動きを眺めながら、ドル/円の上昇も一段落した。
★欧米主要経済指標
・独・9月消費者物価指数速報値:前年比+2.3%(予想:+2.0%、8月:+2.0%)
・ユーロ圏・9月景況感指数:110.9(予想:111.2、8月:111.6)
・米・8月耐久財受注速報値:前月比+4.5%(予想:+2.0%、7月:-1.2%←-1.7%)
・米・8月耐久財受注(輸送用機除く):前月比+0.1%(予想:+0.4%、7月:+0.2%←+0.1%)
・米・8月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防):前月比+0.1%(予想:+0.5%、7月:+1.1%←+1.0%)
・米・4-6月期GDP確定値:前期比年率+4.2%(予想:+4.2%、改定値:+4.2%)
・米・4-6月期個人消費確定値:前期比年率+3.8%(予想:+3.8%、改定値:+3.8%)
・米・8月卸売在庫速報値:前月比+0.8%(予想:+0.3%、7月:+0.6%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:21.4万件(予想:21.0万件、前回:20.2万件←20.1万件)
・米・失業保険継続受給者数:166.1万人(予想:167.8万人、前回:164.5万人)
・米・8月中古住宅販売成約指数:前月比-1.8%(予想:-0.5%、7月:-0.8%←-0.7%)
★欧米市場のポイント
・112.53-113.46円のレンジ相場
・ドル/円は年初来高値を更新
・米経済指標は概ね良好な結果
・米国株、米長期金利上昇を好感
・四半期末を控えた実需筋のドル買い
★南アランド/円の日足では、戻り基調が継続しているが75日線(緑線)7.9649円がレジスタンスとして意識され上値を抑えられている。一方で、下値では5日線(赤線)7.8990円がサポートとして意識され下値支持線となっている。
記憶に新しいところでは、7月17日や7月31日に75日線がレジスタンスとなり、上値を抑えられた。その後は、上値の重さを嫌って下落基調となった。
ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)は、%K:91.84、%D:90.50とかなり買われ過ぎ過熱感がでていることから、短期的には何時下落調整しても不思議ではない。
8月28日高値7.975円がダブルボトムのネックラインとなっており、利益確定売りが入りやすいことも上値を重くしている。
ネックラインを上抜けできるような好材料が出てくるかが今後の焦点となる。
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