FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

2022/06/21/07:24:37

米国市場はジューンティーンス独立記念日振替で休場

株式市場、NY原油先物市場、NY金先物市場、米国債券市場は休場

 

NY外国為替市場:NY市場休場のため大きな方向感は出なかった

ドル/円は、黒田東彦日銀総裁が岸田文雄首相との会談後に、『急速な円安の進行は企業の経営計画に不確実性をもたらし好ましくないと申し上げた』と明らかにしたうえで、『為替市場の動向に注視し、政府と連携し適切に対応していく』と発言すると、一時134.50円と日通し安値を付けたものの、売り一巡後はじりじりと下値を切り上げた。日米金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ドル買いは根強く、一時135.14円付近まで持ち直した。もっとも、NY市場に限れば狭いレンジ取引に終始した。米国市場がジューンティーンス独立記念日の振替休日で休場となったため、市場参加者が減少し大きな方向感は出なかった。 

 

ユーロ/ドルは、欧州市場ではセンテノ・ポルトガル中銀総裁やカザークス・ラトビア中銀総裁の発言を受けてユーロ買いが目立ったものの、NY市場に入ると伸び悩み、一時1.0498ドル付近まで下押しする場面があった。なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は『7月に0.25%の利上げを実施し、中期的なインフレ見通し次第では9月により大きな利上げ幅が適切になる』との見解を改めて示したほか、『ユーロ加盟国間の借入コストの格差に言及し、金融分断のリスクを未然に防ぐ必要がある』と述べたが、ECBの分断化防止策の仕組みや適用の条件などについて具体的な内容は明らかにしなかった。 

 

仏国民議会選挙ではマクロン大統領続投も議会運営は前途多難

19日に行われたフランス国民議会選挙の決選投票では、マクロン大統領を支持する中道の統一会派アンサンブルの獲得議席が過半数に届かなかった。反マクロンを掲げて選挙戦を戦った左派の統一会派『新人民環境社会連合(NUPES)』とルペン氏が率いる極右政党・国民連合が大きく議席を伸ばした。アンサンブルは共和党の連立参加や閣外協力を求めるとみられるが、共和党は今のところ協力を否定している。共和党の協力を求めることで、マクロン大統領の二期目の政権運営は右傾化が予想される。共和党の協力が得られない場合、法案毎に異なる政党の支持を求める不安定な議会運営を余儀なくされる。物価高騰による生活苦が解消されたタイミングや大統領の支持が回復したタイミングで、議会の解散・総選挙に打って出る可能性もある。フランスの政治安定は崩れ、マクロン改革の推進力低下が避けられない。

 

ECBの債券スプレッド制限策:ユーロ相場に影響

欧州では前週16日、ラガルドECB総裁がユーロ圏の各国財務相に対し、域内の比較的財政の弱い国の借り入れコストが過度に上昇したり、上昇が急だったりする場合には、ECBの新たな危機対策ツールが稼働すると語った(ブルームバーグ)。債券スプレッドが一定の水準を上回って拡大する場合や、相場の動きが一定の速度を超える場合には、この新ツールが発動する可能性があるという。インフレ懸念などによるイタリア国債の金利急上昇(債券価格は急落)と、ドイツ国債などとのスプレッド(金利差)拡大に対処したものだ。7月21日のECB理事会に向けて準備を進めるとされるが、今後の実効性や具体化で期待が高まるとユーロ高、即効性や効果に疑念が生じるとユーロ安の要因となり得る。

 

四半期末のポートフォリオ調整や期末の特殊需給焦点

今週は内外の市場で6月30日にかけて、4-6月期の四半期末を迎える。期末要因として、各種機関投資家によるポートフォリオ調整や欧米市場などでの特殊需給が焦点になる。現在の4-6月期は米国債市場で、金利上昇と債券価格の下落が加速されてきた(時価ベースで保有の米債が目減りの投資家も)。期末調整により、基準の資産構成比率に対して下振れとなった米債の『買い足し』が見られると、米債価格の上昇と米債金利の低下、ドル安の要因となる。同時に今期は日米ともに株価が大幅安なっている。ポートフォリオのリバランス調整などにより、日米株ともに『買い足し』が発生すると、日米株は短期的に上昇する。為替相場では安全逃避通貨であるドルが全般的に売られ、対ドルで欧州通貨や資源国通貨、新興国通貨が上昇。クロス円取引でもリスク選好により、対円でこうした通貨が上昇となる可能性もある。期末の特殊需給については世界的に信用不安や債務不安、資源高が意識されるなか、ドル資金の確保や資源決済に向けたドル調達の需要増加が注視される。

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2022/06/20/03:01:53

米国株式市場はまちまち:トリプルウィッチングを巡る取引で上下に振れる展開

NYダウは38.29ドル安の29888.78ドル、ナスダックは152.25ポイント高の10798.35ポイントで取引を終了した。連日の下げで行き過ぎ感からの買戻しに、寄り付き後は上昇した。金利が再び上昇したことや原油価格の下落が警戒され重しとなったほか、連休を控えた調整や株価指数先物、オプション、個別株オプションの3つのデリバティブ取引の決済が重なるトリプルウィッチングを巡るテクニカルな取引に終日上下に振れ、NYダウは小幅安で終了した。ハイテクは前日に約1年9カ月ぶりの安値を付けたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。VIX指数は32.95から31.13へ低下した。

 

NY外国為替市場:日米金融政策の方向性の違いを意識した円売り

ドル/円は、米10年債利回りが3.3110%前後まで上昇したことをきっかけに全般ドル買いが先行し、一時135.42円まで上値を伸ばした。日銀が大規模緩和を継続する方針を決めたことで、日米金融政策の方向性の違いを意識した円売り・ドル買いも出やすかった。ただ、15日に付けた約24年ぶりの高値135.59円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米国の3連休を控えた週末とあって、積極的にポジションを一方向に傾けづらい面もあったようだ。なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁 は『7月会合で0.75%の利上げを支持する可能性』と述べたほか、『7月会合後は物価抑制まで0.50%の利上げを継続することが賢明』との考えを示した。一方、ジョージ米カンザスティ連銀総裁は今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げに反対した理由について『大幅利上げがバランスシートの縮小開始と重なれば、政策の不確実性が増大すると考えた』と説明した。 

 

ユーロ/ドルは、欧州債利回りが低下した一方、米国債利回りが上昇したため、欧米金利差の拡大を意識したユーロ売り・ドル買いが出でて、一時1.0445ドルと日通し安値を更新した。ただ、引けにかけては週末を控えたポジション調整目的の買いが入り、1.0503ドル付近まで下げ渋った。

 

NY原油先物市場は大幅に反落:世界経済の減速を警戒した売り

NY原油先物市場は106.40ドル-116.58ドルのレンジ相場となった。各国中銀による利上げが世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念から売りが優勢になった。外国為替市場でのドル高もドル建てで取引される原油にとっては売り材料となった。 ロンドン市場の中盤にかけて116.58ドルまで買われたが、ドル安が一服したことや、世界経済の減速が警戒されたことで供給不安は後退し、通常取引終了後の時間外取引で一時106.40ドルまで下落した。

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反落:連休控え利益確定売り優勢

NY金先物市場は1836.10-1961.50ドルのレンジ相場となった。米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げにより、米景気減速懸念が高まるとの見方から安全資産とされる金には買いが入る場面があった。ただ、米国の3連休を前にこの日は利益確定の売りが優勢となった。アジア市場の序盤で1861.50ドルまで買われたが、ドル売りが縮小したことから、安全逃避の金買いは一巡した。ロンドン市場では1850ドルを挟んだ水準で推移したが、主要通貨に対してドルは反発したことから、ニューヨーク市場で金先物は弱含み、通常取引終了後の時間外取引で1836.10ドルまで売られた。

 

米国債券市場は下落:FRBの積極的な金融引き締めを嫌気した売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは下落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.08%高い3.18%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.03%高い3.22%で終了した。高インフレ抑制のため米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方から債券売りが出た。ただ、3連休を控えて一方的に下落する展開にはならなかった。 

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2022/06/17/07:30:39

米国株式市場は大幅下落:米FRBの大幅利上げによる景気後退懸念

NYダウは741.46ドル安の29927.07ドル、ナスダックは453.05ポイント安の10464.10ポイントで取引を終了した。住宅、製造業、雇用関連指標の軒並み予想を下回る低調な結果に失望した売りに、寄り付き後は大幅下落した。連邦準備制度理事会(FRB)の大幅利上げによる景気後退懸念も強まり、一段の売りに繋がった。終日軟調に推移し、NYダウは20年12月来の約1年半ぶりの安値となった。世界中で積極的な利上げが進む中、世界経済の急速な冷え込みを警戒した投資家のリスク回避の株売りが広がった。VIX指数は29.62から32.95へ上昇した。

 

NY外国為替市場:世界経済減速懸念によるリスク回避の円買い・ドル売り

ドル/円は、前日の米連邦準備理事会(FRB)に続き、本日はスイス国立銀行(SNB)や英中銀(BOE)が利上げを決定した。世界中で積極的な利上げが進む中、世界経済の急速な冷え込みを警戒した投資家のリスク回避目的の円買い・ドル売りが優勢となった。スイスフランやポンドなど欧州通貨に対してドル安が進んだ影響も受けた。
6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や5月米住宅着工件数、前週分の米新規失業保険申請件数など、この日発表の米経済指標が軒並み低調だったこともドル売り要因となった。一時は3.4910%前後まで急伸した米10年債利回りが3.17%台まで急速に低下したこともドル売りを促し、一時131.46円まで値を下げた。市場では『世界的な金融引き締め加速で、日銀がイールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)を一部修正するとの思惑が浮上している』『SNBのサプライズ利上げのように、日銀も政策修正のサプライズがあるかもしれない』との声も聞かれた。 

 

ユーロ/ドルは、スイスフランやポンドに対してドル安が進むと、ユーロに対してもドル売りが先行した。米長期金利が低下に転じたこともユーロ買い・ドル売りを促し、前日の高値1.0508ドルを上抜けて一時1.0601ドルまで上値を伸ばした。市場では『注目イベントであった米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過した安心感からポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った』との指摘もあった。なお、ドルスイスフランは一時0.9632スイスフランまで大幅に下落したほか、ポンド/ドルは1.2406ドルまで上昇した。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.42まで低下した。

 

NY原油先物市場は3営業日ぶりに反発:供給不安根強く買い戻し

NY原油先物市場は110.43ドル-115.73ドルのレンジ相場となった。世界各国の金融引き締め策を受けて株式市場が崩れたため、原油にも売りが観測されて一時112.31ドルまで下落した。ただ、世界的な需給ひっ迫懸念が根強いなかで一巡後は買い戻しが優勢となった。 ニューヨーク市場の中盤にかけて110.43ドルまで売られたが、主要通貨に対するドル安が進行したことや米国がイランに対する新たな制裁措置を発表したことを受けて供給不安が再燃し、原油先物を買い戻す動きが活発となった。通常取引終了後の時間外取引で一時115.73ドルまで買われている。

 

NY金先物市場は続伸:リスク回避とドル安を好感した買い優勢

NY金先物市場は1816.30-1858.00ドルのレンジ相場となった。スイス中銀や英中銀など世界各国の中銀が金融引き締めに動いたことで株式市場が下落し、安全資産としての金需要が高まった。外国為替市場でのドル売りで金の割高感が後退したことも支えとなった。ロンドン市場で1816.30ドルまで下げたが、主要通貨に対するドル安進行を受けて反転した。ニューヨーク市場では米長期金利の続落や株安を意識した買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で1858.00ドルまで上昇した。

 

米国債券市場は続伸:世界経済への減速警戒感から買い優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続伸(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.11%低い(価格は上昇)3.10%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.09%低い3.19%で終了した。世界中で積極的な利上げが進む中、世界経済の急速な冷え込みが警戒されて、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。米国株の大幅下落も債券買いを誘った。 

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2022/06/16/07:55:32

米国株式市場は上昇:インフレ対応でFRBの信頼を取り戻し買い優勢

NYダウは303.70ドル高の30668.53ドル、ナスダックは270.81ポイント高の11099.16ポイントで終了した。6月小売売上高やニューヨーク連銀製造業景気指数が予想外のマイナスに落ち込み金利が低下したため、ハイテク中心に買われ寄り付き後は上昇した。米連邦準備制度理事会(FRB)が市場の思惑通り連邦公開市場委員会(FOMC)で1994年以降最大となる0.75%の追加利上げを決定し、インフレ抑制に努める強い姿勢を見せると一段と買いが広がった。FRBの金利見通しも市場予想との大きな乖離を縮小し、投資家はインフレ対応でFRBへの信頼を取り戻し終日堅調推移を維持した。パウエル議長が0.75%の利上げが異例であることを強調し、金利がさらに低下するとハイテクの買いも強まった。VIX指数は32.69から29.62へ低下した。

 

NY外国為替市場:FOMC後に米長期金利低下でドル売り

ドル/円は、米連邦準備理事会(FRB)は14-15日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FF金利の誘導目標を1.50-1.75%に引き上げることを決定した。通常の3倍となる0.75%の大幅利上げは1994年11月以来27年半ぶりとなった。歴史的な高インフレの抑制へ、異例の大幅利上げに踏み切った。声明文には『委員会はインフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている』との文言を追加し、インフレ抑制への本気度を強調した。また、FF金利見通しでは2022年末時点の中央値が前回3月の1.9%から3.4%に大幅に引き上げられた。FOMC結果公表直後は短期金利市場で次回7月会合での0.75%利上げがほぼ織り込まれ、米金利上昇とドル高が進行。ドル/円は134.91円付近まで値を上げた。ただ、パウエルFRB議長がFOMC後の会見で『0.75%の利上げが一般的になるとは予想しない』『7月会合では0.50%か0.75%の利上げが選択肢となる公算』と発言すると、一転して米金利低下とドル安が進み一時133.48円と日通し安値を付けた。市場では『パウエルFRB議長の発言は警戒したほど今後の大幅利上げに前向きではなかった』と受け止められた。米10年債利回りはFOMC直後に付けた3.44%台から3.27%台まで急低下した。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)はこの日、イタリアなどの南欧諸国の国債利回りが足もとで急上昇したことを受けて、臨時の理事会を開き、金融政策の伝達メカニズムの機能を維持するためパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で購入した債券の満期償還金再投資に柔軟性を適用する方針を表明した。この結果を受けて欧州債利回りが大幅に低下すると全般ユーロ売りが優勢となった。FOMC公表直後はドル高が進んだこともあり、一時1.0359ドルと5月13日以来約1カ月ぶりの安値を付ける場面があった。ただ、パウエルFRB議長の発言後に米金利低下とドル安が進むと、1.0470ドル付近まで持ち直している。

 

NY原油先物市場は大幅続落:需要見通しの不透明感強まる

NY原油先物市場は114.60ドル-119.61ドルのレンジ相場となった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間在庫統計で原油在庫が減少予想に反して積み増しとなったことで需給関係の緩みを意識した売りが強まった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が大幅利上げを発表すると一時114.60ドルまで下落する場面があった。アジア市場で119.61ドルまで戻したが、ニューヨーク市場の中盤にかけて116ドル台前半まで反落。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果判明後に118ドル台に戻したが、需要見通しの不透明感は消えていないことから、売りが再び強まり、通常取引終了後の時間外取引で一時114.60ドルまで一段安となった。 

 

NY金先物市場は3営業日ぶりに反発:時間外鳥域で上げ幅拡大

NY金先物市場は1808.40-1845.40ドルのレンジ相場となった。米中長期金利が大幅に低下したことで金利が付かない資産である金には買いが入った。その後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に調整売りが出たが、取引終了後にFOMCは0.75%の利上げを発表し、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が次回会合での大幅利上げに慎重姿勢を示すと、米金利が一段と低下した。金は買いが優勢となり、一時1845.4ドルまで買い上げられた。アジア市場の序盤に1808.40ドルまで売られたが、ドル高一服を受けて反転した。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果判明前までは上げ渋っていたが、結果判明後に長期金利が大幅に低下したことから、一時1845.40ドルまで戻した。通常取引終了後の時間外取引では主に1830ドル台で推移した。

 

米国債券市場は大幅反発:過度な金融引き締めに対する警戒が後退

米国債券市場で中長期ゾーンは大幅反発(利回りは低下)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.20%低い(価格は上昇)3.21%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.19%低い3.28%で終了した。米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍にあたる0.75%の利上げが決まると売りが強まる場面もあったが、パウエルFRB議長が会見で『0.75%の利上げが一般的になるとは予想しない』と発言すると一転買い戻しが優勢となった。市場では『警戒していたほどFRBが急激な金融引き締めを続けることに前向きではない』と受け止められたようだ。 

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2022/06/15/07:34:59

米国株式市場はまちまち:米金融引き締め加速との思惑から売り優勢

NYダウは151.91ドル安の30364.83ドル、ナスダックは19.12ポイント高の10838.35ポイントで取引は終了した。ソフトウエアメーカー、オラクル(ORCL)や運送会社フェデックス(FDX)の株価上昇を受け投資家心理が改善し、寄り付き後は上昇した。しかし、5月生産者物価指数(PPI)が消費者物価指数(CPI)に続き大幅な伸びに留まったため、連邦準備制度理事会(FRB)の6月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%の利上げが市場にほぼ織り込まれると金利の上昇に伴い売りが加速し、主要株式指数は下落に転じた。NYダウは終日軟調に推移した。引けにかけては、足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入り、ハイテクが持ち直しナスダック総合指数は小幅高で終了した。VIX指数は34.02から32.69へ低下した。

 

NY外国為替市場:米国の大幅利上げを織り込むドル高進行

ドル/円は、明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げを織り込む格好で米金利上昇とドル高が進行した。米10年債利回りが一時3.4965%前後と2011年4月以来の高水準を付けると全般ドル買いが活発化した。前日の高値135.19円を上抜けると上昇に弾みが付き、一時135.47円と1998年以来約24年ぶりの高値を更新した。米連邦準備理事会(FRB)が14-15日に開くFOMCでは0.50%の利上げが予想されていたが、前週末発表の5月米消費者物価指数(CPI)の結果を受けて市場では0.75%の利上げを予想する声が増加。米ウォールストリート・ジャーナルのFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス氏の記事をきっかけに、米JPモルガン・チェースのエコノミストなどは予想を0.75%利上げに修正している。 

 

ユーロ/ドルは、『明日のFOMCでは通常の3倍となる0.75%の利上げが実施される』との観測が広がる中、全般ドル買いが先行し、一時1.0400ドル付近まで値を下げた。ただ、ユーロ/豪ドルやユーロ/ポンドなどユーロクロスが上昇した影響で、下押しは限定的だった。アジア時間に付けた日通し安値1.0397ドルが目先サポートとして意識された面もあった。

 

ポンド/ドルは軟調となり、一時1.1934ドルと20年3月以来約2年3カ月ぶりの安値を更新した。昨日発表の4月英国内総生産(GDP)が2カ月連続のマイナス成長を記録するなど、英経済指標の悪化を理由にポンド売りが先行した。英政府が前日にEU離脱の際に決められた『北アイルランド議定書』の一部について、一方的に変更する法案を議会に提出したこともポンド売りを誘った。

 

NY原油先物市場は反落:米株安や米長期金利の上昇を嫌気

NY原油先物市場は116.62ドル-123.68ドルのレンジ相場となった。石油輸出国機構(OPEC)月報で産油量が減少したことが伝わると買いが先行し、一時123.68ドルまで上昇した。ただ、米利上げに伴う景気後退懸念から需要減を見越した売りが強まると一転下落した。ニューヨーク市場の中盤にかけて123.68ドルまで買われたが、株安や米長期金利の上昇を嫌気した売りが再び強まり、需要見通しの不透明感は消えていないことから、通常取引終了後の時間外取引で一時116.62ドルまで下落した。 

 

NY金先物市場は続落:米長期金利上昇で換金売り優勢

NY金先物市場は1806.10-1833.30ドルのレンジ相場となった。米長期金利の大幅上昇に伴って外国為替市場でドル買いが強まると、ドル建てで取引される金は売りが広がった。米長期金利の大幅な上昇を受けて換金目的の金売りは続いている。アジア市場の終盤に1833.30ドルまで戻したが、その後はじり安となり、ニューヨーク市場で下げ幅は拡大。通常取引終了後の時間外取引で1806.10ドルまで売られている。

 

米国債券市場は続落:FOMCで大幅な利上げするとの思惑から売り優勢

米国債券市場で中長期ゾーンは続落(利回りは上昇)した。米2年物国債利回りは前営業日比0.06%高い(価格は下落)3.41%で終了した。また、米10年物国債利回りは前営業日比0.11%高い3.47%で終了した。『明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では通常の3倍となる0.75%の利上げが実施される』との観測が広がる中、債券への売りが続いた。利回りは一時3.4965%前後と2011年4月以来の高水準を付けた。米紙WSJの『FRBは0.75%の利上げを検討する可能性』との記事は『FRBが同紙を通じて市場とコミュニケーションをとった』と解釈されている。 

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