FITS エコノミックレポート

イールドスプレッドで4月27日の米国株市場を先取り!

 

NY株式市場では、三指数は全て上昇する展開となったうえ、米長期金利がほぼ横ばいだったことで、イールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して前日比で米国株は割高)した。米国4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想外に上方修正されるなど経済指標が警戒されたほど落ち込まなかったほか、一部の州での経済再開を期待し買い先行となった。また、今週前半に急落した原油先物相場が続伸したことで投資家心理が改善し、買いが優勢となった。今週も、13月期の米企業決算発表も多くあり、今後も内容次第では乱高下しやすいので注意が必要となる。

 

今回のリスク回避の動きは新型コロナウイルスの感染拡大や原油急落にある。そのため、利下げや量的緩和、財政政策などを実施しても市場の不安は一時的なものになりやすい。まずは、感染拡大が縮小することや新型コロナウイルスのワクチンが開発されるなど、終息の方向が出るまでは不安定な市場が続く。また、景気後退は避けられないほか、どの程度速やかに救済資金が消費者や企業に供給されるかなどに不透明感もあるため、一方的な戻りにもなり難い。VIX指数は41.38から35.93へ低下した。VIX指数が再び低下してきていることから、リスク回避の動きがやや弱まってきている。ただ、未だにVIX指数が高水準で推移していることから、しばらくはボラタイルな動きが続きやすい。今後の米経済指標は悪化の一途となることから、経済指標発表時の動きには注意が必要となる。

 

NYダウは、5SMA23,487ドルと10SMA23,606ドルがレジスタンスとして意識されていたが、上抜けに成功した。ただ、上値では212日高値29,569ドルと323日安値18,214ドルの半値戻し23,891ドルもレジスタンスとなっており、半値戻しが意識されている。現在は、リスク回避の動きが根強くネガティブな材料に強く反応しやすい地合いとなっている。一方、好材料が出てくると、割安感が残っているだけに一気に上昇基調となり上下に大きく振れやすい地合いが継続している。

 

NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P5003.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。一方で割安の目安では、イールドスプレッドがNYダウ:4.0%台、S&P5003.8%~4.0%台、NASDAQ2.3%~2.5%台で割安感からの反発となりやすい。割安感となるイールドスプレッドを大幅に上回っていることから、相場が落ち着くと戻りも大きくなりやすい。

 

★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。

そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。

 

10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.599%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048

                20/01/17‐▲3.018

NYダウが割高・米国10年債割安の状態)

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%19/8/5-▲4.102%、

               20/2/28-▲4.541%20/3/23-6.017%

NYダウが割安・米国10年債割高の状態)

423日:▲4.44424日:予想▲3.992

 

4月24日のNYダウが続伸したうえ、米長期金利がほぼ横ばいとなったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲4.599%から▲0.607%と平均値よりかい離していることで割高になっている。19年1月3日の大底▲4.226%から▲0.234%下回った。19年8月5日の大底▲4.102%を▲0.110%下回った。20年2月28日の大底▲4.541%から▲0.549%下回った。20年3月23日の6.017%から▲2.025%下回った。米国4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が予想外に上方修正されるなど経済指標が警戒されたほど落ち込まなかったほか、一部の州での経済再開を期待し買い先行となった。また、今週前半に急落した原油先物相場が続伸したことで投資家心理が改善し、買いが優勢となった。市場では『来週に決算発表を控える主力の大型ハイテク株が業績期待から買われ、相場をけん引した』との声も聞かれ、一時310ドル超上げた。もっとも、新型旅客機『737MAX』の運航再開承認が遅れるとの見通しが報じられたボーイングが大幅に下落したことで、NYダウは下げに転じる場面があった。VIX指数は41.38から35.93へ低下した。

 

10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.961%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%

               20/01/17-▲2.990%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%19/8/5-▲4.002%

                19/8/15-▲4.179%20/2/28-4.499

               20/3/23-▲6.222%

423日:▲4.055424日予想▲3.989

 

S&P500は上昇したうえ、米長期金利がほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲3.961%から+0.028%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲3.869%を+0.120%上回った。また、19年8月5日の大底となった▲4.002%を▲0.013%下回った。19年8月15日の▲4.179%を▲0.190%下回った。20年2月28日の大底▲4.499%から▲0.510%下回った。20年3月23日の6.222%から▲2.233%下回った。

 

10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.597%

・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%

・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%19/8/15-▲2.383%

              19/8/15-▲2.498%、 20/3/16-▲4.094

423日:▲2.755424日予想▲2.700

 

NASDAQは上昇したうえ、米長期金利もほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは前日比で大幅縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。平均値の▲2.597%から+0.103%とかい離が逆転していることで割安になっている。また、19年1月3日の大底となった▲2.179%に対しては+0.521%上回った。19年8月5日の大底となった▲2.383%に対して+0.311%上回った。19年8月15日の大底となった▲2.498%に対して+0.202%上回った。20年2月28日の大底2.803%から▲0.103%下回った。20年3月16日の▲4.094%から▲1.394%下回った。

 

NASDAQが上昇したうえ、米長期金利がほぼ横ばいだったことでイールドスプレッドは縮小(米国10年債金利に対して米国株は割高)した。過去のイールドスプレッド上回っていることで、割安感は残っている。しかし、以前ほどの割安感は払拭されてきている。新型コロナウイルスの感染などのポジティブな報道があると、引き続き急速な戻り基調となりやすい。

 

三指数のイールドスプレッドは、三指数がまちまちの動きとなったものの、米長期金利が低下したことで三指数は前日比で小幅拡大した。原油価格の反発や日銀が追加緩和を検討しているとの報道を好感し、買い先行で始まった。ただ、米医薬大手ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス治療薬候補『レムデシビル』の臨床試験の結果が失敗だったと伝わると、急速に伸び悩んだ。引き続き新型コロナウイルス感染報道や米中貿易交渉、中東情勢、英国のブレグジットなどの報道で市場は上下に振れやすい状況が続いている。引き続き米国企業の1-3月期決算結果への警戒感も強いため、決算内容次第で上下に振れやすいので注意が必要となる。

 

PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。

 

毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。

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