★NY株式市場では、三指数とも下落したうえ、米長期金利も低下したことで、イールドスプレッドは三指数ともに拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。三過3指数ともに高水準で推移していたものの、米長期金利が以前に比べて低下していたことで過熱感が抑えられている。しかし、このところの米長期金利上昇によって、過熱感が出始めてきている。また、米長期金利は1.8%台に再び上昇しており、今後米長期金利が低下するのか、上昇するのか重要なポイントとなる。
NYダウは低下したが、10日SMAの27,894ドルがサポートラインとして意識され下げ止まった。ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、5、3、20、80)でも、%DがSlow%Dを上抜けしたことで再び上昇基調に戻る兆しとなっている。そのため、テクニカル的には、下落基調から、一転して上昇基調を維持している。。今後も長期金利の動向次第で米国株の割高・割安感が意識されるようになる。NYダウの割高の目安は3.00%近辺、S&P500は3.00%割れ、ナスダックは1.5%以下が昨年からの割高の目安となっている。割高になると米国株を売って、安全資産である債券などに資金がシフトされやすくなり、米国株の下落調整しやすい地合いとなる。一方で過剰に売り込まれるようなら、米長期金利の低下にともなって一気に割安感が出る。
★米国市場のイールドスプレッドは、米国債金利と米国株益利回りを比較する指標である。株式市場は国債市場よりリスクが高いことから、株式市場に割高感が生じ国債市場に割安感が生じれば、投機筋は株式を売って国債を買う。また、国債市場に割高感が生じ株式市場に割安感が生じれば、国債を売却して株式を買うことになる。
そのため、株式市場の天底を探るひとつの参考指標となる。
○米10年国債金利とNYダウ:2011/4/21以降の平均▲4.225%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲3.069%、19/4/25-▲3.048%
(NYダウが割高・米国10年債割安の状態)
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲4.226%、19/6/3-▲4.038%、
19/8/5-▲4.102%
(NYダウが割安・米国10年債割高の状態)
・12月6日:▲3.296%⇒12月9日予想▲3.336%
12月9日のNYダウは下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲4.225%から▲0.889%と平均値よりかい離していることで割高になっている。18年12月3日の天井▲3.069%まで▲0.267%に接近してきた。19年4月25日の天井3.048%まで▲0.288%に接近してきた。
NYダウが下落したことで株式益利回りは上昇した。さらに、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは前日比で拡大した。米国債券に対してNYダウが前日比で割安となった。前日比では米国債を買うよりもNYダウを買う方が良いことになる。前週末に良好な米雇用統計を受けて大幅上昇したことから、利益確定目的の売りが優勢となった。アップルやボーイング、ゴールドマン・サックスなどの下げが指数の重石となった。半面、ホーム・デポやIBMなどが買われ相場を下支えした。10-11日から始まるFOMC(連邦公開市場委員会)や、15日に期限を迎える米中追加関税措置の発動可否を見極めたいとの思惑から、全般様子見ムードが広がった。
○米10年国債金利とS&P500:11/4/21以降の平均▲3.560%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲2.731%、19/4/25-▲2.966%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲3.869%、19/6/3-▲3.881%、
19/8/5-▲4.002%、19/8月15日-4.179%
・12月6日:▲3.254%⇒12月9日予想▲3.254%
S&P500が下落した一方で、米長期金利も上昇したことでイールドスプレッドは前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲3.560%から▲0.306%とかい離していることで割高になっている。また、18年12月3日の天井となった▲2.731%まで▲0.523%に接近した。19年4月25日の天井となった2.966%まで▲0.288%に接近した。
○米10年国債金利とNASDAQ:11/4/21以降の平均▲2.080%
・直近イールドスプレッド縮小:18/12/3-▲1.198%、19/4/25-1.468%
・直近イールドスプレッド拡大:19/1/3-▲2.179%、19/6/3-▲2.328%、
19/8/5-▲2.383%、 19/8/15-▲2.498%
・12月6日:▲1.721%⇒12月9日予想▲1.757%
NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドが前日比で拡大(米国10年債金利に対して米国株は割安)した。平均値の▲2.080%から▲0.323%と平均値より縮小した。また、18年12月3日の天井となった▲1.198%まで▲0.559%に接近した。19年4月25日の天井となった▲1.468%まで▲0.289%に接近した。
NASDAQが下落したうえ、米長期金利も低下したことでイールドスプレッドは1.70%台半ばまで戻した。NASDAQはハイテク関連銘柄が多く米中貿易摩擦の影響が大きく、三指数の中で上下に振れるボラティリティが最も高くなっている。特に米中通商協議の行方に左右されやすく、報道に振れやすい地合いとなっている。
三指数のイールドスプレッドは、指数が下落したうえ、米長期金利も低下したことで三指数は拡大した。米国株は史上最高値近辺に推移しているうえ、米長期金利も1.80%台で推移していることから、やや割高感を感じるようになってきた。米長期金利がもう一段上昇すると、一気に米国株に割高感が出てくるので、今後の米長期金利の動向には注意が必要となる。
※PERの発表が時間的に遅行することから、前営業日の数値を使って当日終了時の予想を算定している。
※毎日イールドスプレッドを掲載していますので、米国株式市場の買われ過ぎ・売られ過ぎなど過熱感の目安としてください。
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