シティグループが算出しているエコノミック・サプライズ指数(びっくり指数)は、各種経済指標と事前予想との食い違い(かい離幅)を指数化し、ゼロ(予想通り)を挟んで、上下(プラス・マイナス)で示した指数である。雇用や生産などの各種経済指標が事前の市場予想と比べてどうだったかを指数化したもので、実績が予想を上回れば指数は上昇、逆に下回れば下落する仕組みとなっている。
この指数は市場の期待値に対して上回るものが多いのか、それとも下回るものが多いのかを示す指数である。市場の期待値に対して上回る指標が多ければ当然に株価や通貨が高くなりやすい。一方で、市場の期待値を下回り続けると、市場参加者が景気の先行き懸念が生じることから、遅行して株価や通貨などが下落しやすい。もともとシティグループが為替のストラテジーのために開発した指数である。
日米欧のエコノミックサプライズ指数では、7月2日現在日本は+21.3(赤線)、欧州▲4.6(緑線)、米国▲52.6の順番となっている。3通貨間では、日本円が買われやすくドルが売られやすい。急速に日本の景気指標が改善方向にあることで、今日の円高基調も説得力がある。一方、米国の公表される経済指標が悪化傾向にあることで、利下げの思惑が出やすく売られやすい。
経済指標の結果だけが為替の変動要因ではないが、結果的に一番強いファンダメンタルズの国の通貨が買われやすく、一番弱いファンダメンタルズの国の通貨が売られやすい。
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