FITS エコノミックレポート

★欧米市場朝方の取引では、前日のFOMC声明を受けたドル高の流れが持続したが、株価の下落を受け113.80円台に下押しした。なお、欧州株は全面安で取引開始した。世界的に株価が下落、米長期金利もやや反落となる中、リスク回避による円買いが持続し113.70円台に反落した。その後、欧州株の下落が一服すると、リスク回避による円買いが一巡した。一旦週末を前に積極的な動きは見られず、113.80円台で小動きとなった。

米10月PPI（生産者物価指数）が大幅に市場予想を上回り、潜在的インフレ圧力の上昇とFRBによる利上げ継続が改めて意識されドル買いが再燃した。ただ、約1ヵ月ぶりの高値114.09円がレジスタンスとして意識されるとドルは失速した。NYダウが下落したほか、米長期金利が低下したことも重石となった。NYダウが240ドル超下落し、米長期金利が3.18％台に低下したことで、113.61円近辺まで下押しした。その後、米国株の下落、米長期金利の低下を背景としたドル売りは一服するも、米国株が安値圏で軟調な動きが続いたこともあり、上値の重い展開だった。しかし、米国株が引け間際に下げ幅を縮小し、米長期金利も小幅上昇したことでドルの買い戻しが入った。

★欧米主要経済指標

・英・7-9月期GDP速報値：前年比+1.5％（予想：+1.5％、4-6月期：+1.2％）
・英・9月鉱工業生産：前月比0.0％（予想：-0.1％、8月：0.0％←+0.2％）
・英・9月製造業生産：前月比+0.2％（予想：+0.1％、8月：-0.1％←-0.2％）
・英・9月貿易収支：-97.31億ポンド（予想：-113.95億ポンド、8月：-117.24億ポンド←-111.95億ポンド）

・米・10月生産者物価指数（PPI）：前月比＋0.6％（予想：+0.2％、9月：+0.2％）
・米・10月生産者物価コア指数：前月比＋0.5％（予想：+0.2％、9月：+0.2％）
・米・10月生産者物価指数：前年比＋2.9％（予想：+2.5％、9月：+2.6％）
・米・10月生産者物価コア指数：前年比＋2.6％（予想：+2.3％、8月：+2.5％）
・米・11月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値：98.3（予想：98.0、10月：98.6）
・米・11月ミシガン大学1年期待インフレ率速報値：2.8％（10月：2.9％）
・米・11月ミシガン大学5-10年期待インフレ率速報値：2.6％（10月：2.4％）
・米・9月卸売在庫改定値：前月比＋0.4％（予想：+0.3％、速報値：+0.3％）
・米・9月卸売売上高改定値：前月比＋0.2％（予想：+0.4％、速報値：＋0.7％←+0.8％）

★欧米市場のポイント

･113.61-97円のレンジ相場

･英国のEU離脱交渉の早期妥結の見方後退

･イタリアとEUの対立激化への警戒感

･米10月PPIが市場予想上回る

･NYダウは一時300ドル超下落