FITS エコノミックレポート

★欧州市場序盤の取引では、米長期金利が2.44％近辺に上昇幅を広げたことを受け、ドルは対円を中心に堅調地合いを維持した。なお、欧州主要株価指数は小幅高となった。米長期金利が2.43％台まで上昇幅を拡大すると一時122.76円まで上昇した。欧州市場で米長期金利の上げ渋りで、ドル買いは縮小し、122円前半に値を下げた。ただ、欧米株高期待で円買いは抑制された。3月米雇用時計の発表を控えもみ合い商状となった。

米雇用統計が非農業部門雇用者数が市場予想を下回る一方、失業率、平均時給が市場予想を上回ったことでリスク志向の動きが意識された。米雇用統計の結果を受けて一段と上値を試す動きになった。米FRBが5月FOMCで50bpの利上げを実施するとの見方が強まりドル買いが加速した。2年債と10年債利回りが逆転し、景気後退入り懸念を強めた。さらに、ISM製造業が予想外に悪化したことが影響しドル買いは一服した。米長期金利が2.45％台から2.36％台まで上げ幅を大きく縮小したことで122円半ばに押し戻された。米長期金利の上げ幅縮小の動きに伴い、上値を切り下げる動きとなるも122円半ばで底堅い動きになった。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・3月消費者物価指数速報値：前年比+7.5％（予想：+6.7％、2月：+5.9％←+5.8％）
・ユーロ圏・3月消費者物価コア指数速報値：前年比+3.0％（予想：+3.1％、2月：+2.7％）
・独・3月製造業PMI改定値：56.9（予想：57.6、速報値：57.6）
・英・3月製造業PMI改定値：55.2（予想：55.5、速報値：55.5）

・米・3月失業率：3.6％（予想：3.7％、2月：3.8％）
・米・3月非農業部門雇用者数：＋43.1万人（予想：+49.0万人、2月：＋75万人←+67.8万人）
・米・3月平均時給：前年比＋5.6％（予想：+5.5％、2月：＋5.2←+5.1％）
・米・3月製造業PMI改定値：58.8（予想：58.5、速報値：58.5）
・米・2月建設支出：前月比＋0.5％（予想：+1.0％、1月：＋1.6％←+1.3％）

・米・3月ISM製造業景況指数：57.1（予想：59.0、2月：58.6）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は122.33-123.03円のレンジ

・3月ユーロ圏HICP速報値は前年比7.5％上昇

・米労働市場は引き続き回復しているとの見方

・5月米FOMCでは50bpの利上げはほぼ確実との見方

・3月米ISM製造業景気指数は予想を下回る結果

・2年債利回りが10年債利回りを上回る『逆イールド』

・VIX指数は20.56から19.63へ低下