FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、前日のNY市場で進行したドル安の動きが再開され、115.00円台割れにドルが再軟化した。なお、欧州主要株価指数は全面高で取引がスタートした。欧州勢参入後から米長期金利が1.76％台まで低下したことも重石となり、ドル売りの流れが継続した。米長期金利が1.75％台に低下を広げたことを受け続落となった。欧州市場では、欧州株式市場が上げ渋るほか、NYダウ先物も軟調地合いとなり、目先の株安を警戒した円買いが優勢になった。前日のFRB高官発言以降、過度な利上げ期待後退からドルの調整売りが目立った。

早期利上げへの過度な期待が後退するなか、米2年債利回りなどが低下した影響からドル売りの流れが継続した。1月27日安値の114.48円を前に下げ止まると、やや下げ渋る展開になった。売り一巡後は予想を上回る1月米製造業PMI改定値や1月米ISM製造業景気指数などが相場の下支えに下値を切り上げる展開になった。一時114.89円付近まで上昇したが、その後は114.80円付近でのもみ合いに転じるなどドル買いの勢いは長続きしなかった。米長期金利が1.78％台まで上昇幅が縮小すると、再び上値が重くなった。

★欧米主要経済指標

・独・1月失業率：5.1％（予想：5.2％、12月：5.2％）
・独・1月失業者数：-4.80万人（予想：-0.60万人、12月：-2.90万人←-2.30万人）
・独・1月製造業PMI改定値：59.8（予想：60.5、速報値：60.5）
・ユーロ圏・1月製造業PMI改定値：58.7（予想：59.0、速報値：59.0）
・ユーロ圏・12月失業率：7.0％（予想：7.1％、11月：7.1％←7.2％）
・英・1月製造業PMI改定値：57.3（予想：56.9、速報値：56.9）
・英・12月住宅ローン承認件数(中銀)：7.10万件（予想：6.60万件、11月：6.79万件←6.70万件）

・米・12月建設支出：前月比＋0.2％（予想：+0.6％、11月：＋0.6％←+0.4％）
・米・12月JOLT求人件数：1092.5万件（予想：1030.0万件、11月：1077.5万件←1056.2万件）
・米・1月ISM製造業景況指数：57.6（予想：57.5、12月：58.8←58.7）
・米・1月製造業PMI改定値：55.5（予想：55.0、速報値：55.0）

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は114.53-115.04円のレンジ

・ECBが金融政策の正常化に向けた論議を進めるとの見方

・前日にFRB高官が過度な利上げ観測をけん制で警戒が和らぐ

・仕入れ価格指数が市場予想を大幅に上回ったことから長期金利上昇

・米34州でコロナ入院患者が減少したとの統計を受け回復期待

・VIX指数は24.83から21.96へ低下