FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、米雇用統計を控えた模様眺めムードが強いことや、米長期金利が3.2％台で推移していることで下値も限定的となった。欧州株が全面安で推移する中、米長期金利の上昇と相まって、ドル/円以外ではドルが堅調推移となった。欧州市場中盤の取引では、米9月雇用統計の発表を控え、ドルは全般もみ合い商状となった。

雇用統計は大幅に市場予想を下回ったが、前月分が大きく上方修正された。さらに失業率は改善の低下、平均賃金は予想範囲内ながらも前月と同水準の底堅さを維持したことを受けドルが下落後反発した。ただ、アジア時間に付けた高値114.10円を上抜けることができず、米長期金利の上昇一服後に再び安値圏に押し戻される展開となった。上値の重さが嫌気され、ドルロングの利益確定売りが強まると113.60円台へ下落したが、押し目買い観測もあり底堅い展開となった。その後、NYダウが320ドル超の下落となり、リスク回避の円買いが優勢となった。リスク回避の円買いが一巡したほか、米長期金利が3.24％台で推移したことが支えになったが、戻りも限定的だった。

★欧米主要経済指標

・米・9月非農業部門雇用者数：+13.4万人（予想：+18.5万人、8月：+27.0万人←+20.1万人）
・米・9月平均時給：前年比+2.8％（予想：+2.8％、8月：+2.9％）
・米・9月失業率：3.7％（予想：3.8％、8月：3.9％）
・米・8月貿易収支：-532億ドル（予想：-536億ドル、7月：-500億ドル←-501億ドル）
・米・8月消費者信用残高：＋200.78億ドル（予想：+150億ドル、7月：＋165.97億ドル←+166.4億ドル）
・カナダ・9月失業率：5.9％（予想：5.9％、8月：6.0％）
・カナダ・9月雇用者数増減：+6.33万人（予想：+2.5万人、8月：-5.16万人）
・カナダ・8月貿易収支：+5.3億加ドル（予想：-5億加ドル、7月：-1.9億加ドル←-1.1億加ドル）

★欧米市場のポイント

･113.53-114.07円のレンジ相場

･米長期金利上昇で米国株下落

･ドル/円は上値の重い展開

･複数の連銀総裁からタカ派発言