FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米量的緩和縮小の思惑後退でドル売り!

 

★欧州市場序盤の取引では、米雇用統計発表を前に金利低下は抑制され110.20円台に値を戻した。なお、米長期金利は1.628%付近で底堅く、NYダウ先物は16ドル安に下げ幅は縮小した。欧州市場では、発表されたユーロ圏の小売売上高は低調な内容となり、ドル/円は下げ渋りとなった。この後、発表される米雇用統計を見極める展開で売り買いともに仕掛けづらく下値が堅い展開だった。

 

米非農業部門雇用者数が予想を下回る結果となったことで、米長期金利の低下とともにドル売りが進行した。米長期金利が1.577%方向に切り下がり、5月28日以来の低水準となったことを受け全般ドル安が継続した。市場では『米雇用は着実に回復しているが、FRBが量的緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められた』との声が聞かれ、全般ドル売りが優勢になった。米雇用の予想を下回る伸びを受けて低下した米長期金利が、引き続き低水準ながら1.56%で安定したことで、109.50円付近で動意を鈍らせた。

 

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・4月小売売上高:前月比-3.1%(予想:-1.5%、3月:+3.3%←+2.7%)
・英・5月建設業PMI:64.2(予想:62.0、4月:61.6)

 

・米・5月非農業部門雇用者数:前月比+55.9万人(予想:+67.5万人、4月:+27.8万人←+26.6万人)
・米・5月失業率:5.8%(予想:5.9%、4月:6.1%)
・米・5月民間部門雇用者数:前月比+49.2万人(予想+61万人、4月+21.9万人←+21.8万人)
・米・5月平均時給:前年比+2.0%(予想:+1.6%、4月:+0.4%←+0.3%)
・米・4月製造業受注:前月比-0.6%(予想:-0.2%、3月:+1.1%)
・米・4月耐久財受注改定値:前月比-1.3%(予想:-1.3%、速報値:-1.3%)
・米・4月耐久財受注(輸送用機除く)改定値:前月比+1.0%(予想:+1.0%、速報値:+1.0%)
・米・4月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)改定値:前月比+0.9%(速報値:+0.9%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は109.33-110.22円のレンジ

・雇用統計で非農業部門雇用者数予想を下回ったことで全般ドル売り優勢

・雇用統計結果について市場では米FRBが量的緩和の縮小を急ぐほどではないと受け止められた

・米10年債利回りは1.55%台まで低下したことでドル全面安の展開

・露プーチン大統領は経済のドル依存低下を加速させると表明したが相場の反応は限定的

・VIX指数は18.04から14.42へ低下

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