FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 米インフレ高進でドル買い優勢!

 

★欧州市場朝方の取引では、年初来高値の116.35円手前で上値の重さを確認すると、ドル売りが先行した。なお、欧州主要株価指数が反落して取引を開始した。欧州株式市場で主要指数が概ね軟調、NYダウ先物も弱含み、リスク選好ムードの後退でドル買い・円買いでドル/円はやや円買いが優勢になった。トルコで開かれたロシア・ウクライナ外相会談は停戦に向け進展がなかったことで円買いが入りやすい一方で、米インフレ指標が堅調な内容が予想されドルは売り難い展開だった。米長期金利が1.90%台から低下幅を縮小したことで116円台を回復した。

 

しかし、116円台で戻りの鈍さを確認すると115.80円台まで伸び悩んだが、神経質な動きになった。2月米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの思惑も強かった。2月米CPIは市場予想通りの結果となったものの、約40年ぶりの高さを記録した。米長期金利の上昇とともにドル買いがじわりと強まった。その後、米長期金利は約2週間ぶりに2%台を回復したものの、軟調なユーロなど欧州通貨がクロス円で円高推移となったことでドル/円も失速した。対ユーロ強含みに加えて、米長期金利が2.018%前後まで水準を上げたこともあって、米金利上昇が危機始め116.10円台へ持ち直した。

 

★欧米主要経済指標

・米・2月消費者物価指数:前年比+7.9%(予想:+7.9%、1月:+7.5%)
・米・2月消費者物価コア指数:前年比+6.4%(予想:+6.4%、1月:+6.0%)
・米・2月消費者物価指数:前月比+0.8%(予想:+0.8%、1月:+0.6%)
・米・2月消費者物価コア指数:前月比+0.5%(予想:+0.5%、1月:+0.6%)
・米・先週分新規失業保険申請件数:22.7万件(予想:21.7万件、前回:21.6万件←21.5万件)
・米・失業保険継続受給者数:149.4万人(予想:145.0万人、前回:146.9万人←147.6万人)
・米・2月財政収支:―2166億ドル(予想:-2140.00億ドル、21年2月:-3109.22億ドル)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は115.81-116.20円のレンジ

・露・ウクライナ外相会談では目立った進展はなかった

・ECB定例理事会で量的緩和策の縮小ペースの加速を決定

・声明では利下げを示唆する文言を削除

・2月米CPIは予想通りの結果となったものの約40年ぶりの高さ

・インフレ加速を背景に米FRBが金融引き締めを急ぐとの見方

・VIX指数は32.45から30.23へ低下

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