FITS エコノミックレポート

★欧州市場朝方の取引では、ドルは全般もみ合いも底堅さを維持した。なお、欧州株は堅調に取引を開始した。欧州主要株価指数が全面高で推移する一方、日経先物は小反落になるに連れ、戻り売りにやや押されて113.05円へ下押しした。欧州株やNYダウ先物の堅調地合いが続き、株高を意識したドル買い･円売りの流れとなった。欧州市場中盤では月末フローへの思惑にも支援され、ドル全面高の流れは持続した。

10月ADP全米雇用報告で、政府部門を除く非農業部門雇用者数が市場予想を上回ったものの、前月分が下方修正されたことで影響は限定的だった。ただ、米長期金利が上昇幅を拡大すると徐々にドル買いが強まった。NYダウが一時300ドル超上昇したことを眺め、一時113.38円まで上昇した。ただ、月末ロンドンフィキシングにかけたドル売りが強まり下落基調となった。その後は、NYダウが400ドル超の上げとなり、フィキシング後はドルの買い戻しが優勢となり113円台を回復した。ただ、NYダウが上げ幅を縮小したことで、ドル売りが再燃した。

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・10月消費者物価指数速報値：前年比+2.2％（予想：+2.2％、9月：+2.1％）
・ユーロ圏・10月消費者物価コア指数速報値：前年比+1.1％（予想：+1.1％、9月：+0.9％）
・ユーロ圏・9月失業率：8.1％（予想：8.1％、8月：8.1％）
・南ア・9月貿易収支：-30億ランド（予想：+42億ランド、8月：+88億ランド）

・米・10月ADP雇用統計：前月比+22.7万人（予想：+18.7万人、9月：+21.8万人←+23.0万人）
・米・7-9月期雇用コスト指数：前期比+0.8％（予想：+0.7％、4-6月期：+0.6％）
・米・10月シカゴ購買部協会景気指数：58.4（予想：60.0、9月：60.4）
・カナダ・8月GDP：前月比+0.1％（予想：0.0％、7月：+0.2％）

★欧米市場のポイント

･112.77-113.38円のレンジ相場

･英国のEU離脱交渉懸念が後退

･フェイスブックなど主力ハイテク株に買い

･米雇用関連指標は市場予想を上回る

･VIX指数は23.35から21.23へ低下