FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 リスク回避のドル需要高まる!

 

★欧州市場序盤の取引では、米長期金利の低下が重石となり下押ししたが、クロス円の持ち直しや米長期金利の低下幅縮小によりドルの買い戻しが入った。なお、NYダウ先物が下げ幅を縮小した。米長期金利が1.23%台へ上昇したことで、109.43円まで反発した。米長期金利の再低下とNYダウ先物が下げ幅を拡大したことで一段の上昇は抑制された。欧州市場では、株安を警戒した円買いが主要通貨を下押しして109.20円台に失速した。

 

7月米小売売上高は前月比-1.1%と予想以上に鈍化したが、6月分は上方修正された。小売売上高の発表後に、米長期金利が1.22%から一時1.25%近辺まで持ち直し、全般ドル買いで反応した。市場では、パウエル米FRB議長の発言を控えて、ポジション調整目的のドル買いが入ったとの声が聞かれた。軟調な米国株が下げ幅を広げるとリスク回避の円買いが意識された。パウエル米FRB議長は『現在の危機は終わっていない。勝利を宣言することはできない』と慎重な姿勢を示したが、金融政策には言及しなかったことで、109.50円台で小幅な上下に留まった。

 

地政学リスクの上昇でドル需要が強まったほか、根強いFRBの早期緩和縮小を織り込むドル買いが強まった。

 

★欧米主要経済指標

・ユーロ圏・4-6月期GDP改定値:前年比+13.6%(予想:+13.7%、速報値:+13.7%)
・ユーロ圏・4-6月期GDP改定値:前期比+2.0%(予想:+2.0%、速報値:+2.0%)

 

・米・7月小売売上高:前月比-1.1%(予想:-0.3%、6月:+0.7%←+0.6%)
・米・7月小売売上高(自動車除く):前月比-0.4%(予想:+0.2%、6月:+1.6%←+1.3%)
・米・7月小売売上高(自動車・建材除く):前月比-1.0%(予想:‐0.2%、6月:+1.4%←+1.1%)
・米・7月鉱工業生産:前月比+0.9%(予想:+0.5%、6月:+0.2%←+0.4%)
・米・7月設備稼働率:76.1%(予想:75.7%、6月:75.4%)
・米・8月NAHB住宅市場指数:75(予想:80、7月:80)
・米・6月企業在庫:前月比+0.8%(予想:+0.8%、5月:+0.6%←+0.5%)

 

★欧米市場のポイント

・ドル/円相場は109.09-65円のレンジ

・デルタ株が世界各地で流行して経済正常化が遅れるとの懸念

・世界景気の先行き不透明感が広がるとリスク回避のドル買いが優勢

・7月小売売上高が予想より弱い内容

・パウエル米FRB議長の発言を控えポジション調整のドル買い

・VIX指数は16.12から17.91へ上昇

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