FITS エコノミックレポート

5分足で分かるドル/円欧米市場動向 リスク回避の円買いに拍車!

 

★欧州市場朝方の取引では、ドルは主要通貨に対して堅調地合いを維持してもみ合いの展開だった。欧州株式市場は全面安、NYダウ先物は軟調地合いとなったが、米長期金利が2.82%付近で底堅く推移したことで、リスク回避ムードは盛り上がらず、ドル売りには慎重だった。米3月雇用時計の発表を控えて107.40円前後で持ち高調整に終始した。米労働省が発表した3月米雇用統計で、非農業部門雇用者数が前月比10万3000人増と予想の前月比18万5000人増を下回ったうえ、失業率が4.1%と予想の4.0%より弱い内容となったことを受けて一時107.13円付近まで売られた。ただ、下押しを拾いたい向きも多くすぐに持ち直した。なお、同時に発表された平均時給は前月比0.3%上昇と市場予想通りの結果となった。 しかし、米長期金利が低下したことで再びドル売りが強まった。一旦持ち直したものの、NYダウが400ドル超下落するとドル売りが再開した。米長期金利の低下が一服したことや、106円台では押し目買いなどが入ったため下押しは限定的だった。NYダウが500ドル超下落したことなどを背景にドル売りが強まった。その後もNYダウが下げ止まらず一時760ドル超下落するとリスク回避のドル売りが強まった。

 

米3月雇用統計の非農業部門雇用者数が予想を下回ったほか、米中貿易戦争への警戒感が再燃し、米債利回りの低下に伴うドル売り、リスク回避の円買いに拍車がかかった。
また、トランプ米大統領が『貿易戦争は若干市場に痛みを与える』と指摘したほか、ムニューシン米財務長官も潜在的な貿易戦争のリスクに言及したことが、投資家心理を悪化させた。

9日週も米中貿易摩擦を巡って要人発言やトランプ大統領のツイッターなどでの突発的な発言には十分警戒が必要となる。4月3日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高では、799枚の円ロングとなり、円ショート(円売り)から円ロング(円買い)になった。投機筋は一旦ポジションを傾けると継続するので、しばらく円高圧力が強まる可能性が高くなってきている。

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