★欧州市場朝方の取引では、ポンドが全面安となる中、ドルが全般底堅く推移した。欧州市場では、英国の合意なきEU離脱への懸念からポンド/ドルが続落したことをきっかけに、ドル買いになった流れが継続した。欧州株は全面安、NYダウは小幅高、米長期金利は前日比ほぼ横ばいで推移した。その後、NYダウ先物や欧州通貨のクロス円の上昇を横目に111.18円までじり高となった。
米労働省が発表した7月の生産者物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり、市場予想の+0.2%を下回り6月の+0.3%から低下した。年初来で最低となった。また、前年比では+3.3%と予想外に6月の+3.4%から低下した。
変動の激しい食料や燃料を除いたコアPPIは前月比+0.1%となり、市場予想の+0.2%を下回り年初来で最低となった。前年比では+2.7%となり、予想外に6月の2.8%から低下した。
米先週分新規失業保険申請件数は21.3万件となり、増加予想に反して前回21.9万件から減少した。ほぼ49年ぶり低水準付近で推移しており、雇用の強さを再確認した。一方、失業保険継続受給者数は175.5万人で、前回172.6万人から増加し、市場予想173.5万人を上回った。市場予想を下回ったインフレ指標を受けて、ドルは軟化した。
その後、エバンス・シカゴ連銀総裁の異例なタカ派発言や低調な米30年債入札がドル買いにつながった。
エバンス米シカゴ連銀総裁は記者団に、強い経済がインフレを生んでおり、FRBの目標である2%に近づいたとの見解で、『緩やかな引き締め政策が正当化される可能性がある』と言及した。『2018年は、あと1回、または2回の利上げを予想している』とした。もともとエバンス米シカゴ連銀総裁は通常ハト派として知られており、同総裁の異例なタカ派発言がドル買いにつながった。
ドル買い一巡後は、方向感なく111.00円を挟んでもみ合いとなった。上値はクロス円の売りで頭を抑え、下値は買い遅れも多いため鈍い動きだった。また日米通商協議(FFR)を控え、ポジションを傾けるような地合いでもなかった。
★欧米市場のポイント
・110.85-111.18円のレンジ相場
・米7月PPIが市場予想を下回りドル売りのきっかけ
・エバンス米シカゴ連銀総裁が異例のタカ派発言
・米30年債入札が低調でドル買戻し
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