FITS エコノミックレポート

2019年以降のBEI・NY金・米10年債利回り動向!

 

★期待インフレ率とは、市場や企業、一般消費者が予測する将来の物価上昇率のことである。期待インフレ率は、実際のインフレ率の先行指標として扱われることが多く、その動向は中央銀行の金融政策にも影響することから、注目度が高い。

その、期待インフレ率を示す指標としては、ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)がある。BEIとは、物価連動国債と利付国債の金利差から市場が計算し予測した将来の物価上昇率である。実際のインフレ率との連動性が高く、その数値は日々更新され速報性も高い指標のため注目度は高い。

BEIは、これを『期待インフレ率』ということもあるので、一般的に期待インフレ率を確認する際は、BEIを使用する。

 

2019年以降の米10年BEI(赤線)NY金先物(青線)米10年債利回り(黒線)の動向を探る。

2019年は米10年BEIと米10年債利回りは低下基調となる一方で、NY金先物は上昇基調が持続した。そのため、2019年は総じて逆相関の動きをしていたことになる。

2020年は世界的に新型コロナウイルス感染が拡大したことから、3月に入ると過度なリスク回避の動きが強まり、3指数ともに急落する展開になった。しかし、大規模な財政策出動の動きなどもあり米10年BEIは回復基調となった。また、NY金も10年BEIの上昇に対して米10年債利回りが低下が続き、マイナス金利幅が拡大したことから、上昇に勢いがついた。しかし、米10年債利回りは7月27日0.533%がボトムとなり上昇基調になると、NY金先物は上値・下値を切り下げる展開になった。この動向は翌21年3月まで続いた。20年はマイナス金利の上下に合わせた展開になった。

2021年は10年BEIは継続的に上昇が続く一方で、米10年債利回りが3月中旬をピークとして低下基調になると、NY金先物は戻り基調となった。ただ、5月に入ると10年BEIが低下してくると、米10年債利回りは低下が継続していたが、NY金も10年BEIの下落とともに遅れて下落する展開になった。米10年BEIとNY金はしばらくもみ合い相場となった後は、9月下旬から上昇基調となった。米10年債利回りは、7月26日の1.227%がボトムとなり再び緩やかに上昇基調が継続した。現状のNY金先物は米10年債利回りよりも米10年BEIに連動する動きになっている。

 

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