FITS エコノミックレポート

銅/金レシオの低下で先行き不安の高まりを暗示か!

 

★市場ではリスクテイクの指標として、『新債券王』の異名を持つジェフリー・ガンドラッグ氏が言及したことで、有名になった『銅/金レシオ(比率)』がある。これは、ロンドン金属取引所(LME)の銅価格(3ヵ月物)をNY金先物(期近)で割った指標である。

景気の回復局面では、電線や電子部品など産業用金属の代表格である銅が買われ価格は上昇する一方で、安全資産である金は売られやすくレシオは上昇しやすい。反対に景気などの先行きに不透明感が強まると『無国籍通貨』の金が買われ価格が上昇しやすい一方で、景気減速により需要が低迷する銅は売られやすくレシオは低下しやすい。

新型コロナウイルスが世界的にまん延して『ロックダウン(都市封鎖)』よって、世界経済活動が停止した20年4月13日には2.88倍まで低下した。しかし、その後は回復基調が継続した。

ワクチン普及により経済の正常化へ伴って銅価格が最高値を更新するなかでレシオも21年5月12日の5.73倍まで上昇した。しかし、その後は銅の価格も上値が重くなる一方で、米雇用統計の予想外の悪化、米長期金利の低下、中東情勢の悪化、ビットコインの暴落、インフレ懸念などリスク回避の金買いが強まり低下基調になっている。

 

レシオの低下に伴って落下的になれない市場ムードが漂っており、米国株や日本株も上値の重い展開となっている。

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