★10月11日以降の東京金60分足では、雲の上限がサポートラインとして意識されつつ、にわかに上限を下抜ける展開となってきた。寄付き後雲の中に入ってしまうので、雲の下限の5,181円がサポートラインとして意識される。
NY金先物市場は、週末を控えて節目の1,500ドルの手前ではポジション調整の売りが上値を抑えた。英国と欧州委員会(EU)がブレグジット案に合意し、秩序ある離脱に向けて前進したことも安全資産の金の売りにつながった。一方で、7-9月期中国国内総生産(GDP)が低調だったことや、為替相場でドルがユーロに対して軟調だったことなどが下値を支えた。
価格帯別出来高では、もみ合い相場が続いていることから、上値に出来高が膨らんできた。そのため、下押しするような場面になると買い方からの手仕舞い売りが入りやすくなる。また、戻り場面では買い方からの『やれやれ売り』で上値の重石となりやすくなる。
MACD(パラメータ:12、26、9)は、ゼロラインを下抜け緩やかに低下傾向となっていることや、ストキャスティクス・スロー(パラメータ:14、3、3、20、80)も、%DがSlow%Dを下抜けて両線とも下向きとなっていることから、短期的には下落基調が続いている。
東京金の日足では、5日SMAと10日SMAさらに25日SMAが5,180円前後でほぼ一直線に並ぶ展開となっている。つまり短中期的の売買コストが均衡してきている。また、短中期の売買保有建玉や上下どちらかに放れた際に乗り遅れまいとする新規建玉の思惑が累積してきている。持ち合い放れが明確になると、損失拡大を恐れて殺到する手仕舞い売買に新規の建玉が加わり、売買高を伴って動きが一気に加速する場面には注意が必要となる。NY金先物市場は心理的節目の1,500ドルを下回っているものの、底堅い展開が続いている。ただ、NY金も1,500ドルを挟んでもみ合い相場が長くなっていることから、上下に放れると大きな動きになりやすい。為替市場では、108円台維持しているものの、108円台後半から109円台にかけてはドル売り需要も強く、上値の重い展開となっている。しかし、10月15日付けのCFTCの投機筋のドル/円のポジションは11週ぶりに円買い・ドル売りのポジションに転換した。そのため、投機筋は円安基調にポジションを傾け始めた。
25日SMAを挟んでもみ合い相場となっているが、近い将来上下どちらかに放れる。今日放れても、明日放れても不思議ではない状態となっている。そのため、相場が上下に放れた時のために、事前の想定と準備が重要となる。
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