FITS エコノミックレポート

東京原油相場とドル/円相場の関係!

 

★あまり注目されていないが、東京原油とドル/円の為替動向には相関関係が強い。相関とは一方が上昇すれば、それにしたがって他方も上昇する。または一方が上昇すれば、それにしたがって他方は減少する。という傾向が見られるとき、2つの変量の間に相関があるまたは相関関係があるという。原則、単位は無く、-1~+1の間の実数値をとり、1に近いときは2つの確率変数は正の相関があるといい、-1に近ければ負の相関があるという。要するに+1に近ければ近いほど同様の値動きをしていることになる。2019年1月4日~2019年11月29日までの東京原油とドル/円相場には相関係数0.8831とかなり高い相関関係となっている。

12月5-6日にウィーンで開催される石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国の会合では、3月末に期限切れを迎える協調減産の延長期間が注目されている。しかしながらノバク露エネルギー相が、延長の是非を決定するのは4月が近づいてからでも良いとの見解を示した。また、サウジアラビアが生産抑制方針を取り止めると伝わった。減産に関して一枚岩ではない産油国側の状況が嫌気される。

要するにウィーンでのOPEC加盟国と非加盟国の会合が失望的な結果となると、原油価格は下落することになる。相関係数の高いドル/円も円高基調になりやすいことを示している。しかし、昨年の年末を振り返ってみると、ドル/円のピークは114.48円となり東京原油のピークは10月4日の57,860円となった。東京原油は下落基調となり12月25日に33,120円まで下落した。一方で、ドル/円は年末におけるドルの実需によるドル買いが強く12月13日まで高止まりしていたものの、その後は1月3日のフラッシュ・クラッシュまで一方的に下落した。

今年も年末に向けて東京原油が下落する一方で、ドル/円が高止まりするようなら、ドルの手当て終了後は昨年のような失速的な動きとなりやすい。一方で、年末に向けて東京原油が底堅い展開なら、ドル/円も大崩れしにくい展開となる。

 

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