FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場は上昇:米国景気回復期待から買い優勢

NYダウは454.84ドル高の29100.50ドル、ナスダックは116.78ポイント高の12056.45ポイントで取引を終了した。8月ADP雇用統計が予想を下回ったものの、7月耐久財受注改定値や7月製造業受注が予想を上回り上昇して寄り付いた。また、前日の8月米ISM製造業景気指数が良好だったことを受けて、景気回復が続いているとの見方が強まり買いが膨らんだ。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)でペースは緩慢ながら全米の経済活動の拡大継続が確認されると、ウイルスパンデミックからの回復を期待し、引けにかけ上昇幅を拡大した。市場では『主力ハイテク株に比べ出遅れていた銘柄に買いが入った』との声が聞かれ、上げ幅は一時510ドルを超えた。VIX指数は26.12から26.57へ上昇した。

 

NY外国為替市場:一目均衡表の雲下限を上抜け出来ず

ドル/円は、8月米ISM製造業景気指数が良好だったことを材料にドル買い戻しが進んだ前日の流れがこの日も継続し、一時106.30円と日通し高値を付けた。ただ、一目均衡表雲の下限が位置する106.31円がレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米10年債利回りが低下に転じたことも相場の重石となり、106.11円付近まで下押しした。NY午後に入りNYダウが一時510ドル超上昇し、約半年ぶりの高値を更新すると再び106.30円まで強含む場面もあったが、一目雲下限を上抜けることは出来なかった。ウィリアムズ米NY連銀総裁は『2%超のインフレを容認する米連邦準備理事会(FRB)の新戦略は物価安定と最大雇用の二大目標を達成する能力を強化する』との認識を示したものの、目立った反応は見られなかった。

 

ユーロ/ドルは、欧州中央銀行(ECB)当局者のユーロ高けん制発言への警戒感が強まる中、NY勢がドル買いで参入すると一時1.1822ドルと日通し安値を更新した。ただ、米長期金利が低下したこともあって引けにかけては下げ渋った。 

 

NY原油先物市場は反落:需要鈍化予測や米ドル高を嫌気した売り

NY原油先物市場は41.23ドル-43.21ドルのレンジ相場となった。NY入り前は強含んでいた原油先物価格だが、欧州通貨やオセアニア通貨に対してドルが買われると、ドルで取引される原油先物にとっては割高感となったことで下落した。また、原油需要の減少予測が出ていることが売り材料となった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫で原油の取り崩しが936.2万バレルと前週の468万バレルの取り崩し幅を上回ったことで一時買われる場面もあったが、買い戻しは一時的だった。

 

NY金先物市場は下落:リスク選好の動きから売り優勢

NY金先物市場は1938.90-1980.40ドルのレンジ相場となった。欧州株が全面高で引け、一時利食い売りに押され前日比でマイナス圏まで入ったナスダック総合もプラスに転じたことなどを背景に、リスク選好が優勢となり金先物価格は4営業日ぶりに大幅反落となった。欧州通貨やオセアニア通貨に対してドルが買われたことも、金価格の上値を抑える要因となった。アジア市場で1980.40ドルまで買われたが、その後は伸び悩みとなった。上値は次第に重くなり、ニューヨーク市場では株高を意識して1938.90ドルまで一段安となった。

 

米国債券市場は続伸:不調な米雇用指標結果を受け買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは4日続伸(利回りは上昇)した。米10年物国債利回りは前営業日比0.02%低い(価格は上昇)0.65%で終了した。8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が42.8万人増と予想の95.0万人増を下回ったことを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。 

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