FITS エコノミックレポート

朝の市場コメント!

米国株式市場はまちまち:貿易摩擦や新興国経済の不透明感が重石

NYダウは20.88ドル高の25995.87、ナスダックは72.45ポイント安の7922.73で取引を終了した。朝方は、カナダとの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を見極めたいとの思惑から、小動きとなった。週間新規失業保険申請件数が市場予想より減少したほか、堅調な8月ISM非製造業景況指数が好感された。しかし、米中貿易摩擦への警戒感や新興国経済の先行き不透明感を背景に売りが優勢となり一時90ドル超下落する場面もあった。ただ、個別に買い材料が出たボーイングが上昇し指数を押し上げると持ち直した。ディフェンシブ銘柄や資本財関連などへの物色が続いたことも相場の下支え要因となった。一方、ハイテク株の比率の高いナスダック総合株価指数は3日続落した。VIX指数は13.91から14.65へ上昇した。

 

NY外国為替市場:トランプ大統領発言でドル/円失速

ドル/円は、8月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が前月比16万3000人増と予想の19万人程度増を下回ったことを分かると円買い・ドル売りが先行した。米中貿易摩擦への警戒感や新興国経済の先行き不透明感を背景に、NYダウが一時90ドル超下落するとリスク回避的な円買い・ドル売りが活発化し110.71円まで値を下げた。その後、NYダウが再びプラス圏を回復したことでドル/円にも買い戻しが入り110.95円付近まで下げ渋る場面があった。ただ、『トランプ米大統領は次に日本との貿易戦争になる可能性を示唆』との報道が伝わると、一時110.48円まで売り込まれた。 ユーロ/ドルは、市場予想を下回る米雇用指標や米金利低下を受けて一時1.1655ドル付近まで上げたものの、ユーロ/円が下落するとユーロ/ドルにも売りが出たため徐々に弱含んだ。

 

NY原油先物市場は続落:世界経済の成長鈍化への懸念

NY原油先物市場は一時67.00ドルまで売られた。米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で、原油は430万バレルの取り崩しとなり、市場予想以上の減少となったものの、ガソリンと留出油が予想以上の積み増しとなり、利益確定売りが優勢となった。また、引き続き世界経済の成長鈍化の可能性が意識されたことも原油価格の重石となった。

 

NY金先物市場は小幅続伸:投資家のリスク回避志向強く買い優勢

NY金先物市場は一時1212.70ドルまで買われた。投資家のリスク回避志向が強く、安全資産とされる金が買われた。しかし、米国の対中制裁関税の第3弾発動や、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉をめぐる米加協議の行方、週末の米8月雇用統計などを見極めたいとのムードが広がり様子見強く値幅も限られた。

 

米国債券市場は上昇:ポジション調整による買い優勢

米国債券市場で長期ゾーンは上昇(利回りは低下)した。米10年物国債利回りは前日比0.03%低い(価格は上昇)2.87%で終了した。米国株式市場でナスダック指数やS&P500指数が下げたため、安全資産とされる債券に買いが入った。また、米8月雇用統計を控えて持ち高調整目的の買いも入った。

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