★12月10-16日分の対外及び対内証券売買契約等の状況
国内投資家は、対外中長期は510億円の買い越しとなり、買い越しは3週間ぶりとなった。対外株式は2739億円の買い越しとなり、買い越しは30週連続となった。また、海外投資家は、対内株式は6225億円の売り越しとなり、売り越しは5週連続となった。対内中長期債は5487億円の買い越しとなり、買い越しは4週連続となった。
国内投資家の海外投資は衰えを知らず、海外株式も30週連続の買い越しとなった。そのため、一旦海外での株式下落調整などがあると、国内投資家からのリパトリ(国内回帰)の動きが強まり円高傾向が強まる可能性が高くなる。また日銀が出口戦略に傾くと相当量の円買いが入りやすくなることも将来のリスクとなる。海外投資家が日本株を5週連続売り越していることから、日経平均株価2万3000円を目前に上値が重くなっている。
★日経平均株価:一旦材料出尽くしやポジション調整による売り優勢
米国での税制改革法案の進展や原油高、米長期金利の上昇とドル高などが下支え要因となる。米欧での金利上昇は利ざやの改善を通じ日本の金融株や保険株などにはプラス要因となる。ただ、米国の税制改革に関しては、内外で織り込みも進捗してきた。本日は日銀の金融政策決定会合が開催され、来年にかけての緩和出口の微妙なじならし警戒感がくすぶっている。週後半からは海外でクリスマス休暇が本格化することもあり、日本株の高値圏では利益確定売りなどが入りやすく注意が必要となる。日経平均株価は、前日比39円安の2万2852円で寄り付いた。その後は、米議会での税制改革法案の進展を受けた消化や織り込み済み、海外クリスマス休暇前の調整などにより、利益確定売りやポジション手仕舞いヘッジ売り、先物売りの仕掛けなどが優勢となり、下げ幅をじわりと拡大している。
★東京外国為替市場:日本株下落をにらみやや円高傾向
ドル/円は、日米金利差拡大を背景に、年内には115円台への期待が高まりつつあるが、一方で、ここ数ヶ月のハードルとなっている114円台をクリアー出来るかが注目されている。そのため、過剰な期待は禁物となっている。また、米税制改革案の可決によりトランプ政権への材料出尽くしと利益確定売りも出やすく、クリスマス休暇控えて投機筋のポジション調整など波乱含みとなりやすい。ユーロ/ドルは、ストップロスを巻き込み一時1.19ドル台へと底堅い展開となっている。これは欧州債券利回りの上昇がサポートしているほか、ECB理事会が出口戦略を模索していることも材料視されている。
本邦輸出勢のドル売りは引き続き期日決済分以外は様子見スタンス。米系短期筋のドル売りは113.50円から継続的に観測されているが、オプション絡みのストップロスも観測されている。また、本邦実需勢は112.80円からドル買いスタンス。
本日は日銀政策決定会合の結果や黒田日銀総裁の記者会見に注目が集まっていることから、欧州時間からの動きには注意が必要となる。
★18年の中国成長率は減速傾向
中国共産党・政府が2018年の経済政策を討議する中央経済工作会議が、環境汚染対策の強化や貿易不均衡の是正などを決め、3日の日程を終了して閉幕した。18年の経済成長率目標を17年と同じ『6.5%前後』に設定するかも話し合われた。17年の成長率は6.8%程度を確保する見通しとなっている。18年は6.5%前後へ減速が予想されている。新たな成長目標は18年3月の全国人民代表大会で公表される。
★英政権ナンバー2が辞任:英国のEU離脱交渉の混迷深まる
英国のグリーン筆頭国務相は、2008年に下院の事務所で使っていたパソコンから大量のポルノ画像が見つかった問題への対応を誤ったとしてメイ首相に辞表を提出した。筆頭国務相は首相に次ぐナンバー2のポストとなる。
EU離脱に関して、新たな情報が幾つか報じられるなか、警戒感を指摘する声も少なくなく、ポンドの弱材料になっている。
★米税制改革法案可決で一旦材料出尽くしか
米税制改革案の可決に向けた期待感から、円が軟調に推移した。米長期金利も9ヶ月ぶりに一時2.50%台に達したことも円売りを下支えしている。ただ、こういった動きは、クリスマス休暇を控えたショート・カバーやポジションの巻き戻しの動きで、特にクロス円の買い戻しが相場を支えている。また、トランプ政権の経済対策も、この税制改革法案が可決すると一旦は材料出尽くしとなる可能性もあり、株価や為替市場では年末年始の利食いの動きには注意が必要となる。
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