FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:プラス圏を回復する動きに

米国株の下落と税制改革法案の進展織り込みと上院採決の見極め、欧米での金利上昇を受けた欧米株や新興国株への打撃懸念などが重しとなりやすい。20-21日の日銀金融政策決定会合や、欧米市場の週末クリスマス連休に向けたポジション手仕舞いや利益確定売りなどが入りやすく、新規投資の手控えなども想定される。ただ、欧米での長期金利の上昇は、対円でのユーロやドルの下支え要因となっている。日経平均株価は、前日比33円安の2万2834円で寄り付いた。その後は押し目買いも入り、プラス圏を回復する展開となっている。

 

東京外国為替市場:全般円が弱い展開

ドル/円は、税制改革案の可決や米長期金利の上昇を受けて、一時113円台を回復するなど、底堅い展開となっている。ただ、このレベルでは利益確定売りや実需売りに押され狭いレンジ幅での攻防を余儀なくされている。引き続きレンジ内での相場展開が予想される。ユーロ/ドルは、1.18ドル台を再び回復してきおり、底堅い展開となってきている。昨日はECBメンバーであるマクチ・スロバキア中銀総裁が、中銀の議論は資産購入よりも利上げに傾いていると述べた。また、バイトマン独連銀総裁も従来通り資産購入停止に言及しており、欧州長期金利の上昇を背景にユーロ買い戻しに動きにつながっている。現段階では過度のユーロ高期待は時期尚早といえる。

 

本邦輸出勢は引き続き期日決済分以外のドル売りは静観スタンス。米系短期筋のドル売りは113.20円から継続的に観測されている。また、本邦実需勢は112.30円からドル買いが観測されている。

目先では113.00円と113.50円に設定されているオプション絡みの売りには注意が必要となる。

 

下院では再度採決をやり直し:問題なく可決される見込み

米下院では、税制改革法案を賛成227、反対203で可決した。反対は民主党議員全員のほか、共和党議員12人が反対票を投じた。しかし、その後法案の一部に不備が見つかり、米下院は20日午前に採決をやり直すことが明らかにとなった。ただ、再度可決されることが確実視されている。上院では予定通り採決する見通しとなっており、約30年ぶりとなる抜本的な税制改革が週内に実現する可能性が高い。ただ、税制改革による債務状況の悪化などが懸念されている。

 

米税制改革法案通過でもドルを押し上げは乏しい

税制改革法案に、米企業の海外子会社からの配当課税(35%)廃止と海外滞留利益の1度限りの8-15.5%の国内還流(リパトリ)減税が含まれている。ブッシュ政権が2005年に実施した一度限りのリパトリ減税がドル高を招いた経緯から今回もリパトリ減税による海外利益がドル高を支援すると期待感が残っている。しかし、外資系証券によると、海外滞留の大半の利益金はドル建てで保有されているから需給には影響がないという。仮に税制改革法案が成立しても2005年の再現には見込みにくく、ドルを押し上げるには力不足となる。

 

米国経済動向は好調を維持

米商務省が発表した11月住宅着工件数は前月比+3.3%の129.7万戸と、減少予想に反して10月の125.6万戸から増加した。昨年10月以降1年ぶりの高水準となった。住宅着工件数の先行指標となる11月住宅建設許可件数は前月比▲1.4%の129.8万戸と、市場予想の127.0万戸を上回った。また、7-9月期経常収支は1006億ドルの赤字となり、4-6月期の1244億ドルから縮小し、市場予想の1162億ドルを下回り、2014年7-9月以降ほぼ3年ぶりの低水準で、対国内総生産(GDP)比も2.1%と前期比0.5ポイント低下した。また、移民による送金などの第2次所得収支の赤字幅が縮小した。

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