★日経平均株価:米国株高を好感した買い継続
米国株の大幅上昇や米国企業の良好な決算、リスク回避の後退による円高歯止めなどが下支え要因となりやすい。米税制改革法案の下院可決や、米国の鉱工業生産の底堅さなども日本株ので直りを支援しやすい。しかし、前日に322円高の大幅反発となったことから、週末前に高値警戒売りの増加リスクもある。米税制改革協議の上院などでの審議は難航が予想されているほか、日米とも企業決算のピークアウトによる『好材料で尽くし』への警戒感も根強く残る。また、23日は日米で休場となることから、海外勢の年末決算対応を含めて、利益確定なども出やすく注意が必要となる。日経平均株価は前日比252円高の2万2603円で寄り付いた。その後も上げ幅を拡大する展開になっているが、為替市場ではやや円高基調となっており、株価と為替の連動性が離れている。
★東京外国為替市場:株価や米長期金利不安定からドル上値重い
ドル/円は、株高基調や米長期金利の上昇を背景にドルは113円前後で下げ止まっているが、引き続き114円台での上値の重さが意識されている。不安定な株価動向や米長期金利の先行き不透明感も重なり、積極的に仕掛けにくい展開となっている。ユーロ/ドルは、ユーロ圏の経済指標が改善傾向にあり、底堅い展開がよす尾されている。しかし、めるける独首相の連立協議の難航や英EU離脱問題などもあり、徐々にユーロ/ドルの1.18ドル台の上値の重さが意識されている。
本邦輸出勢は依然として期日決済以外のドル売りは静観スタンス。米系短期筋のドル売りは113.35円から継続的に観測されている。また、本邦実需勢のドル買いは112.70円から継続的に観測されている。米系短期筋は112円台半ばからドル買いスタンス。
米下院共和党で税制改革案が可決したこを受けて米国株高・米長期金利上昇したことで、ドル売りは仕掛けにくく底堅い展開が予想される。今後は上院との調整の行方に注目が集まる。週末ということもあり、短期筋のポジション調整には注意が必要となる。
★米税制改革法案は下院を通過したが
米下院は共和党税制改革案を227対205で可決した。今後上院にわたり、修正を経て、可決に至れば、トランプ大統領の署名で成立ちなる。しかし、上院の可決は下院ほど容易ではない。上院がすでに発表済みの法案では、州・地方税控除が完全に撤廃される。また、オバマケア保険加入義務廃止が盛り込まれている。このため、特に税率が高い、NY、NJ、カリフォルニア州などの議員による反対が予想される。すでに共和党改革修正案に反対姿勢を公表しているのは、ウィスコンシン州選出のロン・ジョンソン上院議員に加えて、マケイン上院議員(アリゾナ州)、コーカー上院議員(テネシー州)、フレーク上院議員(アリゾナ州)の4人が現在の案に反対票に傾斜している。その内の3議員は、トランプ大統領に反旗をひるがえしており、性的な観点から、税制改革の成立を故意に妨げる可能性も指摘されている。
★『CAPEレシオ』で過去30倍超えは2回
ノーベル経済賞受賞エール大学ロバート・シラー教授が1988年に考案した『CAPEレシオ』景気循環調整後PER(株価収益率)によれば、米国S&P500のいわゆる『シラーPER』は11月14日時点で31.47倍に上昇した。過去に30倍を超えたのは、2000年ITバブルと世界恐慌の入り口に立った1929年NY株式の大暴落直前の2回しかない。『CAPEレシオ』の概念は、①株価の割高・割安を測る指標、②過去10年の利益と物価変動を加味した擬似PER、③一般的には25倍超が割高と判断、④1881-2017年までの130年超のデータ(中央値16.75倍)などである。この指数の逆数を取り、景気循環後の株式益利回りを算出することで予想実質リターンを測定することができる。それによると、米国株の景気循環調整後リターンは現在33.4%に低下している。これを下回ったのは1929年と1997-2001年だけとなっている。
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