FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:下げ幅拡大も下値でもみ合い相場

前日の大幅高の反動調整や、米長期金利の低下とドル安、調整円高の流れが重しとなりやすい。日本でも決算発表が後半入りとなるなかで、一旦の好材料の出尽くしも警戒され始めている。トランプ大統領のアジア歴訪では中国に向かうなかで、貿易摩擦や北朝鮮緊張などの問題も意識されやすい。一方、前日の日本株市場の終了後に、トヨタなどが良好な決算を発表した。引き続き好業績銘柄などには、押し目買い需要の持続が注視される。日経平均株価は、前日比87円安の2万2849円で寄り付いた。その後は下げ幅を拡大しているものの、急落するにはいたらずもみ合い相場となっている。

 

東京外国為替市場:ドル/円は114円の往来相場

ドル/円は、114円前後を往来する展開が続いており、方向感に欠ける展開が続いている。基本的に日米金融政策の相違がドルの下支えとなっており、下値も限定的である。一方、115円前後では対米黒字を意識したポジション調整売りや利益確定売りが控えていて、上値を追いづらい展開になっている。ユーロ/ドルは、戻り売りが優先されるなか、米ドルや円主導で方向感に乏しい展開を強いられている。ただ、1.15ドル台前後では割安感を踏まえた買戻しや地政学リスクに配慮した買戻しの動きが強まる可能性があり、過度なユーロ安は望みにくい展開となっている。

 

本邦輸出勢は期日決済以外は115円台でドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは114.20円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は引き続き113.50円からドル買いが観測されている。米系短期筋は113円台前半からドル買いスタンス。

 

今後の市場の注目点は、米税制改革の行方とサウジアラビアの権力闘争の情勢になる。来週に114.50円のドルコールが大量に期日を迎えることから、ドルの上値が重くなる可能性が高い。

 

米税制改革案の動向に注視:上院では法人税減税を1年先送りで検討

米下院歳入委員会は、共和党の税制改革案に関する討議を開始している。法案修正を望むロビイストや議員らにとって、今後が正念場となる。同歳入委のブレイディ委員長は、今週は同委員会会合で修正を受け入れる意向だが、法案が下院本会議に提出された後は受付ない考えを示唆している。早ければ11月13日の週に採決を実施する。下院共和党が先週発表した税制改革案の詳細の中で、特に評判の悪い項目は、住宅ローン控除の一部解消、州・地方税控除の撤廃を巡る調整協議に焦点が集まると見られる。

一方で、一部通信社が報じたところによると、米上院共和党は法人税の1年先送りを検討していると伝えている。

 

サウジアラビアの汚職取締りの影響に注意

サウジアラビアのムハンマド皇太子が主導する汚職取締りの一環で、拘束された個人や企業の銀行口座1200超が凍結されたことが明らかになった。さらに口座の凍結は続いている。ムハンマド皇太子が率いる汚職対策委員会は週末、同国の富豪で著名投資家アルワリード・ビンタラール王子を含む王族や現職・元官僚、有力事業家らを資金洗浄、汚職、当局者への強要などの疑いで一斉に拘束した。権力基盤の強化をにらみ、国内の実力者を封じ込めることが狙いとみられる。

 

欧州時間帯に入ると、サウジアラビアの株価動向でリスク回避の動きになりやすいので注意が必要となる。

 

米9月JOLT求人数は過去最高付近:米12月の利上げ強まる

米国労働省が発表した9月JOLT求人件数は609.3万件と、減少予想に反して8月609万件から3000件増加した。8月分も608.2万件から609万件へ上方修正された。
大型ハリケーンの影響で、フードサービスや宿泊施設などの求人数は11万件減少。減少幅は2001年以来で最大となった。一方で、プロフェッショナルサービスなどの需要は強く、119万件増と1年超ぶりの高水準となった。雇用主は資格のある労働者不足を指摘した。
採用者数は523.7万人と、前月の542万人から減少。採用率は3.7%から3.6%へ低下した。一方で退職者数は318.2万人と、8月309.3万人から増加。退職率は2.1%から2.2%へ上昇した。イエレンFRB議長が指数項目の中でも特に注目している自主的な退職の増加は労働者の労働市場への自信をあらわす。12月の追加利上げが一段と確実になった。

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