FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:円安につれ上げ幅を拡大でリスク選好の動き

米国株の底堅さや為替相場の安定化、米国の指標改善などが下支え要因となりやすい。前日の日銀政策決定会合では欧米などの海外中銀による出口戦略に対し、日銀の逆行的な超金融緩和策の堅持姿勢が示された。さらに、日銀の片岡審議委員からは追加緩和手段の強化提案も出されており、日本での株安と円高を抑制させる要因となっている。一方で、日本株には高値警戒感もくすぶっている。NYでのテロ懸念や米トランプ政権のロシアゲート疑惑、スペイン・カタルーニャ自治州の独立問題、今週後半からのトランプ米大統領のアジア訪問を受けた北朝鮮緊張や通商摩擦の懸念といったリスク要因も無視できない。日経平均株価は、前日比133円高の2万2144円で寄り付いた。その後は、円安進行もあってリスク選好の動きから、上げ幅を広げながら上昇基調を維持している。

 

東京外国為替市場:ドル/円はイベント控えレンジ相場の展開

ドル/円は、堅調な株式市場を背景として底堅い展開が予想される。ただ、株価との相関性が薄れているとの指摘のなか、実需売買が113円割れや114円台で控えている。ただ、FOMC政策金利動向や米雇用統計の結果待ちの段階であり、小幅なもみ合い相場の可能性が高い。ユーロ/ドルは、ドル高けん制とユーロ高けん制の動きを背景に、1.16ドル台半ば前後で一進一退の展開を見せている。スペイン・カタルーニャ自治州の独立問題やECBの出口戦略の不透明感もあり、戻り売り優勢の展開が予想される。

 

本邦輸出勢は期日決済以外のドル売りは114円台半ばからのスタンス。米系短期筋のドル売りは113.85円から継続的に観測されている。また、本邦実需勢は113.20円からドル買いが観測されている。米系短期筋は113円台前半からドル買いスタンス。

 

FOMCの結果発表待ちとなっているが、目新しい材料はないため、本邦実需や海外リアルマネーの動向に注意が必要となる。

 

米民主党も大統領の武力行使への懸念

米民主党のマーフィー上院議員ら8人は、米国に差し迫った脅威がない状況で大統領が議会承認を得ずに北朝鮮を先制攻撃することを禁じる法案を提出した。トランプ大統領が一方的な武力行使に踏み切ることへの根強い懸念を反映している感が強い。

一方で、北朝鮮は本日も北朝鮮の労働新聞は、『国と民族の最高利益を守るには最強の核抑止力が必要だ』と主張した。同時に『他国のもので建設した強国、外部勢力の資本でもたらした繁栄は長続きしない』として、国際社会の制裁への対決姿勢を強調している。さらに、朝鮮中央通信は、北朝鮮の2団体が、北朝鮮の核・ミサイル開発と米韓合同軍事演習を同時に停止するとの中国の提案について『朝鮮半島核問題の本質と因果関係、自衛の核(北朝鮮)と暴政の核(米国)も見分けられない無責任な行為だ』と拒否する姿勢を示したと報じている。

 

FOMCでは11月は金融政策が据え置かれる見込み

FRBは10月31日から2日間にわたりFOMCを開催している。今回の会合では金融政策が据え置かれる見込みとなっている。しかし、経済専門局でCNBCが44名の市場関係者を対象に会合前に実施した調査によると、96%の回答者が12月FOMCで追加利上げを予想していることが明らかになった。11月会合ではスタッフ予想の発表やイエレンFRB議長の会見は予定されておらず声明の中で金利見通しや経済、インフレの判断および見通しで、12月の利上げの可能性をさらに確認することとなる。

 

米税制改革法案の行方とFRB議長人事

法人税の20%への大幅引き下げで財政悪化懸念が拭えず、与党・共和党は一枚岩とは言えない。『税制改革に失敗すれば、株価は急落しかねない』との懸念も残る。1989年10月19日にNYダウは一日で23%の暴落となった。当時はFRB議長のバトンがボルカー議長からグリンスパン氏へ渡った矢先だった。ポートフォーリオ・インシュアランスというコンピューター取引の死角で起きた暴落だったが、FRB議長交代の政策運営の不透明感が遠因になったとの解説もある。史上最高値を更新する米国株を横目に次期FRB議長の人選が最終局面を迎える今日、米経済のかじ取りを担うFRB議長の交代が思わぬ波乱を招く可能性もある。

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