FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:円安を好感して下げ渋る

米国株の下げ渋るいや米国の指標改善、22日の衆院総選挙での自民党優勢予測などが支援材料となりやすい。日本企業は10月後半にかけての決算発表に期待感があり、出遅れの内外投資家などによる押し目買い需要の持続が意識される。しかし、前日まで29年ぶりにの13日続伸を記録した。スピード面での過熱警戒感により、週末や衆院選を前にした調整売りの圧力も想定される。また、スペインやNZの政治不安などにより、円安の勢いが鈍化してきた。根強い北朝鮮を巡る地政学リスクや米FRB議長人事の最終的な不透明感、アップルの販売不振、日本企業の不正検査問題などにより、調整下落のリスクは常に警戒される。日経平均株価は、前日比57円安の2万1390円で寄り付いた。その後は、円安進行もあり、下げ渋る展開となっている。ただ本日は週末のゴトー日であり、仲値決済後の為替動向が注目される。また、22日の衆院総選挙を控えて、午後から利益確定売りなどが入りやすいので注意が必要となる。

 

東京外国為替市場:ドル/円はこう着感が強まる

ドル/円は、113円台では実需や利益確定売りが散見されるなか、米長期金利の動向の不透明感や地政学的リスクもあり、徐々に上値の重さが意識されている。しかし、112円前後では実需買いや日米金利差を背景としたドルロング施行も強い。そのため、レンジ内での材料待ちの様相となっている。ユーロ/ドルは、カタルーニャ情勢が混迷を極めているが、他のユーロ圏諸国への影響は限定的との見方が少なくない。また、ポンド安もユーロの買い戻しを助長し、1.18ドル半ば前後まで回復基調を強めている。

 

本邦輸出勢は期日決済分以外のドル売りは様子見スタンス。米系短期筋のドル売りは112.80円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は112.30円から継続的にドル買いが観測されている。米系短期筋は引き続き112円台前半ではドル買いスタンス。

 

中国中銀総裁の異例な警告:ミンスキーモーメントの可能性

中国人民銀行の周小川総裁は経済の速いペースでの成長が『ミンスキーモーメント』の可能性に直面していると述べ、過剰な債務、投機的な投資によるリスクを異例な文言を用いて警告した。全てが問題なく進んでいるとき、過剰に楽観的になる警告にあり、しばしば急激な調整につながる可能性があると指摘した。『ミンスキーモーメント』とは、米国の経済学者、ハイマン・ミンスキー氏の名に由来する。経済の隠れていたリスクが突如あらわれ、資産価格が下落、デフォルトをもたらす。ミンスキー氏は金融市場の本質が不安定で、債務に基づく投資に脆弱だと信じていた。総裁は中国の企業債務水準が非常に高く、消費者の債務も低いレベルながら拡大しつつあると指摘した。さらに規制の緩和や為替相場のさらなる変動を認める必要があると訴えた。

 

米朝間の表と裏:非難の裏で交渉も

北朝鮮の団体『朝鮮和平擁護全国民族委員会』は19日、談話を出し、米韓両軍による海上合同演習を受け『米国が事実上、われわれに対し宣戦布告なき戦争を開始した』と強く非難した。また『戦争を仕掛けてくるなら、われわれは想像できない超強硬対応で米本土の焦土化という史上最悪の大災難をもたらす』と主張した。朝鮮中央通信が伝えた。談話は米韓演習の目的について、金正恩朝鮮労働党委員長ら首脳部を狙う、いわゆる『斬首作戦』計画の実行可能性を検討する事にあると訴えた。強い警戒感をあらわにしている。

一方で、ロシアの首都モスクワで、日本とアメリカ、それに北朝鮮の外交関係者が出席する核兵器の不拡散をテーマにした国際会議が開幕し、北朝鮮を巡って、日米と北朝鮮の代表が個別に接触するかどうかが注目されている。会議には外務省の金杉アジア大洋州局長、北朝鮮外務省でアメリカを担当しているチェ・ソニ北米局長、アメリカで長年、対北朝鮮政策に携わってきたジャーマン元国務次官の出席が予定されている。

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