FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:過熱警戒感から上値の重い展開

米国の底堅さや米国企業の決算改善、原油価格の安定化などが下支え要因となりやすい。為替市場ではこう着化が続いているものの、米国株の堅調さなどにより、リスク回避の円高は抑制されている。米国の住宅市場の改善も、日本での調整的な株安・円高の度合いを抑制する。ただ、日経平均株価は11連騰を続けており、スピード面やレベル面での過熱警戒感が高まっている。28日からは中国で共産党大会が開催されるほか、米国のFRB議長人事や税制改革協議への不透明感、22日の衆院選での自民勝利シナリオの織り込み進展などもあり、高値警戒売りが注視される。日経平均株価は、前日比38円高の2万1374円で寄り付いた。その後は、前日までの11連騰を受けた過熱警戒や、18日から開催される中国の共産党大会の見極めなどにより上値の重い展開となっている。

 

東京外国為替市場:ドル/円はレンジ相場の展開

ドル/円は、株高期待と衆院選における与党勝利の観点からすると、底堅い転換がい予想される。日米金融政策の違いから日米金利差拡大により、遅かれ速かれドル買い・円売りには傾斜しやすい。ただ、北朝鮮問題情勢を巡る展開に振り回される可能性があり、依然としてリスク回避対象通過としての円買いニーズが強く現段階では上値追いにはなりにくい。ユーロ/ドルは、スペインのカタルーニャ自治州が独立宣言の撤回を拒否したことや、独仏の政局不安も加わり、相対的に伸び悩みの傾向は否めない。ユーロは戻り売りの展開ではあるが、1.17ドル台割れでは随所に利益確定買いが散見されるなど、引き続きもみ合い相場が予想される。

 

本邦輸出勢は期日決済分以外のドル売りは113.50円からのスタンス。米系短期筋のドル売りは112.60円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は111.80円から継続的に買いスタンス。米系短期筋も111円台ではドル買い戻しが観測されている。

 

本日はシンガポール市場が休場となり、流動性が低下するなか、米系短期筋の動向に振れる可能性が高い。また、本日から中国共産党大会が開催されることから、流れるヘッドラインには注意が必要となる。

 

スペインのカタルーニャ自治州懸念:期限19日日本時間午後5時まで

スペイン中央政府がカタルーニャ自治州政府に対し、19日までに独立宣言を撤回するよう要求するんか、カタルーニャ州政府は撤回する考えはないと表明した。州政府報道官は『(期限である)19日に(従来と)なにか異なることを表明するつもりはない』と言明した。中央政府は、カタルーニャ州が19日午前10時(日本時間午後5時)まで独立宣言を撤回しない場合、同州の自治を停止し、直接統治すると警告している。

 

また、15日に投開票されたオーストリア国民議会(下院)の総選挙で、セバスティアン・クルツ氏率いる中道右派・国民党が第1党になる見通しとなった。国民党の得票率は31%以上になると見られる。また、欧州統合懐疑派の自由党は25%を確保するなど、右派の台頭で、オーストラリアのEU離脱の可能性も懸念されており、EU内での混乱の火種懸念が継続している。

 

次期米FRB議長を巡る思惑が交錯:ハト派かタカ派で市場

米トランプ大統領は、11月3日のアジア歴訪前に次期FRB議長を発表すると明らかにした。現在のイエレン議長の任期は2018年2月に満了となる。通常FRB議長は再任される傾向になる。しかし、トランプ大統領はFRB人事を刷新すると見られている。イエレン議長の再任の可能性もあるが、イエレン議長以外の議長候補最終リストには、パウエルFRB理事、元FRB理事のケビン・ウォルシュ氏、スタンフォード大のジョン・テイラー教授、コーンNEC(国家経済会議)委員長が挙げられている。イエレンFRB議長は緩やかな利上げ方針を示しており、候補者の中でも最もハト派として見られている。ただ、トランプ大統領に好印象を与えたと報じられると、ジョン・テイラー教授が最有力候補だとの見方が強まった。候補者の中では最もタカ派として見られている。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

5月 2024
« 1月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ページの先頭へ