FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:高値警戒感から上値の重い展開

米国株の上昇や米国の自動車販売改善、リスク選好による円安地合いなどが下支え要因となる。関連株にはサポート材料となりやすい。衆院総選挙が迫るなか、野党どうしの票の奪い合いの可能性が浮上しており、消去法的に自公与党が最低でも過半数を維持できるという楽観論も見られ始めている。ただ、前日に円初来高値を更新しており、高値警戒感や過熱警戒感もくすぶっている。原油安や週末米雇用統計、日本の衆院総選挙、米FRB議長の後任人事、米税制改革協議、北朝鮮情勢への不透明感などもあり、利益確定売りやヘッジ売り、やれやれ売りなどの動きが出やすい。日経平均株価は、前日比46円高の2万0660円で寄り付いた。その後は、年初来の高値更新を受けた高値警戒感などもあり、上げ幅を縮小する展開となっている。

 

東京外国為替市場:ドルは底堅い展開で推移

ドル/円は、113円前後でもみ合い相場が継続しているが、日米金利差拡大を背景に底堅い展開となっている。本日、米主要経済指標発表を控えていることや、年内米追加利上げ観測や世界的な株高を背景としたドル買い・円売り基調は継続すると見られており、112円半ばでは下げ渋る可能性が高い。ユーロ/ドルは、1.17ドル台半ばでこう着度が強まっている。ただ、米長期金利や地政学リスクの動向に左右されやすい相場環境となっている。スペインのカタルーニャ自治州の住民投票や英EU離脱問題などを抱えて、戻り売り志向が強い。

 

本邦輸出勢は期日決済分以外のドル売りは引き続き114円台で売りスタンス。米系短期筋のドル売りは113.20円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は112.50円からドル買いスタンス。米系短期筋は112円台半ばからドル買いスタンス。

 

本日はイエレン米FRB議長の講演や米重要経済指標を控えて米系短期筋のポジション調整の動きには注意が必要となる。

 

9月日銀短観から年末にかけて日本株高と円安支援

過去実績として9月日銀短観で現状判断と予測が揃って前期比プラスとなった年には、年末にかけて日本で株高とリスク選好の円安が支援された。過去の9月短観で、2000年、2005年、2013年、2016年の各年で現状と予測の前期比プラスが観測された。この全てのケースでドル/円は各年の7-9月期のドル安値に対し、10-12月期のドル安値を上回る『年末ドル高』のパターンが繰り返されている。今年は7-9月のドル安値が107.32円前後となっており、年末にかけては同水準が『今年のドル底値』となる可能性が高い。

 

米FRB次期議長:パウエルFRB理事なら利上げに慎重

トランプ米大統領は先週の会見で、2-3週間以内に次期米FRB議長人事を決断すると述べた。イエレン米FRB議長の1期目の任期は来年2月に満了となる。トランプ大統領はイエレン米FRB議長を再任する可能性も残る。イエレン米FRB議長としての任期は14年で、2024年に任期を迎える。現状で、ウォルシュ元理事、パウエルFRB理事が最有力候補であると報じられた。そのなかでも、ムニューシン米財務長官は特にパウエルFRB理事を支持していると、ポリティコが3日報じた。ハト派として知られるパウエルFRB理事の浮上で、金利先高感が後退した。タカ派として知られるウォルシュ元理事が『最有力』と見られていたため、先週末から金利先高感が強まっていた。

 

欧州による政局不安:カタルーニャ自治州絡みで市場混乱懸念

スペインからの独立を問う住民投票を今月1日に実施した北東部カタルーニャ自治州で3んち、中央政府による締め付けに抗議するゼネストが始まり、公共交通はほぼ機能停止状態となっている。投票は『違憲』だとし、中央政府は認めない見通しのため、混乱の継続が懸念される。2日スペイン市場では朝方から株式や債券が売られ、株価の下げ幅が2%近くに達し、10年債利回りは一時1.7%と7月中旬以来2カ月半ぶりの高さに上昇した。カタルーニャ自治州はスペイン全体GDPの20%を占める。

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