FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:買い一巡後は上げ幅縮小

米FOMCでの12月利上げ姿勢が維持されたことや、それに伴う米長期金利の上昇とドル高、米国株の落ち着き、原油価格上昇、リスク選好の円安地合いなどがプラス材料となりやすい。ただ、米FRBによる資産縮小や12月の利上げ観測は、先行き米国株にはマイナス材料となりやすい。北朝鮮リスクや日本の衆院総選挙に向けた万一の政治リスク、米トランプ政権の経済政策の不透明感といった不安材料も消えていない。日本株においては、高値過熱感も見られていることから、買い一巡後は上値が重くなる可能性もある。日経平均株価は、前日比146円高の2万0456円で寄り付いた。買い一巡後は、日銀金融政策会合を控え調整的な売りが出て上げ幅は縮小気味で推移。

 

東京外国為替市場:FOMCを好感してドル全面高継続

ドル/円はFOMCの結果を好感するなか、米利上げを織り込みながら、112円台を一気に回復した。FRBのドッドチャートの金利見通しからも、更なる上昇も見込める。ただ、トランプ米大統領や安倍首相が相次いで北朝鮮の挑発に苦言を呈しており、北朝鮮による報復行動も懸念される。ユーロ/ドルは1.20ドル台から1.18ドル台半ばまで急落した。改めてユーロ/ドルの1.200ドル台の上値の重さが意識された。ポンドの高値警戒感によるポンド安が起因しているが、引き続き地政学リスクが常態化している以上、下値も限定的となっている。

 

本邦輸出勢は期日決済以外のドル売りは様子見ながらの対応となっている。米系短期筋のドル売りは112.70円から継続的に観測されている。また、本邦輸出勢は111.80円から臨機応変にドル買いスタンス。米系短期筋は111円台はドル買いスタンス。

 

本日は日銀金融政策決定会合では金融政策は据え置きと予想されるが、黒田日銀総裁が記者会見で現行の緩和政策維持を改めて示すと思われ、欧州市場ではドルが底堅く推移する可能性が高い。

 

FOMC結果のまとめ

米FOMCでは、政策金利の据え置きが決定された。しかし、10月からのバランスシートの縮小も決定した。これ自体は市場は織り込みで、影響は限定された。ただ、ドッド・チャートからは、今年のあと1回の利上げ予想は変わらないが、、予想するメンバーが1名増えたことなどから、タカ派との見方となりドル買いが優勢となった。一方で、コアCPIの見通しは2017年が前回の1.7%から1.5%に引き下げられており、FOMCメンバーのFF金利見通しの長期も下がった。これを見る限り、12月の利上げの可能性は未だに不透明となっている。ハリケーンの悪影響は一過性としているが、今後の指標が悪化する可能性がある。

イエレン米FRB議長は、バランスシートを正常化する理由として、①経済はもはや刺激策を必要としない、②労働市場や経済は著しく回復、③米国の経済パフォーマンスは良好であることを挙げている。焦点となっていた物価動向については、『今後数年で目標の2%近辺に回復し、安定する』という見通しは変えなかったものの、その一方で『インフレをもたらす要因に関する我々のり買いは不完全だ』などと、物価停滞に関する気迷いをにおわす発言が目立った。

 

経済協力開発機構(OECD)経済見通し:ユーロ圏数年ぶりの水準

OECDは、ユーロ圏の経済成長率見通しが米国に並び、主要国の経済成長率が数年ぶりの水準で同時に拡大しているとの見方を示した。世界経済の成長率見通しは今年で3.5%、来年で3.7%、6月予想から上方修正され、2011年以来の高成長を記録する。

ユーロ圏の今年の成長見通しは6月時の1.8%から2.1%に上方修正され、米国の2.1%成長と並んだ。フランスは1.3%から1.7%に、イタリアは1.0%あkら1.4%に上方修正された。英国の今年の成長率見通しは1.6%と前回予想から据え置き、EUからの離脱に苦戦している。

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