FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:底堅い展開継続

米国株の底堅さやリスク選好の円安、米長期金利上昇とドル高などがプラス要因となりやすい。外需関連株のほか、米国発の金利上昇は日本でも銀行株や保険株をサポートする。衆院解散・総選挙の流れが強まり、政策期待や選挙を受けた政治安定化の思惑なども日本株を下支えする。ただ、19-20日には米FOMC、20-21日には日銀政策会合が予定されている。北朝鮮情勢や日本の選挙動向などには不透明感もあり、日本株は買い一巡後、様子見や利益確定売りなどに押される可能性もある。その後も8月8日以来の2万円台回復となったあと、上げ幅を拡大させ7月27日以来の高値となっている。

 

東京外国為替市場:米FOMCを控え小動きの展開

ドル/円は、111円台半ば前後まで回復してきた。株高を期待して底堅い展開が予想される。ただ、FOMCにおいて、年内の利上げを示唆できるかは懐疑的であり、更なる上昇局面では一旦ポジション調整的な動きとなりやすい。ユーロ/ドルは1.200ドル台の上値の重さが意識されるなか、1.19ドル台半ば前後でこう着感を強めている。リスク回避の受け皿としての買い戻し施行は根強いが、ポンドの急騰にもかかわらず値幅が限定的だあるように、市場参加者も混迷度を強めている。

 

本邦輸出勢は引き続き期日決済以外のドル売りは様子見スタンス。米系短期筋のドル売りは111.80円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は19-20日の米FOMCの結果を見てからドル買い水準を決めるスタンス。米系短期筋は110円台ではドル買いスタンス。

 

再びハリケーンがカリブ海に接近

米国立ハリケーンセンターは、ハリケーン『マリア』が5段階のうち上から2番目の『極めて危険』なカテゴリー4に勢力を強め、ドミニカ島に接近していると発表した。カリブ海東部の住民らは、先に直撃した『イルマ』の被害から回復しきっていないにもかかわらず、再び最悪の事態に備える必要に迫られている。その後『マリア』が『カテゴリー5』に発達したと公表された。

 

米2重の引き締めで混乱なく終了するのか懐疑的

FRBは19-20日にFOMCを開催する。3月、6月に利上げを実施した後、今回の会合では金利を据え置くと見られている。一方で、4.5兆ドルに膨れ上がった保有資産の縮小を開始する計画を発表する見込みとなっている。FRBは過去に6回バランスシートの縮小を行っている。リサ‐チ会社、MKMパートナーズの調べによると、そのうち、5回は最終的に米国経済が景気後退に陥ったと警告している。1921-1922年、1928-1930年、1937年、1941年、1948-1950年、2000年の6回。また、FRBが長期間かけて利上げをした場合、最近13回の引き締めサイクルのうち、10回は景気後退に陥ったことも明らかにしている。イエレン米FRB議長をはじめ、ほとんどのFOMCメンバーが、バランスシートの縮小が市場に与える影響は最小限に留まるとしている。しかし、利上げとバランスシート縮小という2重の引き締めで、下半期の市場が果たして現状のような低い変動率を維持するように混乱なく終了するかどうかに懐疑的な見方も少なくない。

 

国債決済銀行(BIS)の四季報:米国の金利上昇で新たな危機が

17日に公表したBISの四季報で『世界的に経済成長が加速し、金融緩和が続く中で低インフレが続いている現状は大きな謎』と疑問を投げかけた。BIS報告書は、『先進国並びに新興国共に低金利による景気刺激策の長期化が資産市場の上昇をもたらし『熱狂』が再び姿を現し始めている兆候がある』と警戒し、『米企業債務が金融危機前より高水準な状況にあり金利が大幅に上昇すれば新たな危機が起こり得るという問題が浮上している』と警鐘を鳴らしている。

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