FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:地政学リスク回避も一巡

北朝鮮によるミサイル発射のほか、ドル高・円安の勢い一服、英国中銀による利上げ観測などを受けてグローバルな過剰流動性相場の微妙な陰りなどが警戒される。日本株は週明けから輸出株や金融株などが出直り上昇となっており、週末を控えた利益確定売り、やれやれ売り、ヘッジ売りなども想定される。ただ、北朝鮮のミサイル発射後、為替市場ではリスク回避による円高・ドル安は限定的となっている。米国では税制改革やインフラ投資などの政策協議期待が出ているほか、原油など資源相場の底堅さ、米国のハリケーン被害の復旧・復興事業などの思惑により、米国株の底堅さが日本株の底堅さにつながる可能性もある。日経平均株価は、前日比13円安の1万9793円で寄り付いた。その後は、円高進行が止まり110円台に回復するなど、一時てきなリスク回避の動きが終息したことで、日本株もプラス圏を回復した。

 

東京外国為替市場為替市場の波乱も一服

ドル/円は、米8月消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで一時111円まで上昇したが、利益確定売りに押され110円台半ば割れへと上げ幅を解消した。その後に北朝鮮のミサイル発射を受けて、109円台半ば近辺まで下落するなど値動きの荒い相場展開となった。地政学的リスクの円高懸念は一過性との見方が支配的となっている。ユーロ/ドルは、1.200ドル台の上値の重さが意識されているなか、ユーロロングの手仕舞いも手伝い1.18ドル台半ば近辺まで下落基調を強めていいたが、再び地政学リスクの受け皿とポンド高につれて、1.19ドル台で底堅い展開を見せている。

 

本邦輸出勢は期日決済以外のドル売りは静観スタンス。米系短期筋のドル売りは111.20円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は109.65円からドル買いが継続的に観測されている。米系短期筋も109円台ではドル買いスタンス。

市場では北朝鮮の地政学リスクはあるものの、来週のFOMCや25日の週に発表される税制改革案の公表もあり、金融・財政政策への期待感などがドルの支援材料となる。3連休を前に米系短期筋のポジション調整には留意したい。

 

英国金融政策会合では市場通りの据え置き

英国中銀は金融政策決定会合では、市場の予想通り、政策金利を0.25%、資産買入枠を4350億ポンドで据え置くことを決定した。決定は7対2だった。声明の中で、経済成長やインフレ圧力上昇が続いた場合、今後『数カ月』に利上げを実施する必要があるとの見解を示した。続いてカーニー総裁は『英国の物価がポンド安の影響で上昇している』と指摘した。今後数カ月内に金利調整が必要となる可能性があると繰り返した。さらに、自分も金融刺激策の変更の見解を示した委員の一人であることを明らかにした。タカ派に転じた。

 

米国の年内あと1回の利上げ観測が高まる

米8月消費者物価指数(CPI)は6カ月ぶりに予想を上回った。過去5カ月間、CPIはよす尾を下回っておりFOMCの懸念材料となっていた。雇用関連指標で、労働市場がFOMCの目標である完全雇用に到達してきている。一方で、インフレが低迷していたため、12月利上げ確率は20%台に低下していたが、現行では46.2%まで上昇した。また、トランプ米大統領が税制改革、移民法などの主要アジェンダの実行、達成のために超党派支持を得る方針に移行した。年内税制改革法案成立への期待も強まっており、景気先行き見通しが改善する。

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