FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:小高く始まったもののマイナス圏に下落

米ジャクソンホールでのイエレン米FRB議長の講演を受けた米利上げ観測の遅延観測と米長期金利の低下、ドル安などが重しとなりやすい。米議会での債務上限問題の不透明感や北朝鮮情勢リスクも残っているなども、日本株は悪材料となっている。ただ、ユーロ高の流れは、欧州関連株に支援材料となりやすい。前週末には茨城県の県知事選で自民党と公明党が推薦する候補者が現職に勝利したことや、安倍政権に対する支持率も持ち直す傾向にあり、日本での政治リスクは一服となってきた。そのため、押し目買いの需要が注目される。日経平均株価は前営業日比49円高の1万9502円で寄り付いた。その後は、円高進行を嫌気した売りが進み、小幅高で始まった日経平均株価もマイナス圏に下落する展開となっている。

 

東京外国為替市場:ユーロ買いの行方に注目

ドル/円は、北朝鮮情勢や米長期金利の低下、さらにトランプ政権能力への不信感が重なり、上値の重い展開となっている。ただ、109円割れでは実需や利益確定買いが散見され、改めて底堅い展開が意識されている。ユーロ/ドルは、戻り売りが優先されているにも関わらず、ストップロスを巻き込み1.19ユーロ台まで上昇した。ジャクソンホールのドラギECB総裁の講演で、ユーロ高けん制発言がなかったことからユーロ買いが強まった。次なる節目となる1.12ユーロが視野にあるだけに、下値は限定的となっている。

 

本邦輸出勢は月末最終週で期日決済分のドル売りのみのスタンス。米系短期筋のドル売りは109.80円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢のドル買いは108.85円から継続的い観測されている。

 

本日は英国子女うがバンクホリデーで休場となる。先週末のジャクソンホールでの経済シンポジウムでイエレン米FRB議長とドラギECB総裁が具体的な金融政策に言及しなかったことをアジア勢と一部欧州勢が消化する展開となる。ただ、本邦実需筋のドル買いが108円台では引き続き買い需要が強く底堅い展開が予想される。

 

トランプ大統領は30日から全米数カ所を訪問

トランプ米大統領は30日のミズーリ州での会合を皮切りに向こう数週間に全米数カ所を訪問する。税制改革への支持を国民に呼びかける。各地で会合を開き、米国で税制改革の重要性を説いていく。また、トランプ大統領はメキシコ国境の壁建設資金が獲得できなければ政府閉鎖も辞さないと警告している。しかし、ムニューシン財務長官は、マッコーネル共和党上院院内総務と同じく、債務上限が引き上げられると『100%確信している』と言及している。

 

今週の注目点

米FRBの利上げの行方を探る上では、4-6月期国内総生産(GDP)の改定値や8月雇用統計、インフレ指標が注目される。雇用統計では、雇用は20万人前後の伸びを見せ、失業率も16年ぶりの低水準をは維持する見込み。一番の注目は賃金の伸びとなる。賃金が伸びを見せると、年内の追加利上げ観測が再燃しやすい。また、FOMCがインフレ指針として注視している個人と消費支出(PCE)のコア指数は前年比+1.4%と、6月+1.5%から低下と、2年ぶりの低水準に後戻りする可能性がある。4-6月期GDPの改定値は+2.7%と、速報値の+2.6%から上昇修正が予想されている。しかしながら、FOMCの期待と予想に反して、低インフレが長期化する予想を見せており、年内あと1回の利上げには依然懐疑的な意見が大半を占めている。

 

8月23日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高

 

(8月15日)   ⇒   (8月23日)

・円     :▲77,492   ⇒   ▲74,086

・ユーロ   :+79,267   ⇒    +87,976

・ポンド   :▲31,860   ⇒   ▲45,900

・豪ドル   :+59,612    ⇒   +60,484

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