FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:上値重くなり上げ幅縮小

米国の政策期待や米国株の大幅高、米長期金利の上昇によるドル高、リスク選好の円安地合いなどがプラス要因となりやすい。北朝鮮情勢が小康となっているほか、日本株は前週からの大幅下落で割安感も出ている。ただ、25日にはイエレン米FRB議長の講演が予定されており、夏枯れ相場の持続もあって様子見ムードも強い。米国の政治不安や北朝鮮リスク、米国株の景気減速懸念、米FRBの利上げ遅延観測によるドル安の圧力なども残っており、日本株の反発局面では根強い戻り売りも意識される。日経平均株価は、前日比163円高の1万9547円で寄り付いた。その後は徐々に上値が重くなり、上げ幅を縮小する動きとなっている。

 

東京外国為替市場:ドル買い・円売りは一巡しつつ

ドル/円は、底堅い展開となっており、再び110円台を目指す動きとなっている。ただ、同レベルでは利益確定売りや実需売りが控えている。また、北朝鮮情勢の成り行きを見守りたいとの思惑もあり、短期筋としても上値トライには慎重になっている。ユーロ/ドルはECB出口戦略への期待や地政学リスクの受け皿を背景に底堅い展開が続いている。しかし、直近のシカゴ通貨先物市場ではユーロロングは5年ぶりの高水準まで積み上がっており、ポジション調整的な売り戻しには注意が必要となる。

 

本邦輸出勢は期日決済分以外は引き続き静観スタンス。米系短期筋のドル売りは110.00円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢のドル買いは109.00円から出されている。米系短期筋は108円台ではドル買いとの強い認識を持っている。

 

明日から始まるジャクソンホールでシンポジウムを控えて米系短筋のポジション調整意外は積極的な売買は手控えられる可能性が高い。

 

バノン氏更迭でコーン氏の米FRB議長誕生はとん挫か

『ライバルのバノン戦略官がコーンNEC(国家経済会議)委員長を追い出そうとして政治サイトに流したのがコーンFRB議長説とされ、バノン VS コーン対立はそれほど熾烈を極めていた』(英FT紙)という。政権発足後、特に3月以降に娘婿クシュナー上級顧問との路線対立が線形化、トランプ氏が両者の間をとりもったが、7月に入り大統領自身との路線対立が激化した。ホワイトハウスは未だ混乱状態にあるが、株式『強気派』にとって、世界の中銀が資産価格下支えを続けるとの期待と共にバノン更迭によりコーンNEC委員長の影響力増大が唯一の株価下支えのアンカーとなる。

 

アフガン政策の新戦略で改善に向かう可能性も

トランプ大統領g21日夜に国民に向けて行ったテレビ演説で、対アフガニスタン政策の新戦略を発表した。共和党の保守派、メディアなども戦略を支持する方針を示している。22日にはアリゾナ州での集会を控えており、この集会でもポジティブな流れが続けば、トランプ政権への否定的な見方が一段と改善に向かう可能性がある。

 

ドル/円の季節的8月パターン

ドル/円の季節的な月別変動パターンでは、8月にドル安値を形成し、年末にかけてドルの下限が切り上がる傾向がある。直近では2013年、2014年、2016年の8月にドルが底値をつけて、その後は12月にかけて8月ドル安値を上回る展開が続いてきた。2012年も9月13日に年間ドル安値を記録している。ただ、季節アノマリーとしてのドルの最悪期通貨の日柄整理が9月は注目されやすい。

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