FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く小幅な値動き

米国株の落ち着きやドル安と円高の圧力の緩和などが下支え要因となりやすい。日本株は前週からの大幅下落を受けて、下値拾いが注目される。ただ、米韓軍事演習の継続や北朝鮮リスクのほか、25日のイエレン米FRB議長講演にらみの様子見が、新規投資の様子見が、新規投資の手控えを後押しさせる。米国での景気減速懸念や政治政策を巡り不透明感の残存もあり、日本株は戻り売り圧力の持続と下値トライ模索の市場センチメントも根強い。日経平均株価は、前日比20円安の1万9373円で寄り付いた。その後も前日終値前後での値動きとなっており、出来高も少なく様子見ムードのなかの値動きとなっている。

 

東京外国為替市場:材料難のなか大きなトレンドは作りにくい展開

ドル/円は、米長期金利の伸び悩みを踏まえて、ドル/円は110円前後の上値の重さが意識され始めている。一方で、金利正常化に向けた動きとなっているFRBを背景に、長期金利の低下余地は僅かにになっているだけに、ドルの下値を探る展開に難しさがある。週末ジャクソンホールでのイエレン米FRB議長の講演までは109円を挟んだ値動きになりやすい。ユーロ/ドルは、ストップロスを巻き込み1.18ドル台を回復した。そのなか、ドイツ連銀が月報で製造業景況感と受注残高が記録的な高水準にあると指摘するなどユーロ/ドルの追い風になっている。ただ、ユーロ/ドルがドルの受け皿になっている側面も強い。ECBが足もとのユーロ高に警戒感を示している以上、上値も限られる可能性が強い。

 

本邦輸出勢は引き続き期日決済分以外は静観スタンス。米系短期筋のドル売りは109.25円から継続的に観測されている。また、本邦実需勢のドル買いは108.70円から観測されている。米系短期筋は108円台ではドル買いスタンス。

 

材料難のなか、本邦実需勢のドル買いと米系短期筋のドル売りの攻防戦となりやすい。米韓軍事演習が予定通り開始されたことで、北朝鮮による挑発的な動きには警戒感もあり、関連ニュースには注意が必要となる。

 

バノン主席戦略官の退任のメリットとデメリット

バノン氏はトランプ米大統領の白人至上主義を巡る問題発言は思想的に関係してきたほか、これまでの政権内部での対立の火種を作ってきた。それだけに一旦は政治の安定化が期待されやすい。同時にトランプ政権の『米国株第一主義政策』を主導してきたバノン氏の辞任は、①過度な保護主義リスクの後退、②米国と中国の通商対立『先鋭化』リスク緩和、③ホワイトハウスと米議会との関係改善と経済対策の進展、などのプラス面が想定される。一方で、バノン氏の退任によるリスクとしては、①トランプ政権の液状化の加速、②トランプ大統領を最後まで支持してきたコアな白人労働者層の支持離れ、③バノン氏が反トランプに回るなど、米国の社会分断の一段の泥沼化、といった懸念材料も無視できない。

 

ジャクソンホールでのドラギECB総裁発言に注目

9月の定例理事会(9月7日)の開催を間近に控えて、ドラギ総裁は量的緩和プログラム縮小の発表を示唆するとの見方が強まっていた。しかし、最近の報道で、ドラギ総裁がこの講演で、新たな政策指針を示さない公算と報道されている。また、前回会合の議事要旨で委員がユーロの過剰な上昇を懸念していることが明らかになっており、速やかにテーパリングの可能性は低下した。インフレも上昇している確固たる証拠が見られないとしている。政策の変更が示されないと、ユーロ売りに拍車をかける可能性も高い。

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