FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

日経平均株価:様子見ムード強く小動きの展開

米国株の伸び悩みやFRBの12月利上げ警戒、前日の大幅反発の反動調整リスクが重しとなりやすい北朝鮮リスクは完全に払しょくされていないほか、夏季休暇相場の継続で市場売買エネルギーの低下も懸念される。来週のFRB関連シンポジウムを見極めようとの様子見ムードも強い。ただ、米国の指標改善やドルの安定化、北朝鮮リスクの後退は日本株の下支え要因となる。また、米長期金利の上昇は、本邦金融機関にプラス要因となりやすい。日経平均株価は、前日比2円安の1万9750円で寄り付いた。その後は一時プラス圏を回復する場面もあったが、昨日終値前後での値動きとなっている。様子見ムードが強く材料がなければ小動きの展開が予想される。

 

東京外国為替市場:為替市場では新規材料待ちの様相

ドル/円は、昨日発表された米7月小売売上高が前月比+0.6%の増加となり、インフレ率の上昇も見込まれる結果となった。ドル/円は110円台半ばから後半に回復している。相対的には売られ過ぎていたドルの買い戻し局面となっている。年内の利上げ確率も再び上昇してきており、ドル/円は110円前後の底堅さが意識されている。しかし、111円前後ではポジション解消や実需売りが控えており、上値も限定的と状況となっている。ユーロ/ドルは、リスクオフに沿って、急速に買い戻す動きは鈍化しており、一時1.16ドル台に下落する場面もあったが、同レベルでは利益確定買いやポジション調整買いが散見されている。

 

本邦輸出勢は、引き続き期日決済以外のドル売りは111円台からのスタンス。米系短期筋のドル売りは111.00円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢のドル買いは109.80円から買いが観測されている。米系短期筋も109円台後半からドル買いスタンス。

引き続き北朝鮮情勢を巡る懸念は払しょくされていないことから、突発的な動きには注意が必要となる。

 

米経済指標の改善:米景気は底堅い展開

米商務省が発表した7月小売売上高は前月比+0.6%と、伸びは市場予想の+0.3%を上回り年初来で最大となった。6月分も▲0.2%から+0.3%へ上昇修正さえrた。変動の激しい自動車を除く小売売上高も前月比+0.5%となり、市場予想の+0.3%を上回り昨年10月以来の大幅な伸びとなった。同時に発表された8月NY連銀製造業景気指数は25.2となり、市場予想の10.0を上回り、2014年9月以降ほぼ3年ぶり高水準となった。米労働省が発表した7月輸入物価指数は前月比+0.1%となり、市場予想通り3ヵ月ぶりのプラスに転じた。良好な米経済指標を受けて、米長期金利は2.22%から2.27%まで上昇した。

 

アマゾン・ドット・コムが社債発行:米国債金利上昇要因

ネット通販大手アマゾン・ドット・コムが来週前半に発行する普通社債の条件が決まった。総額160億ドル(約1兆7600億円)で、3年物から40年まで7種類に年限を分けて発行する。表面利率は発行額が大きい10年物が年3.15%、30年物が年4.05%程度となった。

大量の社債発行のため、米国債を売却して社債購入をする向きもあり、米長期金利の上昇要因となりやすい。

カテゴリー: ホットニュース

カテゴリー

カレンダー

4月 2024
« 1月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ページの先頭へ