FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経平均株価:過度な円高が抑制されていることで下げ幅縮小

米トランプ政権の政策停滞懸念や米長期金利の低下、主要通貨に対するドル安などが重しとなりやすい。日米ともに政治不安が残るほか、今週から本格化する日米の企業決算を控えて、一旦の利益確定売りやヘッジ売り、新規投資の手控えなどが想定される。一方、米国でのITハイテク株の再上昇は、日本の関連株を支援しやすい。また、米FRBの利上げペースの鈍化期待は、過剰流動性相場を延命させることになる。クロス円では堅調さを維持していることから、リスク回避の円全面高は抑制されている。日経平均株価は、前日比24円安の1万9975円で寄り付いた。その後は、為替市場で円高地合いながら、過度な円高が抑制されていることから、下げ幅を縮小する動きとなっている。

 

★東京外国為替市場:ドル/円の下値トライには慎重姿勢

ドル/円は、112円を挟んでの値動きとなっているが、20日の日銀金融政策決定会合を控えるなか、日銀と欧米の出口戦略の相違を背景に、短期筋としても下値仕掛けには慎重になっている。ユーロ/ドルは、1.15ドル台を回復した。オバマケア断念が一過性のドル売り局面と見なす動きとなっている。ただ、米企業の好決算と堅調な米国株価からすると、ややユーロが買われ過ぎの状況にある。また、ECB理事会の出口戦略を見極めたいとの思惑もあり、調整売りが優先されやすい相場環境にある。

 

本邦輸出勢は引き続き期日決済以外のドル売りは114円台のスタンス。米系短期筋のドル売りは112.50円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢のドル買いは111.60円から買いが観測されている。米系短期筋も111円台半ばから買いスタンス。

 

★19-20日に日銀金融政策決定会合を開催

欧米の中央銀行は超金融緩和策の出口戦略に移行しつつあり、日銀が逆行的な緩和維持姿勢を示すと円高歯止め要因となりやすい。また、日銀が緩和継続メッセージを発信し続けると内外金利差の拡大を促し、高金利通貨などに対して円安地合いを支援しやすい。残存期間10年超の超長期国債の買い入れについて柔軟な対応を見せるかどうか注目される。

 

★日本の5月の米財務省証券保有額で首位の座を維持

日本の保有額は1兆1110億ドルと、前月の1兆1070億ドルから増加した。また、中国も保有額は1兆1020億ドルで、前月比の1兆0920億ドルから増加した。

本邦投資家の資金が米国に向かっていることになる。そのため、8月は米国債の償還と利払いがあり、再投資される部分もあるがドルから円に戻す資金も相当な金額となりそうだ。そのため、8月中旬までは円買いが入りやすい。

 

★米中経済対話に向けた通商対立の再開が懸念

①米通商代表部(USTR)が北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に向けた交渉目的に概要を通知し、米国の貿易協定では初めて『貿易相手国による通貨操作』を阻止する適切な条項の導入を求めていく方針を打ち出した。②トランプ米大統領は米製造業の保護に向け今後6カ月間でさらなる法的・規制措置を講じる考えを示すとともに、米企業に損害をもたらす貿易協定や慣行を非難した。③米中両国が4月の首脳会談で合意した貿易不均衡是正のための『100日計画』が16日で期限を迎え、19日の米中経済対話に向けて通商対立の再開が懸念される。

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