FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★豪州経済指標公表:サプライズの有無に注目

○10:30 : 6月NAB企業信頼感 (前回7)
○10:30 : 6月NAB企業景況感 (前回+12)
○10:30 : 5月住宅ローン貸出 [前月比] (前回-1.9% 予想+1.5%)

今月のRBA理事会では、政策金利据え置かれ、声明に変化がなかったことが失望につながっているが、指標結果次第では利上げの思惑が浮上する可能性もある。ただ、サプライズがなければ、動意は限定される。

 

★日6月マネーストックM2:市場予想通り

日銀が発表した6月のマネーストックM2速報は、前年同月比で3.9%増加となり、市場予想通りとなった。

 

★日経平均株価:円安を好感してプラス圏を回復

米国の伸び悩みや全般円安が勢い鈍化などが重しとなりやすい。7月後半にかけては米国だけでなく、日本でも決算発表が相次ぐため、収益見通しを見極める様子見ムードが続きそう。同時に日米での政治不安や、世界の中央銀行による金融緩和策の縮小地ならしや、北朝鮮の地政学リスクなども、現状からの上値追いを抑制する。ただ、前週末の米雇用統計は底堅さを示したほか、日本では内外金利差の拡大が緩やかな円安地合いを支援しやすい。日経平均株価は、前日比7円安の2万0073円で寄り付いた。その後、円安進行を好感したほか、米ハイテク株の上昇のほか、資源素材関連株の上昇などの追い風となりプラス圏を回復した。

 

★東京外国為替市場:ドルの底堅い展開が継続

ドル/円は、114円前後でのもみ合い相場が続くなか、日米金利差拡大を背景に底堅い展開となっている。日米首脳会談では、トランプ大統領が日米貿易不均衡問題にふれたが、円安に関するけん制発言はなかった。現レベルは許容範囲内との見方となっている。ユーロ/ドルは、1.14ドル前後でこう着感を強めているが、ドル/円同様に米利上げ観測の動向次第の展開となることは否めない。

 

本邦輸出勢は引き続き115円台から本格的にドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは114.50円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢のドル買いは113.70円から観測されている。米系短期筋も113円台はドル買いスタンス。

12-13日のイエレン米FRB議長の議会証言を控え小動きながら底堅い展開が予想される。

 

★米貯蓄率上昇が内需耐性強化とデフレスパイラル回避

米国では家計の貯蓄率も改善へと転じてきた。5月の個人所得で貯蓄率は5.5%となり(4月は5.1%)、昨年9月以来の高水準を回復している。バブル過熱の状況と比較すると、現在は利上げや金利上昇に対して『貯蓄増加』というバッファーが増強されている。金利上昇に伴う借入・利払い負担の増加ショックが抑制される。株式保有が少なく、預金が多い中間層以下では、預金金利の上昇が家計にプラス要因となりやすい。また、米国では賃金の低迷が続いているが、6月に時間あたり賃金の名目前年比は+2.3%(5月は+2.4%)と3-4月の+2.3%から横這い化している。それに対して消費者の実感に近い物価指標のPCE(個人消費支出)コア・デフレーターは5月に+1.4%となり(4月は+1.7%)、2月の+2.1%をピークとした低下が示された。根深いデフレ圧力は懸念されるものの、『賃金前年比-物価前年比』で算出される実質賃金は底上げされている。5月時点では差し引き+1.0%前後と2015年12月以来の高水準となっており、賃金下げ渋りの中での物価抑制は、米国の内需耐性強化と負のデフレ・スパイラル入り回避につながっている。

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