FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日経平均株価:買い一巡後はやや上げ幅縮小

過度な原油安は小康や為替相場の落ち着きなどが下支え要因となりやすい。米国では経済指標の減速が目立っているが、前日はドイルの景況指数が大幅な改善となった。日本株は内外投資家による配当資金の再投資などが需給面での下支え要因となりやすい。ただ、米5月耐久財受注低迷や原油上げ渋り、日米での政治リスクなどが重しとなりやすい。28日早朝のイエレン米FRB議長の講演などを見極めたいとの様子見ムードも広がる可能性もある。日経平均株価は、前日比75円高の2万0229円で寄り付いた。その後は、やや上値が重くなり、上げ幅をやや縮小している。6月決算企業の配当権利取りや、株主総会での株主還元や成長戦略への期待、3月決算企業の株主総会を経た配当払い込みと内外投資家による配当式の再投資などが株価の下値を支えている。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は112円台の回復が焦点

ドル/円は、欧米の出口戦略の不透明感も残っていいるが、日本経済も同様にインフレ率の鈍化懸念を抱えていることから、マイナス金利からの脱却に苦労している。日米欧共に金利正常化に向けて、一日でも早く舵を切りたい意向であるが、金融政策の引き締めによるリスクが再浮上する可能性もある。取りあえずは、米国の利上後の反応と先行きの利上げペースの動向を見極めたいところだ。ユーロ/ドルは、一時1.12ドル台を回復したが、ドラギECB総裁による金融緩和策の継続が改めて意識されており、更なる買い材料には乏しい状況となっている。

 

本邦輸出勢は引き続き月末最終日の期日決済以外は112円台でドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは112.00円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は111.20円から継続的にドル買いスタンス。米系短期筋も111円台前半ではドル買いスタンス。

本日は月末を控えて本邦実需筋のフローには留意しておきたい。112円台回復するかも焦点となる。

 

★上院共和党内でもオバマケア代替案に反対が:否決される可能性高い

米上院共和党の医療保険制度改革法(オバマケア)代替案が施行された場合、オバマケアに比べて2026年に無保険者が2200万人多くなる一方、向こう10年で連邦政府の財政赤字は3210億ドル(約36兆円)減少する見込み。超党派の調査期間である議会予算局が試算を明らかにした。ただ、共和党上院議員3人がヘルスケア法案に反対姿勢を示しており、審議阻止に十分な議員数とされている。法案は29日に採決される予定となっている。

法案が否決されると、ドル売りにつながる可能性もある。

 

★トランプ米大統領がエネルギー輸出に関する演説を予定

トランプ米大統領が29日に、エネルギー輸出を中心に演説する予定。米国の天然ガス・石油・石炭の買いがい販売がいかに米国の世界に対する影響力を高め、国際同盟を強化し、世界市場の安定に寄与するかを説明する予定となっている。改めて米国による原油増産観測が中長期的な原油安材料として意識される一方、①米国産資源の日本や中国などへの輸出拡大圧力、②米国の『国策』資源振興策による先行き政治的な原油安の歯止め思惑、③米国の原油価格『支配主導権』増強と、その米国企業による先行き在庫・生産調整の可能性想起、などが原油安の歯止めとドルの下支え、資源国通貨の支援要因として注目される。

 

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