FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★豪州中銀の金融政策委員会の議事録公表(6日分)AM10:30

豪中銀のロウ総裁は19日、『今後数年の豪州の成長は最近よりもやや力強さを増す可能性が高い。グローバル経済の改善にわれわれは支援されている。鉱業投資のより正常な水準への回復はほぼ完了』などと景気への前向き発言を行った。欧州や中国など世界経済の持ち直しもあり、議事録でも景気前向き見解が示されると豪ドルの下支え要因となりやすい。ただ、インフレの伸び悩みなどもあり、先行きの利上げ始動については不透明感が強い。当面の金融政策の現状維持と様子見が強調されると豪ドルの上値を抑える可能性もある。

 

★日経平均株価:リスク選好の円安・株高継続

ダドリーNY連銀総裁の米国の景気、インフレ、利上げへの前向き発言や米国株の上昇、米国のハイテク株持ち直し、米長期金利の上昇によるドル高・リスク選好の円安などが支援材料となりやすい。米国では金利上昇や金融規制の緩和観測が金融株の上昇要因となっていて、日本でも銀行株がサポートされやすい。前週末には仏下院議会で仏大統領が率いる親EUの中道勢力が対象し、欧州での政治リスクも後退している。ただ、トランプ米政権による輸入制限の動きや、日米の政治リスクなど、不透明材料も覆っている。また、日米株の高値警戒感と相まって、日本での円安・株高についても慎重ペースとなる可能性もある。日経平均株価は、前日比166円高の2万234円で寄り付いた。その後も上昇幅を拡大し、年初来の高値を更新した。2015年8月以来の高値となった。

 

★東京外国為替市場:総じてドル高継続

ドル/円は、米長期金利動向に左右される展開が継続している。本日はNYダウの流れを引き継ぎ、株高期待を背景に底堅い展開が予想される。ただ、実需や利益確定売りがドル/円112円前後で控えている。対米貿易黒字が高水準で推移しており、円安はトランプ政権による貿易不均衡問題が問われる可能性が高い。また、地政学リスクなどを背景とした円買い需要もあり、加速的な円安にはなりにくい。ユーロ/ドルは、ECBの出口戦略の不透明さもあるが、依然としてポンドやドルの動向に振り回されている。

 

本邦輸出勢は、期日決済以外は112円台以上でドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは111.80円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢のドル買いは111.30円から買いが観測されている。米系短期筋も111円台前半からドル買いスタンス。

本日もフィッシャーFRB副議長の講演などFRB要人発言が複数予定されており、タカ派的な発言が続けば上値を試す展開となりやすい。

 

★サウジとイランに暗雲:中東情勢不安から原油下げ止まりか

サウジアラビア政府は19日、ペルシャ湾の油田近くを航行中のイラン船舶1隻を16日に拿捕し、乗船していた3人を拘束したと明らかにした。サウジ側は、3人がイラン精鋭部隊の革命防衛隊員と指摘。一方のイラン側は『3人は漁師だ』と主張している。
ペルシャ湾では、高波に流されたイラン漁船2隻がサウジ沿岸警備隊の発砲を受け、イラン人漁師1人が射殺されたとイラン内務省が12日に発表したばかり。相次ぐ問題を受け、断交中のサウジとイランが敵対姿勢を強め、緊張が一層高まる恐れがある。

 

英国のEU離脱を巡る初交渉:ポンドの変動率が上昇する可能性

英国は離脱後の通商関係など具体策も協議したいとの意向を示すが、EU側は英国が支払う『清算金』など離脱条件の詰めが先決との構えを崩さない。議論の入り口から双方の溝が目立ち、原則2019年3月までの交渉の行方はみえない。
メイ英首相が3月29日にEUへ離脱を正式に通知してから3カ月が経過し、ようやく双方が交渉のテーブルに着いた。交渉会合にはEUのバルニエ首席交渉官、英国のデービスEU離脱担当相が出席した。バルニエ氏は19日、『交渉の優先事項と進め方を今日定められればと願っている』と説明した。デービス氏は『EUとの強力で特別な関係の構築』を目指すと表明した。

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