★日5月貿易収支:市場予想より弱い結果
財務省が発表した5月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた輸入超過額は▲2034億円の赤字となり、市場予想の+433億円の黒字に反して赤字になった。
★日経平均株価:リスク選好の動きで上げ幅拡大
米国の経済指標悪化と米長期金利の低下、ドル安・円高の地合いなどが重しとなりやすい。安倍政権の支持率急落による政治不安定化も、日本株の高値警戒売りやヘッジ売りなどを後押しさせる。ただ、米FRBによる利上げ継続や資産縮小の準備は、過度なドル安・円高を抑制させる。日本株は株主総会が本格化するなか、自社株会や配当増加、新たな買収や事業再編といった成長戦略への期待感も残されている。日経平均株価は、前週末比31円高の1万9974円で寄り付いた。その後は、為替市場でドル/円が111円台を回復するなど、リスク選好の動きが強まり、上げ幅を拡大して推移している。
★東京外国為替市場:ドル/円は111円台を回復
ドル/円は、一時111円台を回復したものの、米長期金利の伸び悩みや日経平均株価の2万円台維持定着が出来ないこともあり、当面は実需や利益確定売りにおされ上値の重い展開が予想される。ただ、日米金利差を背景にしたドル買いニーズは根強く、ドル/円110円トライを目指すには新たな材料が必要となる。ユーロ/ドルは、ポンド安が一服するなか、1.12ドル前後で試行錯誤を繰り返すなか、相変わらずドル主導の展開を余儀なくされている。このところのパターンでは、米長期金利が2.1%に接近するとユーロ買い、そして2.2%に迫る展開ではユーロ売り傾向となりやすい。
本邦輸出勢は引き続き期日決済以外は111円台後半から様子を見ながらのドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは111.50円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は110.50円からドル買いが観測されている。米系短期筋も110円台ではドル買いスタンス。
本日は特段の材料もないことから、株価や米長期金利の動向に左右されやすい展開となりそうだ。
★今週はFRB要人の講演が相次ぐ:発言内容で為替変動材料に
今週はFRB要人の講演が相次ぐ週となっており、今後の利上げや資産縮小のスケジュール、景気と物価の現状判断などが焦点となる。
朝方ロイターは、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁への電話インタビューとして、『最近のインフレ鈍化や一時的であるとの確証が持てるまでFRBは利上げをも来るべき、と考えるのは私一人ではない』との見方を示した、と報じた。為替市場では、瞬間ドル安に動いたが反応は限定的だった。
★6月13日付シカゴIMM投機筋の対米ドルでの差し引き持ち高
(6月6日) ⇒ (6月13日)
・円 :▲55,027 ⇒ ▲50,053
・ユーロ :+74,009 ⇒ +79,053
・ポンド :▲36,716 ⇒ ▲39,441
・豪ドル : ▲114 ⇒ ▲1,511
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