★6月4-10日分の対外及び対内証券売買契約等の状況
国内投資家は対外中長期債は5266億円の買い越しとなり、買い越しは2週間ぶりとなった。対外株式は504億円の買い越しとなり、3週連続の買い越しとなった。また、海外投資家は対内株式は1431億円の売り越しとなり、売り越しは3週間ぶりとなった。対内中長期債は3096億円の買い越しとなり、5週連続の買い越しとなった。また対内短期債は2兆7686億円の大幅買い越しとなっている。
海外投資家が3週間ぶりに売り越しとなった。この期間で日経平均株価は、164円程度の下落となっていた。
★日経平均株価:内需株に打たれ強さがありプラス圏に浮上
米国の小売売上高や物価指数の低迷、米長期金利の低下とドル安、FRBの先行き利上げ不透明感とリスク回避の円高、米国のハイテク株安、原油価格の下落が重しとなりやすい。また、15日の早朝に米ワシントン・ポスト紙が『米国の特別検察官が米大統領を司法妨害の可能性で捜査』と報じ、改めてドル安と円高が後押しされている。そのため、利益確定売りやヘッジ売り、新規投資手控えが想定される。ただ、米国のFOMCでは、先行き利上げや保有資産の縮小の地ならしが維持された。そのため、過度なドル安・円高は抑制される可能性もある。押し目買い需要の根強さも注目される。日経平均株価は、前日比67円安の1万9815円で寄り付いた。その後は、建設や陸運などの内需株が底堅さを保つなど、打たれ強さを見せている。円安進行に伴ってプラス圏を回復した。
★東京外国為替市場:ドル買い戻しの展開
ドル/円は、米長期金利の低下が嫌気されるなか、一時109円割れへと警戒感を強めた。ただ、米FRBが金利正常化に向けてタカ派的な姿勢を維持しており、更に下値を探る難しさがある。ユーロ/ドルは、FOMCの結果を受けて、一時1.13ドル台に迫る展開を見せたが、戻り売りと利益確定売りに押され行って来い相場となり、改めて上値の重さが意識された。当面、英国のEU離脱問題を含めて、ECBの出口戦略が判明するまではレンジ相場となりやすい。
本邦輸出勢は期日決済以外は110円台で多少ドル売りスタンス。米系短期筋のドル売りは109.80円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は108.80円からドル買いが観測さえている。米系短期s字は109円台前半でドル買いスタンス。
本日はFOMCの決定内容などを消化することで、底堅く推移する可能性がある。また、ドル/円は明日のNYカットで110.00円のドルコールオプションが大量に期日を迎えることに注意が必要となる。
★不調だった5月消費者物価指数(CPI)と5月小売売上高
5月消費者物価指数(CPI)は前年比で+1.9%となり、市場予想+2.0%を下回り、昨年11月来で最低となった。コアCPIは予想外に4月+1.9%から低下し、2015年5月来の低水準に落ち込んだ。また、米5月小売売上高は前月比-0.3%と、4月+0.4%から予想外にマイナスに転じ、昨年1月来で最低の伸びに落ち込んだ。変動の激しい自動車除いた小売売上高は前月比-0.3%と、4月+0.4%から昨年7月来で最低の伸びとなった。
★米FOMC結果について
米FRBはFOMCで市場の予想通り政策金利であるFF金利誘導目標を3月に続き0.25%引き上げ1-1.25%に決定した。過去10年間で3回目の利上げとなった。声明では、経済活動、雇用、消費に関する判断を上昇修正した。一方でインフレ判断を下方修正した。また年内にバランスシートの縮小を開始する方針を確認した。
イエレン米FRB議長はFOMC後の会見で。『本日発表されたインフレ指標は様々な項目で弱さを示した』としながらも、インフレの低下が『一時的な項目、携帯電話や薬価の値下げが引き下げた』と説明した。ディスインフレが一時的にとどまると見ていることを明らかにした。イエレン米FRB議長はまた、インフレは今後数年で上昇し、目標である2%前後で安定するとの見方を確認した。さらに、経済は緩やかな利上げを正当化すると繰り返し、タカ派的な内容となった。
なお、縮小金額の枠については、当初は米国債が月額60億ドル、MBSが月額40億ドル縮小し、3ヵ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債を月額300億ドル、MBSが月額200億ドル縮小する。
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