FITS エコノミックレポート

午前の市場コメント!

★日4-6月期法人企業景気予測調査:悪化

内閣府と財務省が発表した4-6月期の法人企業景気予測調査(BSI)によると、大企業全産業の業況判断指数はマイナス2.0となり、前回のプラス1.3から悪化した。大企業製造業は前期比マイナス2.9だった。

BSIは「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と回答した企業の割合の差をあらわす。日銀が公表している企業短期経済観測調査(短観)との類似性から『政府版短観』と呼ばれることもある。

 

★日経平均株価:円高一服で小幅下げ幅縮小

米国株のハイテク株を中心とした続落や円高地合い、13-14日の米FOMC、15016日の日銀金融政策決定会合への警戒感などが重しとなりやすい。英国では前週の議会総選挙で与党保守党が過半数割れとなり、連立協議が難航している。欧州での株安要因となっているほか、ポンド安によるリスク回避の円高を後押ししている。前日の米10年債入札が落ち着いたものとなり、米長期金利は下げ止まりを維持した。また、原油価格も反発となっており、リスク回避による円高・株安の圧力は軽減される可能性がある。日経平均株価は、前日比48円安の19859円で寄り付いた。その後は、若干円安傾向が強まったこともあり、やや下げ幅を縮小する動きとなっている。ただ、方向感の欠いた値動きが継続しそうだ。

 

★東京外国為替市場:ドル/円は110円を挟んだ動きに

ドル/円は、引き続き地政学リスクや政治リスクがあるなか、利食いと損切りが相混じる展開となっている。そのため、110円前後で一進一退の展開を余儀なくされている。為替相場と株価の相関性は希薄になっているなか、注目されるのは米長期金利の動向となる。米長期金利の動向次第でドル買い・ドル売りの動きにつながりやすい。ユーロ/ドルは、英EU離脱交渉の難航を嫌気したポンド売りにつながっているなか、1.12ドル前後での値動きとなっている。当面はポンド安がユーロ/ドルのサポート要因となっているが、ポンド安だけではユーロの上値も限定されやすい。

 

本邦輸出は依然として期日決済以外は静観スタンス。米系短期筋のドル売りは110.30円から継続的に観測されている。また、本邦輸入勢は109.60円からドル買いが観測されている。米系短期筋は109円台ではドル買いスタンス。

FOMC結果を控えて、積極的な取引は控えられる。目先は米系短期筋主導の展開となりやすい。

 

★英国の格付けにネガティブな影響:格付け会社ムーディーズ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、英国で実施された総選挙が決定的でない結果となったことで、EU離脱交渉に遅れが生じる可能性があるとの見方を示した。その場合、英国の格付けにネガティブな影響が見込まれる。さらに、英国政府にとって財政赤字縮小の優先順位が低くなることも、格付けにはネガティブに働くと説明した。そのため昨日はポンド売り圧力が強まった。一方で、EU離脱の選択肢において、ハードブレグジットをそれほど考慮していない可能性があり、その場合は格付けにポジティブだと説明した。『政府がどの方針を変更するかは現段階で不明だが、よりソフトな離脱が検討されるだろう。欧州単一市場もしくは関税同盟へととどまるよう要請する可能性はある』と予想した。これらのコメントに対して、市場ではポンド売りに傾いた。

 

★ユーロ高が原油価格の下支え

前週末に米ベーカー・ヒューズ社が発表した米国内の石油掘削装置(リグ)稼働数は8基増の741基となり、21週連続の増加を記録した。米国内のシェールオイル生産拡大の継続が示されたことで、それが引き続き売り圧力になっている。ただ、仏国民議会選挙でのマクロン大統領派優勢を好感してユーロ/ドルがじり高になっており、割安感が徐々に広がり、原油価格の下支えとなっている。

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